中村こずえのSUNDAYHAPPYMAP

2020.11.17

芯から表面まで全て「漆」!?

石川県輪島市で、江戸時代から続く「輪島塗」の塗師屋で、漆器の製造販売をおこなっている「山崖松花堂」。このお店の十七代目となる兄弟お二人が共同代表で、100% 国産の漆でつくる『芯漆』という独自の技法を生み出し、アート作品と呼べる器や像を作っていらっしゃいます。

 

今回お話しをうかがったのは、山崖松堂さん。

一般的な漆器は、木地と呼ばれる木材の上に漆を重ねますが、『芯漆』はその名前の通り“芯”から表面まで全て“漆”で作られています。この技法を考えられたキッカケは、漆器の修理を依頼されることがなくならないことでした。

お椀やお重など、普段使いしている漆器も作り上げるまで一年を超える長い月日を要します。そんな手間をかけて作った漆器も、塗りが剥がれたり割れたりして修理をしなければならなくなる…そこで、「修理をしなくてすむ漆器が作れたら」という思いが『芯漆』という技法に行きつきました。

 

「月日を経ることで透明感が増す漆の最大の特徴は“変光性”。プリズムの様に、ある部分は光を吸収し別の部分は反射します。そのために、光の当たり方や見方で違った美しさを楽しめるんです。」と、教えてくださいました。そして、漆の分子構造は琥珀に似ていてとても耐久性に優れています。気温や湿度の変化に強く、酸やアルカリにも腐食されることなくその美しさを保つことが出来るのだそうです。

『芯漆』は、例えば「ぐい呑み」のような小さな器でも、出来上がるまで七、八年ほど…途方もない時間がかかります。それでも、その独特の輝きや感触が一千年も二千年も維持できる…世界中、どんな環境にあってもその美しさは変わらない……と考えると、そこに注がれる時間と情熱の大きさにも納得がいきます。

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    パーソナリティ
    • 中村こずえ
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      中村こずえ

      中村こずえ

      10月1日生まれ 天秤座。TOKYO FMアナウンサー出身。
      10代のころから今に至るまで、日本各地を旅し、47都道府県すべて訪れている。海外旅行も大好き。
      美味しい顔を見たくて(本当食べることが好きで)料理好きに。
      ワーキングマザーとして「簡単・テキトー・安い・早い・うまい!」をモットーとしたレシピ本を三冊出版している。
      スポーツはテニス、スキー、ゴルフ…すべて夫がコーチ!
      朗読の舞台公演や、講師の顔も持つ。

    • 立川晴の輔
      立川晴の輔
      立川晴の輔

      立川晴の輔

      落語立川流 立川志の輔一門
      1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ
      東京農業大学農学部卒業

      ◆経歴
      平成 9年(1997) 立川志の輔に入門。志の吉を拝名
      平成15年(2003) 二ツ目に昇進
      平成20年(2008) 東西若手落語家コンペティション グランドチャンピオン
      平成25年(2013) 真打に昇進。志の吉から晴の輔へ改名

      東京八重洲、町田、千葉、川越の独演会をベースに全国各地での落語会、子ども落語会、企業落語講演、結婚式の司会等で活動中。