あなたは、『天然の冷蔵庫』と聞いて、何をイメージしますか?

ご家庭の中で食べ物を保存する場所と言ったら、真っ先に浮かぶのは冷蔵庫でしょう。一家に一台の生活必需品。冷蔵庫のない時代は、食料をどうやって保存していたのか?気になって調べてみました。最も古い食料の保存方法は「干す」というやり方。紀元前2,500年頃の古代エジプトの壁画に「魚を開いて干す様子」が描かれています。人間が火を扱うようになってからは、煙などで燻す「燻製」の技術が生まれて、肉の保存などに利用されたそうです。他にも、食塩をすり込んで「塩漬け」。梅は砂糖に漬けます。水分を抜くことで、食べ物の劣化を防ぐという保存方法。昔の人は、農作物の不作や、長い冬の食料不足をどう乗り越えるか?生きていくために編み出した「保存方法」。まさにその土地、その風土から生まれた「先人たちの知恵」。今回はそんな保存方法の中でも「雪を使った取り組み」をピックアップ。秋田県の中でも豪雪地帯で有名な湯沢市。

湯沢市(ゆざわし)は、秋田県南部に位置する市。秋田県(羽後国)の南玄関口として発展してきた。日本有数の豪雪地帯であり、市内全域が特別豪雪地帯に指定されている。小野小町生誕の地である。
温泉や日本三大うどん・稲庭うどんでも有名です。そこの若手事業者が集まって「秋田・湯沢雪中貯蔵協会」という会を立ち上げたそうです。一体どんな目的を持った協会なのか?
「秋田・湯沢雪中貯蔵協会」の会長、吉村和幸さんにお話し伺います。
晴の輔 湯沢市は年間どれくらいの雪が降るのですか?
吉村「年間100日以上雪が降る日があって、一晩で2メートル以上積もることも多々あります。」

吉村「全国的には北海道、青森に次いで3番目に降雪量の多い地域なのです。」
晴の輔 そんな湯沢で立ち上げられた「秋田・湯沢 雪中貯蔵協会」。

吉村「地元にUターンした若手事業者が中心となって活動しています。地域の人達が頭を悩ませる『雪』という負の資源を活用して商品を開発し、ブランディングした地域の商品を売り出そうと結成された協会です。」

晴の輔 地元の方からすると、雪は「負の資源」なのですね。
吉村「雪の降らない地域の人にとっては、神秘的・魅力的なものってイメージがあります。」
晴の輔 ありますね。
吉村「そういう方々をターゲットに、湯沢市の美味しいものとかを売り出したいと。」
晴の輔 東京にいるとスキー場などのイメージから

吉村「(笑)」
晴の輔 この会の設立のきっかけは何だったのでしょう。
吉村「今年が記録的な豪雪で、雪によって人的被害や農産物への被害が本当に多く『ゆざわビズ』という湯沢市が設置する経営相談窓口があり相談しに行ったところ、そこのセンター長が『東京出身の雪国初心者』で『雪を使ったブランディング』という我々地元の人間からは、なかなか考え付かないアイデアを頂き、設立となりました。」
晴の輔 東京の人からすると「雪って魅力的」ということですね。
吉村「そのセンター長も『仕事帰りにスキー場に行けるのは夢のようだ』とおっしゃっていました。(笑)」
晴の輔 そこから雪中貯蔵に繋がった。どのような効果があるのでしょう。

吉村「野菜や果物などは、変化が顕著で『甘味が増す』のです。寒締めという言葉あるのですが、寒いところで負荷をかけると、野菜や果物が自身を守ろうとして甘くなります。日本酒は、データ的には雪中貯蔵する前と変わらないのですが、飲んでみると、まろやかで美味しくなります。きっと数値ではわからない、何かが変化しているのでしょうね。」
晴の輔 どれくらいの期間、貯蔵するのでしょう。
吉村「半年ぐらいは貯蔵します。今年の5月に日本酒を蔵から出しました。」

晴の輔 雪中貯蔵していないお酒と飲み比べると、やはり違います?
吉村「全く違います。『とろみが付いてまろやか』深みが増します。」
晴の輔 自然の力!

吉村「個人個人では大多数の人が行っていて、雪を『冷蔵庫替わりに使うこと』は湯沢市ではポピュラーですね。」
晴の輔 天然の冷蔵庫!
吉村「『冷たい物飲みたいな』と思ったら、窓から雪に突っ込んで冷やします。」
晴の輔 そのシチュエーションは羨ましいです。電気代もかからない!節電、いや雪電!湯沢の方は、そうやって毎日毎年食べているのですか。
吉村「湯沢市民は『雪中貯蔵したぞ』と思って食べてはいないと思うのです。雪の中や冬に外に食品を保管することは、それくらい自然で生活に溶け込んでいます。知らず知らずのうちに『雪中』や『寒締め』になったものを食べているのです。湯沢市民は他の地域の人に比べて『口が肥えている』と言われる所以も、そんなところから来ているのかもしれません。」
晴の輔 なるほど!湯沢の方をおもてなしするには「そんじょそこらのもの」ではダメ!口が肥えてらっしゃる。
吉村「(笑)ちょっとお金がかかるかもしれません。」

吉村「そうですね。色々なものを雪の中に埋めて、ちょっと食べ比べたり(笑)、テストしながら商品化を考えます。とりあえず埋めたら何か変わるのでは?雪はタダで降ってきます(笑)」

「どっちだ!?晴の輔」。
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが今、雪中貯蔵したいのは・・・
『甘みが増すと言われる果物』
それとも
『とろみが出ると言われる日本酒』 どっちだ!?晴の輔」
あ~なるほど。雪中でね、引き出した「甘味」と「とろみ」味わいたいね…
決めました!
「これは、両方」

今日は「秋田県の豪雪地帯!湯沢市の若手事業者で結成された『秋田・湯沢雪中貯蔵協会』とは?」というトピックスでお届けしました。湯沢では、誰もが当たり前にやっている「雪中貯蔵」。それで旨味が増したり、甘みが増したり。自然の力ってすごいですね。それを湯沢のブランドとして、発信していこうという取り組み。これからどんな美味しいものが出てくるか楽しみですね
そんな「秋田・湯沢雪中貯蔵協会」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 これからどのような活動をされるのでしょう?
吉村「雪中貯蔵商品に『ブランド力』を付けていくことで、他の地域の産品と差別化していきたいと考えています。そして雪の降らない県外で販売することで、外貨を稼ぎたいなと。県外の方から見ると、秋田といえば『いぶりがっこ』や『きりたんぽ』だと思うので、雪中の農産物を使った特産品を商品開発してみたいですね。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 今の時期に買えるものはありますか?
吉村「お酒と野菜は、全て売り切れてしまったのですが、お米はまだ少しだけ在庫がありまして『鈴木又五郎商店オンラインストア』で少しだけ取り扱いしております。」
晴の輔 普通の「あきたこまち」とは違う味なのでしょうね。
吉村「『雪中貯蔵 熟成乳酸菌あきたこまち』は寒さの中で甘味を増しております。こちらなどが購入可能です。」

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