医療法人社団スマイルベア「キッズデンタル」代表 坂部 潤
1974年、東京生まれ。
大学病院で小児歯科専門医療を実践、
また、アメリカUCLA小児矯正科への留学経験を経て、
小児歯科専門医として、都内で「キッズデンタル」を経営。
竹内: スタイルが良くて驚いちゃいました。
坂部: ありがとうございます。
竹内: 「医療法人社団スマイルベア」という名前はどこから?
坂部: 私たちの病院は、家内も小児歯科医で、2人で始めたんですけど、これからも子供専門の医療をやっていこうと。スマイルって、笑顔、歯の印象、ベアって、クマちゃん、テディベアとか、子供らしさの象徴かなと思って、その二つをくっつけてスマイルベアですね。
竹内: 私も9ヶ月の男の子がいるんですけど、座っている姿がテディベアみたいですもんね。
坂部: 頭が大きくてかわいいですよね。
竹内: 小児歯科という専門医がいらっしゃることを知らなかったんですよね。
坂部: そうですね、子供の専門って、普通の歯医者さんと何が違うのかイメージしにくい人も多いと思うんですけど、子供の時は成長や歯の生え変わりもありますし、乳歯と永久歯、永久歯も生えたての時は、硬さも大分違います。治療も細かく見ていけばかなり配慮が必要になってきます。
竹内: 小児歯科医を目指す方は多いんですか?
坂部: いえ、歯医者さんの学校って一学年50~100人なんですが、いて1~2人の世界ですね。
竹内: なぜですか?
坂部: 今の時代は違うのかも知れませんけど、昔はやっぱり、歯医者さんとして、悪い歯を治してこそ歯科医師の役割という風潮があって、小児歯科は、予防がメインなんです。子供の歯をいくら治してもいつかは生え変わるじゃないですか。
竹内: そうですね。
坂部: 割り切っちゃう考えも無い事はないんですけど、ただそれもしっかり治しておかないと、お口の中の環境は、一生繋がっていますから、虫歯菌が増えちゃって、結局大人の歯も直ぐ虫歯になったりします。
竹内: 子供の頃のケアが大事なんですね。
坂部: はい。僕は実家が歯医者さんじゃなくて、大学に入ってから歯の事を勉強し始めたんですけど、みんな悪くなった後の事ばかり話してるなと思って。でも、歯は、治ったと言っても人工的なもので表面上同じになっただけで、一回削ってしまうと、本当の意味での治癒とは違うんですね。天然の無傷な歯に比べたら劣っている部分があるので。
竹内: 歯って取り返しがつかないですよね。一度削ったら、元に戻るモノではないから。
坂部: そうなんです。それで、予防の方が大切なんだなと、それは何時からやったらいいんだろうと。そしたら、子供の時からの予防が大切だなって思いに至って、しっかりやっていこうと思いました。
竹内: なるほど。乳歯は永久歯に生え変わりますが、乳歯で虫歯があると、虫歯になりやすいということですもんね。
坂部: 大人の歯って5歳半位から下の前歯から順番にどんどん生えて来て、小学校ぐらいは、混在してるんですよね。良くも悪くも全部環境を受け継いじゃんですよね。
竹内: あ~そうかそうか。
坂部: その瞬間に、大急ぎ治すかと言うと、中期的な面で見れば、確実に治した方がいいんです。でも、子供の歯って結局は柔らかいんですよ。詰め物をしても取れやすかったりします。
竹内: そうなんですね。
坂部: そこが僕たちの仕事ではあるんですけど、やっぱり子供の歯も虫歯にはしないで欲しい。
竹内: 子供の頃の乳歯の段階から矯正は大事ですか?
坂部: 全員というわけではなくて必要な人に応じてっていうことになるんですよね。3歳以下ってことまずないです。なんでかって言うと子供の歯って、2歳半ぐらいで生え揃うんですよ。それまでの歯並びが悪かったり、噛み合わせがズレていたりすること多いんですけど、ほとんどの場合、半分以上は、乳歯が生え揃う段階で一回安定するって言われてるので。それより前に悪いことがあるように見えても、あまり心配し過ぎない方がいいですね。
竹内: なるほど。
坂部: 例えば、指しゃぶりをしす前歯が開いちゃったり、一瞬いじけ顔の時受け口になったり、それは過度に気にせず、ただ、3歳過ぎると乳歯も生えそろって、良くも悪くも安定しちゃうので、自然には治りにくいってことになるんですよね。
竹内: 3歳くらいから気を付けないといけないということですね。
坂部: 一旦は。ただ、全部の歯並びの問題がそこから治療がスタートってことほとんどなくて、ちょっと細いんですけれど、歯並びの問題って、噛み合わせのズレと歯が収まりきらない、おしくらまんじゅう問題の二つに分かれるんですよね。
竹内: はい。
坂部: 噛み合わせのズレに関しては、やっぱり小さい時から治しておいた方が、大袈裟に言うとドンドンそういう形に骨が変形して、顔つきも強調されていっちゃうということが、一部の歯並びではありえるんです。大げさに言うと。
竹内: あ~。
坂部: 後は、歯が並ぶかどうか。歯並びの問題の種類って、いくつか分かれてるんですけど、一番多いのは歯がデコボコしちゃうことなんです。顎が狭い事があって、乳歯の時ってスカスカくらいがちょうどいいんですけど、永久歯が全然入らなくて、デコボコになるなんてことがよくあるんですけど。
竹内: あ~ありますよね。
坂部: そういうお子さんは、6~8歳ぐらいで、治療を開始することが多いですよね。
竹内: 広げた方がいい?
坂部: それは個々のケースによるので全員が広ければいいというワケではないんですけれども。
竹内: なるほど。おしゃぶりで出っ歯になるというのは本当ですか?
坂部: まさしくそうなんですけど、ただ、3歳以下であれば気にする必要はなくて。
竹内: そうなんですね。
坂部: 3歳以下ですと、出っ歯になったりしますけど、自然にどこかで卒業できると、一年以内にほぼ治るって言われてるんですよ。医科の小児科さんの精神発達的な観点から言えば、指しゃぶりも重要なプロセスの一つなので無理やり辞めさせるのは必要ない。
竹内: え~。
坂部: ただ、3歳過ぎてからは、段々辞めさせることを促すと。
竹内: ちゃんと勉強しないといけないなぁ。先生のこれからの夢は?
坂部: 僕自身が個人で、複雑な治療を提供するっていう側面もあるんですけど、幅広く色んな方に、歯に関する知識を身につけて貰いたいっていう思いもありますので、環境が許せば、病院を増やしていったり、一緒にお仕事して頂く方が増えていけばと思っています。
竹内: 興味深かったです、今日から子供の歯磨き始めます(笑)
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