05月20日滋賀県 近江市
街歩き「東近江編」
毎年5月の最終日曜日、建部北町
愛知川八千代橋下流河川敷で行われる
東近江大凧まつり。
国の選択無形民俗文化財となっている「大凧揚げ」は、
江戸時代中頃から、300年以上続く伝統の行事。
100畳敷の大凧を、100人の引き手が力を合わせて
大空に揚げるのです。
「えっ、引き手の一般受付もあるの? うわっ!やりたい!!」
大きな凧に、その日の風を見ながら
縦の骨がつけられていきます。
その道のプロが一丸となって、凧を弓なりにしならせ、
少しずつ、その形を整えます。
もっとも風の条件が良い時を見計らって
いよいよ100畳敷大凧揚げ。
長い長い綱を100人で支え、太鼓の合図のあとしばらくすると、
はるか先に凧が上がるのが見えてきます。
手に握る綱に伝わる力が、徐々に強くなります。
『はい、離して!』
順番に声をかけられ、綱を手放したら素早く後ろに走る…。
振り返って見上げてみると、大凧が空を舞っていました。
-----
東近江市の中央から少し北、
近江鉄道「八日市」駅から車で15分。
山の中腹に、今から1400年あまり前、
聖徳太子が百済の寺を模して創建したと言われる
百済寺があります。
趣のある朱色の「赤門」をくぐって表参道へ。
杉の木立の間から、石畳に木漏れ日が注がれます。
「新緑の美しさと、古いお寺の この風情・・・
とても静かで 心が落ち着く。」
参道を進むと、本坊喜見院。
ここで見られるのが、壮大な池泉回遊式庭園。
谷川の水が石の間を流れ、大きな石が菩薩に見立てて配されています。
庭園内の階段を上ると…55キロメートル先の琵琶湖、
そして比叡山が一望できます。
そのさらに880キロ先は、かつての百済国。
百済からやってきた人々も、
ここから祖国を思ったのでしょうか。
-----
百済寺の近く、近江鉄道「八日市」駅から
ちょこっとバスでおよそ16分。
「道の駅あいとうマーガレットステーション」は
レストランやショップ、ガーデニングが楽しめる温室、
そして広大な花畑を持った施設。
「へぇ、4月は菜の花が満開だったのかぁ。
これからは、ポピーの季節ね。 それも楽しみ!!」
地元で収穫された野菜や果物、色とりどりの花…
毎日の食卓を豊かにしてくれる、活気のある直売店です。
この中で行列ができる人気となっているのが、
新鮮な牛乳と地元で採れた農産物でできた「ジェラート」。
「うわぁ、種類がたっくさん…!
しぼりたて牛乳、いちご…メロン、黒ゴマに
レモンカスタードでしょ、ヨーグルト、はちみつジンジャー、
えっ、ラベンダー、レタス…アスパラガス!?
これっていったいどんな味なの!??!」
常時12種類ほどのジェラートが店頭に並びます。
旬の素材を使って、その日の朝に作られる、
口溶けのいいひんやりデザート。
あれもこれも試してみたくて、三色盛りを オーダー!
-----
近江盆地の真ん中 五個荘地区は、昔から交通の要所。
近江商人の発祥の地のひとつとして知られています。
江戸時代後期から昭和初期にかけて、ここから多くの商人が生まれ、
彼らは郷里を離れることなく、ここに屋敷を築きました。
『金堂の町並み・近江商人屋敷』
と、書かれた看板に誘われて進みます。
「まあ! お寺の前を流れる堀に、錦鯉が泳いでる。
なんて美しい町並みなんでしょう・・・」
近江商人屋敷のひとつ、外村宇兵衛邸。
大きな屋敷でありながら、
決して派手ではない、上品で落ち着いた邸内です。
路地をすっと曲がれば、そこに見えるのは
しっとりとした質感の白壁と、
板張りの見事なコントラスト。
この光景はまるで、版画のよう。
白い壁に張り巡らされた板は船板張りと呼ばれ、
家の壁を守るため、琵琶湖の船の板が再利用されています。
これも近江商人の心意気、なのかもしれません。
-----
<街歩きパートの曲紹介>
東近江の街歩きと併せてお届けした曲は・・・
M1‥エイミー・マン、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイアモンド」
M2‥シン・スンフン、「I believe」
M3‥小野リサ、「マイ・シェリー・アモール」
M4‥ビル・ウィザース、「ラヴリー・デイ」
そして、
M5‥スコット・ウォーカー、「ジョアンナ」でした。
-----
<『歌の歳時記』>
今、歩きたい道がある。
今、触れたい風景がある。
そして今、聴きたい歌がある・・・
東京の季節の風景を、季節の音楽と共にお届けします、「歌の歳時記」。
さて、今の時期の花といえば、
バラ、アヤメ、カキツバタ。
そして、これから見頃を迎える、花ショウブ。
東京の数ある花ショウブの名所の中で、都心のスポットと言えば…皇居。
皇居の東側にある「東御苑の二の丸庭園の菖蒲田」は、
密やかな名所です。
『何れ菖蒲か杜若』
と、あるように
アヤメ、カキツバタ、花ショウブは、全てアヤメ科の花。
一見して、区別するのは難しいです。
花びらの元に、アヤメは網目状の模様が、カキツバタは白い筋が、
そしてハナショウブは、黄色のぼかしがあることで区別できます。
鑑賞の際には、この花の特徴にもぜひ注目してみてください。
M1‥佐藤公彦(ケメ)、「通りゃんせ」
M2‥さだまさし、「東京物語」
毎年5月の最終日曜日、建部北町
愛知川八千代橋下流河川敷で行われる
東近江大凧まつり。
国の選択無形民俗文化財となっている「大凧揚げ」は、
江戸時代中頃から、300年以上続く伝統の行事。
