11月21日下呂編

街歩き「下呂編」

下呂と言えば、やはり温泉。
ここには、日本でもめずらしい温泉専門の博物館、
下呂発 温泉博物館があります。
10世紀に発見された下呂温泉ですが、
鎌倉時代中頃、湯ヶ峰の頂上付近から温泉が突然出なくなり、
温泉街の中央を流れる飛騨川の河原で再び発見されました。
薬師如来が、傷ついた一羽の白鷺に姿を変え、
飛騨川で傷を癒し、村人に源泉のありかを知らせたという
「白鷺伝説」として伝わっています。
「へぇ、素敵な伝説から生まれた温泉なのね。
あっ、これがその温泉の沸き出す仕組みかぁ。  はあ、なるほどね…。
     他には・・・明治の温泉番付に、昔の温泉のパンフレット、
     全国各地の温泉の湯の華もあるのね!」
博物館の近くには、1926年、大正15年から続く大衆浴場「白鷺の湯」。
洋風の外観に、ひのきの内湯。
大きな窓から、飛騨川と周りの山を臨むことができます。
浴場の外にはこちらも洋風の「ビーナスの足湯」。
地元の人や旅人が、輪になって
あたたかい温泉に足をつけ、世間話に花を咲かせています。

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下呂温泉街の高台にひっそりとたたずむ、温泉寺。
「白鷺伝説」に登場する薬師如来を 本尊とするお寺です。
173段の長い石段を上り、山門を抜けて境内へ。
下呂の町並みが一望できるところに、このお寺があります。

本堂前にある湯薬師如来尊像の下からは、
下呂温泉の湯が湧き出ています。
「ここで、温泉の湯に触れながらお参りして…
   その奥の本堂の中にいらっしゃるのが、ご本尊ね」
古くから大勢の湯治客が訪れた温泉寺。
ここには、治癒した人達の絵馬が数多く残されています。
「あら、本堂の柱に、何か文字が彫ってある・・・」
これは、当時、絵馬を買えない人達が、
願掛けに書いたのではないか…と、される願文。ねがいのふみ。
本堂の古い九本の柱に、
江戸時代の年号や地名、名前などがいくつも残っています。
今も昔も、訪れる人の心をなごませてくれている温泉寺。
見上げると、紅葉が美しい色を見せています。

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下呂市の名物と言えば、鶏ちゃん。
「鶏」は鶏肉のこと。
鶏肉とキャベツに特製のタレを絡めて、
鉄板やジンギスカン鍋で焼きながら食べる、郷土料理。
味付けは店によってさまざま。
「しょうゆ」「みそ」「塩」など、オリジナルのタレが味の決め手です。
「鶏ちゃん」のルーツは、
味噌に漬けておいた鶏肉を、
冬でも手に入るキャベツと一緒に炒めたのが始まりとか、
ジンギスカン鍋が元になっているなど、様々な説がありますが、
5、60年前から食べられていて、改良が重ねられて今の形になったようです。
「うーん、タレのいい香り。ニンニクも入っているのかしら。
食欲をそそるわね。 それじゃあ、さっそく・・・
うん、柔らかい鶏肉! キャベツに肉汁が絡んで…ビールにぴったりね。
ああ、ごはんも一緒に食べたい!」

2010年、全国のB級グルメが集まる「B-1グランプリ」に初参加した「鶏ちゃん」。
今後ますます、日本中に広まることでしょう。

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温泉街の東、弘法山の
なだらかな丘陵地にある、下呂温泉合掌村。
白川郷などから移築した 10棟の合掌家屋で集落を再現、
日本の原風景が体験できる、合掌の里です。
農具や民具などを展示する民俗資料館、狛犬博物館のほか、
陶芸や陶器の絵付けが体験できる「斐騨陶房」、
和紙で絵漉きが体験できる「漉倉」、そして
地元の特産品を販売する「市倉」があります。
「そうか、昭和36年にできた御母衣ダムの建設で
  岐阜県の白川村と荘川村の
    一部が水没することになった時、
     その合掌造りの民家を保存しようと移築されたものなのね」
この下呂温泉合掌村には、日本で唯一
常設の影絵劇場である 影絵昔話館、「しらさぎ座」があります。

