おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/25は、観れば元気になる3本をご紹介。
2本目は、差別と偏見、栄光と苦悩の狭間で闘い抜いた、ロックンロールの偉大なる創設者の魂の軌跡
『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』
「トゥッティ・フルッティ」で1955年にデビューし、彗星のごとく音楽シーンに現れたリトル・リチャード。
本名リチャード・ウェイン・ペニマンは1932年アメリカ・ジョージア州メイコンの貧しい家に生まれます。教会が多く保守的な田舎町で、リチャードはメイクをし着飾って教会に通いますが、父親は性的マイノリティであった彼を嫌い、家から追い出してしまいます。
流れ着いたクラブで歌い、やがて何かに導かれるように「トッティ・フルッティ」でレコードデビュー。エキサイティングなヴォーカルとパフォーマンス、ピアノを叩くようにシャウトするそのスタイルは、当時の若者たちに熱狂的に支持されます。
しかし、大手のレコード会社はリチャードの歌をエルヴィス・プレスリーやパット・ブーンなど白人歌手にカバーさせました。黒人音楽はポピュラー音楽の源なのに、軽視されていたのです。
そして、1956年、リチャードはニューオーリンズで2ndシングル「のっぽのサリー」を録音。なんと!パット・ブーンがカバーできないようにテンポをさらに上げて収録したのだそうですよ。やってくれますよね。、
従来の枠組みに囚われない縦横無尽のステージ・パフォーマンスで、のちのロック、R&Bに多大な影響を与えたこの革新的な黒人ミュージシャンは、いったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか…この作品は、豊富なアーカイヴ映像、親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、デイヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニーら著名なミュージシャンたちの証言で綴るドキュメンタリーです。
近年では、LGBTQ+の先駆的アーティストとしても再評価されているリトル・リチャード。当時のアメリカでは南部を中心に人種差別が激しかった時代に表舞台に立つ苦労はいかばかりか…。
それでも逆境を前向きなエネルギーに変えていく姿、信仰とロックという相反する世界に悩む姿、理想と現実の葛藤に揺れ動く姿は、思いっきり生きた証として私たちの心を揺り動かすのです。
ディランもビートルズもストーンズも。ツェッペリンもボウイもプリンスも!JBもジミヘンも、そしてプレスリーまでもが憧れ、敬愛し、真似た!すべては彼から始まった!
ロックンロールの始まりを見に行きませんか?
『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』
2024年3月1日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
公式サイト:映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』公式サイト (little-richard.com)
製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP/原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
配給:キングレコード
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