あなたが最近やったリサイクルは何ですか?
編集長の立川晴の輔です。僕の暮らしている街では、ごみを捨てる場合、細かく分別します。燃やせるごみ、燃やせないごみ、プラスチックごみ、紙ごみ、あとビン、缶、ベットボトルなど。うちの自治体のホームページには「ごみの分別辞典」というのがありまして、ごみ捨てに迷ったとき、分別辞典を見ると、あ行からわ行まで細かく載っているのです。ついこの間も、久しぶりに食べた冷凍の「鍋やきうどん」。あれ、美味しいのですよ~あれはアルミ箔の容器に入っているでしょ?食べ終わった後、アルミ箔の容器のごみ、迷いました。プラスチックごみじゃないし、燃やせる?燃やせない?ごみの分別辞典に書いていました。「アルミ箔容器(うどんなど)」と。燃やせないごみでした。きちんとしたごみの分別は、資源のリサイクルに繋がりますよね。
「週刊 なるほど!ニッポン」。今回は、以前ご紹介した「リサイクル」の中でも「自動車=クルマのリサイクル」について、改めて、私、立川晴の輔が“授業風”にご案内していきます!
では早速、1時間目。
テーマは【自動車リサイクルとは?】
車のリサイクルとは何か?それは循環型社会の実現へ向けた、とっても大切な取り組みのひとつです。そのために「自動車リサイクル法」が定められています。
この法律の正式名称は「使用済み自動車の再資源化等に関する法律」
これは2002年に制定されました。そのきっかけは1990年代後半、様々な社会問題が表面化したことでした。
例えば
■不法投棄された使用済自動車から有害物質流出により土壌・地下水等が汚染される問題。
■不適正な処理により大気放出されたフロン類がオゾン層を破壊し、生態系を変化させる問題。
■金属など素材や部品をリサイクルした後に残るごみをシュレッダーダストと言います。このほとんどが廃棄物として埋立処分されている問題
JARC提供
これらの問題をどげんかせんといかん!と言ったかどうかわかりませんが、循環型社会の実現に向けて急がなきゃ!ということで2005年から自動車リサイクル制度の運用がスタートしました。
車を使用する私たちも、自動車メーカーも、関連事業者の皆さんも、みんなで力を合わせて取り組んで行こうとなったわけです。この「自動車リサイクル制度」は海外から「ジャパンモデル」と呼ばれていて、とてもユニークな社会システムだと注目されているのです。ちなみに私たちは車を購入する時にリサイクル料金を支払うことでこの制度に参加しているのです。ということは僕も参加していますね。
JARC提供
日本では年間どれくらい使用済みの車が発生しているでしょうか?
①およそ100万台
②およそ200万台
③およそ300万台
あなたは覚えていますか?
JARC提供
JARC提供
正解は使用済みの車年間およそ300万台です。
そんなに使用済みの車が出ているのですね。でもこれがうまくリサイクされたら資源として生まれ変わるのですからまさにSDGsです。上手く活用してもらいたいですね。
2時間目。
テーマは【自動車リサイクルの仕組みとは?】
具体的にどのような流れでリサイクルされているのでしょうか?この仕組みは私たちが車を買うところからスタートしています。
①車を買う時に「リサイクル料金」を支払います。
②使わなくなった車は、販売店や整備店などの「引き取り事業者」に引き渡します。
③引き取り事業者はフロン類回収業者に引き渡し、カーエアコンで使用されているフロンガスを回収してから解体事業者へ。
JARC提供
④解体事業者はガソリンやオイル、エアバッグを回収した後、エンジン・ドアなどまだ使える部品を取り除きリサイクル部品として販売します。残った車体は破砕事業者に引き渡します。そして破砕事業者は車体から「鉄・銅・アルミ」などの金属資源を回収します。その際に最後に残った、プラスチックやゴムなどのごみである「シュレッダーダスト」を自動車メーカーに引き渡します。
⑤自動車メーカーは、シュレッダーダストの他に、解体事業者やフロン類回収事業者から回収したエアバッグやフロンガスを適正にリサイクル・処理します。
JARC提供
JARC提供
ちなみに車を買う時に支払う「リサイクル料金」は何に使われているのか?私たちが支払うリサイクル料金は、フロンガスやエアバッグさらにシュレッダーダストの適正処理のために使われています。こういった形で私たちユーザーも参加している自動車リサイクル制度。この制度が本格スタートしたことで、2004年9月末におよそ22万台もあった車の不法投棄などもぐんぐん減っていきました。
これは2022年3月末のデータになりますが、およそ22万台がわずか5,000台ほどに!減ったでしょう!桁が違います!循環型社会の実現に向けて、みんな一人一人がきちんと役割を担った結果です。そして自動車メーカーが新しい車を開発や設計するときには、運転性能や安全性能などはもちろんですが、使い終わった後のリサイクルのしやすさも考えられているのです。
ただ廃棄されるはずだった車が部品ごとに再生されていく。この循環がもっともっと当たり前になるといいですよね。
JARC提供
それではなぞかけで〆ますか!
今日は「週刊 なるほど!ニッポン 〜特別授業2025〜 晴の輔と学ぶ!自動車リサイクルの仕組みとは?」というトピックスでお届けしました。いかがでしたか?自動車のリサイクル。海外も注目するジャパンモデルですからね!さて今年も「車のリサイクル作品コンクール」の募集がありました。小学生が車のリサイクルについて学んだこと、みんなに知ってもらいたいことを、標語またはポスター作品にして応募するこのコンクール。入賞者は3月下旬に自動車リサイクル促進センターの Web ページなどで発表されます。この活動に関わる皆さんの工夫や努力が、小学生達の記憶に残って将来、自動車リサイクルがさらに素晴らしいものになるなんて!想像しちゃいます。
そんな「自動車リサイクルの仕組み」に
それでは、次回もお会いしましょう。立川晴の輔でした。
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