04月17日大分・竹田編

「大分・竹田編」

竹田のシンボル、岡城跡。
城の形が牛の寝ている姿に似ていたことから
「臥牛城」とも呼ばれます。
切り立った斜面と川に囲まれた岡城は、まさに自然を利用した要塞。
1586年、天正14年には島津藩3万7000もの軍勢を、
わずか1,000人で撃退。
難攻不落の伝説は、多くの歴史ファンに知られています。
尾根をつたうように広がる城内を散策。
今は石垣が残るのみとなっていますが、
苔むした石垣は、堂々たる風格。
城作りにかけた人々の情熱を感じとることができます。
「ここで少年時代の瀧廉太郎が遊び、
  名曲『荒城の月』が生まれたのかしら?」
城の北側にある絶壁には、およそ3メートルの三日月形の岩穴。
かつて藩主は、この中に明かりを灯し、
月のない夜も月見の宴を楽しんだと聞きました。
「岡城には、もうひとつの『荒城の月』があったのねえ・・・」
思いがけない物語との出会いに感動です。

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名水の里、竹田。
九州を代表する山々に囲まれ、
豊かな自然に染み込んだ伏流水が悠久の時の中で清らかな水を育み、
奥豊後の地に潤いを与えます。
木々が生い茂る小道を行き、目指すは 長小野湧水・鳴瀧。

「うわ〜、地面から水が湧いているのかと思ったら、
   岩壁から水が溢れて、滝になっているんだ!」
鳴滝神社の境内にあるこの滝は、神社のご神体。
かつて、不治の病に苦しむ人がこの滝の水を飲んだところ、
病が治ったという言い伝えがあり、滝の中段には祠も祭られています。
岩肌で磨かれるように滑り落ちる清水は、白糸の滝という風情。
幾筋もの滝が連なり、冷たい風が吹き抜けます。
静かな空間に身を委ねれば、心の芯から癒されていきます。

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隠れキリシタンゆかりのお寺、英雄寺。
曹洞宗の寺で、1644年、建立されました。
隠れキリシタンの秘佛マリア像、
さらに280枚の絵天井があることでも知られます。
そして、英雄寺といえば、ぼたん。
文禄の役で出兵した中川秀成公が、部下に命じて持ち帰り、城内に移植。
この寺を建立する際、こちらに植え替え
戦没者の霊を弔ったとされています。
「へえ〜、赤・紫、ピンク…色鮮やかな牡丹の花が、
   あちこちで咲き誇っているのねえ」
大輪のぼたんは、思わず息をのむ美しさ。
本堂の前庭から境内にかけて、200を超えるぼたんの花が宴を競い
春の香りが漂います。
飲めば不老長寿になる、といわれているボタン酒。
ボタンの花と葉が浮かんでいます。
春の香りを楽しみながら、私も杯を手に‥
五感を刺激する春のいぶきに、ただただ圧倒されています。

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音楽家、瀧廉太郎。
彼が少年時代を過ごした旧家を復元した、瀧廉太郎記念館。
重厚な門をくぐれば、手入れの行き届いた木々に囲まれた旧宅が・・・
館内では、
瀧廉太郎の生い立ちから青年期、曲を作った歴史など
その生涯を紹介した映像を観ることができます。
「そうか……
  瀧廉太郎は、わずか23歳で亡くなったのね。
   でもその短い人生で、
     幾編もの素晴らしい曲を残してくれたんだもんね。」

さらに、手紙や写真、直筆の譜面などが展示され
明治を生きた偉大な音楽家の人柄を偲ぶことができます。
中庭を抜ければ、小さな蔵のような建物も。
二階は子供部屋で、姉と共に勉学に励んだと言われています。
「雄大な山々に清らかな水、そして四季折々の花たち‥
   若き天才の感受性は、この恵まれた自然に育まれたのかもしれないなあ‥」

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<街歩きパートの曲紹介>
竹田の街歩きと併せてお届けした曲は、
   M1‥サラ・ブライトマン、「スカボロー・フェア」
   M2‥ジェイク・シマブクロwithシンディ・ローパー、
      「アクロス・ザ・ユニバース」
   M3‥セルジオ・メンデスとブラジル’66、「ナイト・アンド・デイ」
   M4‥マイケル・ブーブレ、「ジョージア・オン・マイ・マインド」
   M5‥スーザン・オズボーン、「虹の彼方に」
   そして、
   M6‥布施明、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」でした。
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<『歌の歳時記』>

  今週のテーマは、「桜ソング」です。
   M1‥デパペペ、「桜風」
   M2‥アンジェラ・アキ、「サクラ色」