あなたは、ふるさと納税をしたことがありますか?
2008年から始まったふるさと納税。魅力は何といっても返礼品。美味しいお肉・新鮮な果物・伝統工芸品といった、その地域の特産物のイメージが強いですが、探すと「ユニークなもの」「思わず笑っちゃうもの」があります。例えば「十二単」を着られる体験「無人島の宿泊チケット」「1年間ご当地ヒーローになれる権利」なんてものも。返礼品を見ているだけで、楽しいです。そもそも、この「ふるさと納税」ですが、目的を一言でいうと地方創生。この制度を活用することで、様々な地域に活力が生まれることを期待しているのです。
ちなみに、この番組も「日本各地の魅力をお伝えする」のが目的です。地域を応援する「目指せ!地域の応援団長」ですから。その「ふるさと納税」令和元年度における全国自治体の、受け入れた金額は、いくらだと思います?なんと4,875億4千万円!ちょっと前に流行った、ブルゾンちえみさんの「35億」がちっぽけに感じるでしょ?その受け入れ額・トップの都道府県はどこでしょうか?答えは北海道。そんな北海道で「一番小さな村」と言われる「音威子府村」。そこの村が、去年ふるさと納税の返礼品に「鉄道の石缶詰」というものを追加したところ、これが人気を集めているのです。「石の缶詰」でしょ?なぜ人気を集めているのか?
音威子府村(おといねっぷむら)は、北海道上川地方北部に位置する村である。村名の由来:アイヌ語で濁りたる泥川、漂木の堆積する川口、または切れ曲がる川尻の意。
昭和38年常盤村から音威子府村に改称する。
音威子府村役場・総務課地域振興室の横山貴志さんに、お話し伺います。
晴の輔 「線路の石缶詰」というものが話題になっております。どんなものなのですか?
横山「音威子府村には『天北線』という鉄道路線が、平成元年までありましたが廃止になり、そこの『線路の石』を缶詰にしたものです。」
晴の輔 線路に敷いてある石!どのような形で、お届けするのですか?
横山「石の表面についている汚れやコケを洗い落とし、簡単にコーティングをしてから、直径約7cmの缶詰に入れ、化粧箱に詰めて発送しております。」
晴の輔 「線路の石缶詰」を返礼品に、しようと思ったきっかけは何だったのですか?
横山「私自身が、役場職員ではあるのですが、地域の有志グループにも所属しておりまして「何か村にあるもので、面白いことは出来ないか?」と考えたのが最初のきっかけです。たまたま、新潟県にある第三セクターの鉄道会社『えちごトキめき鉄道』の鳥塚社長が、まさに『線路の石缶詰』を発案されていて、現役の鉄道路線の石を缶詰めにしてネット販売されていました。これをちょっとアレンジしたら、うちの村でもできるかな?と思いました。」
横山「村の為にプラスになる、宗谷本線のプラスになる、ということでやっています。」
晴の輔 「宗谷本線」も大変?
横山「『音威子府村』にも4駅あるのですが、3駅が無人駅。利活用促進と、無人駅の維持経費の捻出という課題があります」
晴の輔 村で負担しないと駅が無くなってしまう?
横山「そうなのです。鉄道会社も経営が厳しく『駅廃止します』とのことでしたが、村の重要な駅ですので、残すことになりました。」
晴の輔 村民の方々の足ですからね。
横山「鉄道を利用して病院に行く、通学に利用されている方もいらっしゃるので、地域にとってもかなり大変なことですね。」
晴の輔 「駅存続のため」が原点。
横山「『鉄道で何か出来ないか?』から『石』にたどり着きました。」
晴の輔 「鉄道存続が、逆に鉄道で救われる」。そのアイデアに気づいたのが、横山さん。
横山「はい、いわゆる『鉄道マニア』なので(笑)『鉄っちゃん』です。(笑)」
晴の輔 (笑)。そもそも維持費はどれくらいかかるのでしょう。
横山「一駅あたり年間に約100万円と試算されています。3駅で年間300万円ぐらいですね。」
横山「北海道で一番人口の少ない村なので、かなり大きいですね。」
晴の輔 音威子府村は鉄道で有名な場所なのですか?
横山「『鉄道愛好家』の中では、もちろん知らない方はいないぐらい有名です。一番有名なのは『音威子府そば』という黒い蕎麦。
元々は『駅の立ち食いそば』で有名だったのですけれども、今は全国各地に提供するお店が、数軒あり『音威子府そば』を求めている方が、鉄道愛好家以外にも、かなり大勢来ていますね。」
晴の輔 「音威子府そば」の
横山「(笑)。そこまで究められたら最強ですね。」
晴の輔 横山さんだったらやるでしょ。
横山「やるしかないですかね(笑)。」
晴の輔 全ては「駅を維持する」。そこに
横山「はい、上手くまとまったなと思います。(笑)」
「どっちだ!?晴の輔」。
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが、ふるさと納税の返礼品で欲しいのは・・・
『鉄道の石缶詰』
それとも
『チョコボールのオモチャの缶詰』
どっちだ!?晴の輔」
「オモチャの缶詰」懐かしいね。缶詰つながりで無理やり出したのでしょ?返礼品には無いでしょ、金なら一枚、銀なら五枚って。…これはね…
決めました!
そらそうですよ。ただの石じゃないもん。音威子府村の駅を維持することに繋がってる、線路の石だからね、これ鉄道でしょ?ですから
今日は「北海道で一番小さな村・音威子府村のふるさと納税の返礼品が話題に!その中身は・・・鉄道の石?」というトピックスでお届けしました。鉄道好きの横山さんだからこそ企画できた返礼品。今回、お話聞いて思ったのですが、ふるさと納税は返礼品に目が行きがちですが、返礼品の裏にある「その町の思い・その町の願い」が、それこそ「缶詰」のように詰まっているのですね。
そんな「音威子府村の鉄道の石缶詰」に
それではまた、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 「音威子府村」の魅力とは?
横山「『鉄道』もそうなのですけど『芸術』です。全国から生徒さんが集まる、村立高校の『北海道おといねっぷ美術工芸高校』があり、未来のアーティストの卵たち、1学年40名、3学年120名が村に居住して、日々創作活動を行っています。
晴の輔 学校に通うときは「宗谷本線」を使う?
横山「全寮制なので残念ながらおりません。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 缶詰は開けたら石がドーンと入っている。
横山「石が1個か2個だけ入っております。開けたら、ただ石が入っているだけです。」
晴の輔 反響はどうですか?
横山「『各々の楽しみ方』をされているようで『実際に開けて楽しむ』『開けずに缶詰のまま飾る』など、楽しみ方はいろいろだと分かりました。」
晴の輔 分かる気がします。缶詰のラベルも凝っている?
横山「こだわってカッコよく…私自身がデザインしたものですから。」
晴の輔 「鉄ちゃん」であり「芸術家」でもあると。
横山「ですかね(笑)。」
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