2000年生まれ、東京都目黒区出身の24歳。先天性の脳性まひで右半身と脚に障がいがあります。幼い頃からポニーで乗馬を始め、2013年、東京パラリンピック開催決定をきっかけに中学2年生から乗馬クラブへ。本格的にパラ馬術を始めました。高校3年生のとき、世界馬術選手権で6位に入賞したのを皮切りに国際大会でも活躍。パラリンピックには東京、パリと2大会連続で出場。2028年のロサンゼルス大会の出場も目指しています。
◾️2歳からポニーに乗り、乗馬を始めた吉越選手。始めたきっかけは?
「近所にある碑文谷公園で、リハビリテーションの一環としてホースセラピーでポニーと出会いました。障がい者療法の1つとして乗りました」
◾️2013年、吉越選手が中学生のときに、東京オリンピック・パラリンピックの東京招致が決定。そのニュースを聞いた吉越選手は「自分は絶対に、東京パラリンピックに出る!」と家族に宣言した。
「母を説得してでも絶対に出るぞっていう気持ちで、決意していました。最初は反対されたんですが、自分の思いを強く伝えて、頭を下げて説得しました」
◾️家族の支援などもあって吉越選手はパラ馬術の大会に出場。みごと栄冠を勝ち取った。この優勝で、ますます東京パラリンピックへの思いを強くした吉越選手。その決意を文章にしたところ、高い評価を受けた。
「島根で行われた全国障がい者乗馬大会で3つの優勝を勝ち取ることができました」
「パラリンピックへの夢という題材で、中学生の作文コンクールに出展して、東京都教育委員会賞をいただきました」
◾️吉越選手が初めて出場した国際大会は? また、初めて馬術の本場、ヨーロッパで戦った感想は?
「初めて出場した国際大会は2018年のベルギー国際大会です。ヤングライダー賞をいただきました」
「何もかもが目新しくて、とても新鮮な気持ちでした」
◾️高校3年生のとき、アメリカで行われた世界選手権に出場した吉越選手。このときのパートナーは?
「アメリカの世界選手権のときは、ブランシュガーボーという馬に乗りました。体の丈夫な元気な馬です」
「決勝で6位入賞を果たすことができました。とても価値のある成績です」
◾️ハッシュタグ号と共に、メダル獲得を目標に臨んだ東京パラリンピック。順位は10位に終わったが、収穫はあった。
「私は普段の試合では全く緊張していなかったので、パラリンピックではとても緊張したので、自分でも驚きました」
◾️2023年9月、吉越選手はポーランドのワルシャワで行われた大会で優勝。本場、ヨーロッパで優勝したのはこれが初めてだった。このとき乗った相棒は?
「そのとき乗った馬は、ジャビールという馬です。ヨーロッパでパリに向けた馬を探す中で、こっちが紹介してくれた馬です。小さなお嬢さんが乗っていたので、この馬なら僕と仲良くできるかなと思いました。賢い馬で、体は小さめです」
◾️このジャビーロ号で、パリパラリンピックに臨んだ吉越選手。馬術の会場は、なんとベルサイユ宮殿でした。
「馬に乗ってベルサイユ宮殿を見たらとても輝いていました。とても素晴らしい会場でした」
「パリ大会に向けての輸送の際に、ジャビーロが少し体調を崩してしまって。出場できればいいなと考えていました。治ってはいなかったんですが、なんとか出場にこぎつけました。私のチームのグルーム(馬の世話をする担当者)やスタッフのみんなが頑張ってくれて、ジャビーロと出場することができました」
◾️ジャビーロ号も体調が万全ではないなか、ともに戦い、順位は東京より1つ上がって9位だった。
「あの時のジャビーロの体調では、あれが精一杯でした。万全だったら優勝していたと思います。ロスでは自分でメダルを取りたいと思います」
「パリでは東京パラリンピックとは違って有観客での開催でした。皆さんの応援が直接伝わってきて、すごく演技していて力になりました。とても馬が好きな方が多くて、すごく歓声が大きかったです」
◾️3年後のロスパラリンピックに向けて、吉越選手はいま、どこに重点を置いてトレーニングを行っているのだろうか?
「ロス大会に向けては、どの馬でも乗りこなせるように準備しています。ロス大会の馬はまだまだ決まりません。再来年の春ぐらいから馬を探す形になると思います」
「各地で開催される国際大会で、一定の基準を満たしつつ成績を残す必要があります」
「(目標にしている大会は)5月に行われる御殿場国際馬術大会です。11月にまた東京の馬事公演で全日本パラ馬術大会と東京国際馬術大会が同時開催されます」
◾️吉越選手に、パラ馬術の魅力を聞いてみた。
「パラ馬術は性別、年齢も関係なく誰もが楽しめる競技です。しかも大好きな馬と一緒に戦える。とても素晴らしいスポーツだと思っています。僕が馬を愛しているのを伝わるように演技をできているかを見てほしいです」

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