100畳敷の大凧を、100人の引き手が力を合わせて
大空に揚げるのです。
「えっ、引き手の一般受付もあるの? うわっ!やりたい!!」
大きな凧に、その日の風を見ながら
縦の骨がつけられていきます。
その道のプロが一丸となって、凧を弓なりにしならせ、
少しずつ、その形を整えます。
もっとも風の条件が良い時を見計らって
いよいよ100畳敷大凧揚げ。
長い長い綱を100人で支え、太鼓の合図のあとしばらくすると、
はるか先に凧が上がるのが見えてきます。
手に握る綱に伝わる力が、徐々に強くなります。
『はい、離して!』
順番に声をかけられ、綱を手放したら素早く後ろに走る…。
振り返って見上げてみると、大凧が空を舞っていました。
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東近江市の中央から少し北、
近江鉄道「八日市」駅から車で15分。
山の中腹に、今から1400年あまり前、
聖徳太子が百済の寺を模して創建したと言われる
百済寺があります。
趣のある朱色の「赤門」をくぐって表参道へ。
杉の木立の間から、石畳に木漏れ日が注がれます。
「新緑の美しさと、古いお寺の この風情・・・
とても静かで 心が落ち着く。」
参道を進むと、本坊喜見院。
ここで見られるのが、壮大な池泉回遊式庭園。
谷川の水が石の間を流れ、大きな石が菩薩に見立てて配されています。
庭園内の階段を上ると…55キロメートル先の琵琶湖、
そして比叡山が一望できます。
そのさらに880キロ先は、かつての百済国。
百済からやってきた人々も、
ここから祖国を思ったのでしょうか。
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百済寺の近く、近江鉄道「八日市」駅から
ちょこっとバスでおよそ16分。
「道の駅あいとうマーガレットステーション」は
レストランやショップ、ガーデニングが楽しめる温室、
そして広大な花畑を持った施設。
「へぇ、4月は菜の花が満開だったのかぁ。
これからは、ポピーの季節ね。 それも楽しみ!!」
地元で収穫された野菜や果物、色とりどりの花…
毎日の食卓を豊かにしてくれる、活気のある直売店です。
この中で行列ができる人気となっているのが、
新鮮な牛乳と地元で採れた農産物でできた「ジェラート」。
「うわぁ、種類がたっくさん…!
しぼりたて牛乳、いちご…メロン、黒ゴマに
レモンカスタードでしょ、ヨーグルト、はちみつジンジャー、
えっ、ラベンダー、レタス…アスパラガス!?
これっていったいどんな味なの!??!」
常時12種類ほどのジェラートが店頭に並びます。
旬の素材を使って、その日の朝に作られる、
口溶けのいいひんやりデザート。
あれもこれも試してみたくて、三色盛りを オーダー!
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近江盆地の真ん中 五個荘地区は、昔から交通の要所。
近江商人の発祥の地のひとつとして知られています。
江戸時代後期から昭和初期にかけて、ここから多くの商人が生まれ、
彼らは郷里を離れることなく、ここに屋敷を築きました。
『金堂の町並み・近江商人屋敷』
と、書かれた看板に誘われて進みます。
「まあ! お寺の前を流れる堀に、錦鯉が泳いでる。
なんて美しい町並みなんでしょう・・・」
近江商人屋敷のひとつ、外村宇兵衛邸。
大きな屋敷でありながら、
決して派手ではない、上品で落ち着いた邸内です。
路地をすっと曲がれば、そこに見えるのは
しっとりとした質感の白壁と、
板張りの見事なコントラスト。
この光景はまるで、版画のよう。
白い壁に張り巡らされた板は船板張りと呼ばれ、
家の壁を守るため、琵琶湖の船の板が再利用されています。
これも近江商人の心意気、なのかもしれません。
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<街歩きパートの曲紹介>
東近江の街歩きと併せてお届けした曲は・・・
M1‥エイミー・マン、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイアモンド」
M2‥シン・スンフン、「I believe」
M3‥小野リサ、「マイ・シェリー・アモール」
M4‥ビル・ウィザース、「ラヴリー・デイ」
そして、
M5‥スコット・ウォーカー、「ジョアンナ」でした。
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<『歌の歳時記』>
今、歩きたい道がある。
今、触れたい風景がある。
そして今、聴きたい歌がある・・・
東京の季節の風景を、季節の音楽と共にお届けします、「歌の歳時記」。
さて、今の時期の花といえば、
バラ、アヤメ、カキツバタ。
そして、これから見頃を迎える、花ショウブ。
東京の数ある花ショウブの名所の中で、都心のスポットと言えば…皇居。
皇居の東側にある「東御苑の二の丸庭園の菖蒲田」は、
密やかな名所です。
『何れ菖蒲か杜若』
と、あるように
アヤメ、カキツバタ、花ショウブは、全てアヤメ科の花。
一見して、区別するのは難しいです。
花びらの元に、アヤメは網目状の模様が、カキツバタは白い筋が、
そしてハナショウブは、黄色のぼかしがあることで区別できます。
鑑賞の際には、この花の特徴にもぜひ注目してみてください。
M1‥佐藤公彦(ケメ)、「通りゃんせ」
M2‥さだまさし、「東京物語」