「ステージ全面にある三つの大きなスクリーンに
   n美しい色合いの繊細な影絵…
    役者さんたちの生のお芝居もあって、
     50分のステージがもうあっという間だったわ」
合掌家屋から少し離れたところには「歳時記の森」。
古民家や土蔵、水車小屋を眺めながら歩けば、
木々の葉が風に揺れてサラサラと音をたて、
足下の落ち葉が、歩みに合わせてリズムを刻みます。

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<曲紹介>

下呂の街歩きと併せてお届けした曲は、

M1‥ロッド・スチュワート、「縁は異なもの」
M2‥イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー、「秋風の恋」
M3‥アル・ジャロウ、「モーニン」
M4‥エルトン・ジョン&キキ・ディー、「トゥルー・ラヴ」
M5‥デビー・ギブソン、「瞳をとじて」
そして、
M6‥チャーリー・ハンターfeat.ノラ・ジョーンズ、「モア・ザン・ディス」でした。


<声の歳時記>

◇まずは、秋田県。
「スポーツで、秋田をさらに元気に!」
今年の10月から、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)に新規参入したプロチーム
「秋田ノーザンハピネッツ」。 チームカラーは、ハッピーなイメージを与えるピンクと、
稲穂のゴールド、力強さを表すブラック。ロゴマークは、豊作と勝利への思いを込めた稲穂と、
バスケ王国としての誇りを表した王冠をあしらっています。
秋田で初めてのプロスポーツチーム。 アナタも、この盛り上がりに参加しませんか!?

◇続いては、東京都。
「“かまどの神様”の祭りです」
毎年、11/27、28に、品川区の海雲寺で「千躰荒神秋季大祭」が行われます。
台所に祀ると人や水の災難を除き、衣食住に困らないとされる、荒神様。
江戸時代から続く大祭では、千躰荒神が御開帳となります。
多くの縁日がたち、かまどにちなんだ縁起菓子“釜おこし”は人気です。時間は、朝7時から。

◇お次は、富山県。
「今年も感謝の気持ちを込めて…」
黒部峡谷鉄道は、通称“トロッコ電車”と言われる小さな鉄道。
深いV字峡谷を縫うように走り、大自然を満喫出来ます。
12月から春までは運休ですが、目前の11/28(日)から30(火)までの三日間
「黒部峡谷ラスト感謝デー」を実施!
始発駅の宇奈月駅で乗車された方全員に、甘酒が振る舞われます。
冬が来る前に、小さな列車の旅はいかがですか?

◇つづいては、岐阜県。
「“ゆず”のお祭りです」
今年も“ゆず”が出回る季節になりましたね。11/28(日)関市の上之保温泉、
ほほえみの湯で「第5回上之保ゆず祭り」が行われます。
これは、この地域の特産物である“ゆず”を、広くPRするためのイベント!
即売会、ゆず加工品のバザー、ゆず料理の体験や販売、ゆず足湯など、ゆず尽くしです。


◇そして、大阪府。
「“薬の神様”のお祭りです」
大阪市の道修町は“薬の町”。
日本の薬祖神である「少彦名神社」がビルの谷間に鎮座し、
製薬会社や薬品会社が密集しています。
毎年、11/22、23は少彦名神社の神農祭。
たくさんの参拝者が病除けのお守り「張子の虎」を求める姿はこの季節の風物詩。
通りには、くす玉や、献灯提灯が飾られて、様々な屋台が軒を連ねます。

◇おしまいは、和歌山県。
「食の祭り、開催」
11/23(勤労感謝の日)、和歌山市の和歌山城の砂の丸広場で
「食祭WAKAYAMA2010」が行われます。
海の幸、山の幸、大地の幸に恵まれた和歌山の味覚が、大集合するイベント!
漁獲量が全国トップクラスの“アシアカエビ”を使った料理を始め、
和歌山ラーメン、熊野牛、めはり寿司、茶粥など“うまいもん”を堪能あれ。
お天気が悪い場合は、中止となります。