ある時、ある方から「天皇陛下が作詞をされ皇后陛下が作曲をされた沖縄を歌った「琉歌」が存在してるのですが、これをなんとか世に出せないかと思うのですが」という話を聞いたことがありました。
誰が歌ってどのような形で発表をしてと考えると、おいそれと軽々なことは言えませんよねぇという会話を交わした記憶があります。
恐らくその時話題に出た曲が、2月24日に国立劇場で開催される天皇陛下ご在位30年記念式典で三浦大知さんが歌うことになった天皇陛下が作詞をされ皇后さまが作曲をされた「歌声の響(ひびき)」なのだと思います。
報道によれば両陛下が沖縄県のハンセン病療養所の入所者の方々との交流をきっかけに作られた「琉歌」とのこと。
式典はどのように公開されるのか詳細はわかりませんが、
何らかの形で三浦さんの歌う「歌声の響」を拝聴したいものです。
そして新天皇のご即位を披露する「祝賀御列」はトヨタのセンチュリーをオープンカーに仕立ててパレードすることになりましたね。
今年の箱根駅伝の大会委員長車がトヨタの豊田章男社長の所有するホイールやエアロパーツに相当に手を加えたセンチュリーであることが一部車マニアの間で話題になりましたが、あれは今回の伏線だったのでしょうかねぇ。
私がもっとも驚いた皇室関係の話題は、なんといっても今年の歌会始で天皇陛下が詠まれた歌でした。
「贈られしひまはりの種は生え揃ひ
葉を広げゆく初夏の光に」
この歌を聴いた瞬間に、これは「はるかのひまわり」の事を詠まれた歌ではないか?でもまさかとも思いました。
2000年代初頭に担当していた「サプライズ!」という番組に「10時のちょっといい話」という朗読コーナーがありました。
2006年に作品をまとめて「車いすのパティシエ」という本にしたところ、想像以上の方々に読んでいただけました。
その中に放送作家の日高博さんが取材をして書き上げた「はるかのひまわり」とう作品があり、イベントなどで何回も朗読をしました。
阪神淡路大震災で命を落としたはるかさん(当時11歳)と、生き残ってしまったという気持ちにさいなまれた姉のいつかさんの物語です。
はるかさんが発見された倒壊した自宅跡にその年の夏に大きなひまわりが咲いたのです。
可愛がっていた隣の家のオウムのエサのひまわりの種が育ったようなのですが、近所の方々は「これははるかの生まれ変わりなんや」と言ったことがきっかけで「はるかのひまわり」と呼ばれるようになりました。
近隣のみなさんが手入れをしたところ毎年その場所で花を咲かせるようになったのです。
その後、姉のいつかさんは「お早うと言った人におやすみって言えなくなることもあるんだよ」という話を子どもたちに伝えながらこのひまわりの種を配ることをはじめました。
本で紹介した物語はここまででした。
その後、震災の追悼式典で両陛下もこの種を譲り受け、以来毎年お住まいの御所の庭でひまわりの花を咲かせていらっしゃることを新聞の記事で知りました。
平成最後の歌会で「はるかのひまわり」の事が歌われたことに深い感慨を覚えたことは言うまでもありません。
震災から24年の歳月が過ぎました。
忘れてはいけなという戒めと、同じような災害がいつどこで起こってもおかしくはない事を改めて心に刻むことになった陛下の歌でした。
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