スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2023.11.10

2023年11月6日(月)テーマ「汁物」

日本には様々な種類があります。『汁物』についてです。

■今週(11/6~11/10)のテーマ:『汁物』

 

11/6(月) 『汁物の歴史』

汁物の歴史はとても古くて、約6000年前、縄文時代の頃、土器の中に、お水に貝類、海藻、旬の野草などを合わせてコトコト煮たもの、

いわゆる『スープ』が食べられていたことが分かっています。

 

そして、今や“日本のソールフード”と呼ばれる『お味噌汁』が登場したのは、鎌倉時代といわれています。

この時代、当時の中国から日本へやってきたお坊さまの影響で、すり鉢が使われるようになりました。

 

当時はお味噌をそのまま食べていましたが、すり鉢で粒味噌をすりつぶしたところ、水に溶けやすいことが分かったそうです。

こうして、お味噌汁が誕生したと考えられています。

 

そしてお味噌汁の登場によって、

“ごはんを中心に汁物とおかずが一品ずつ”という『一汁一菜』のスタイルが、鎌倉武士の食事の基本となった・・・といわれています。

そして室町時代になると、お味噌汁は武士以外にも広まっていったそうです。

 

その後、江戸時代になると、農村や山の地域では、具材に様々な野菜やキノコ、

そして海辺の地域では、お魚や海藻を入れるようになり、お味噌汁のバリエーションが豊富になっていきます。

 

さらに、合わせるお味噌の違いなどもあって、味噌汁の世界はどんどん広がっていきます。

 

【感想】

お味噌汁、私も大好きで、海外に行く時もフリーズドライのものを持っていくほどです。

鎌倉時代から食べられていたんですネ。

わりとどんな具材でも、合ってしまうのがイイですよネ。

私が一番好きな具材は、ジャガイモとかネギとかワカメかな。皆さんの好きな具材は何でしょうか。

 

11/7(火) 『けんちん汁』

『けんちん汁』とは一般的に、細かく切ったゴボウやニンジン、ダイコンなどをごま油で炒め、

コンニャクやお豆腐を加え、昆布と干しシイタケのだし汁で煮たものです。

味付けは、お塩とお醤油です。

 

そんな『けんちん汁』ですが、神奈川県の郷土料理でもあるそうなんですネ。

一説には“鎌倉が元祖”と言い伝えられています。

 

鎌倉時代、建長寺(けんちょうじ)の初代住職が、野菜をすべて使い切るために、ごま油で炒めてから煮る・・

という調理法を、当時の中国から持ち込んだといわれています。

 

そして、『建長汁(けんちょうじる)』と呼ばれて食べられていたものが、やがて『けんちん汁』になり、

その後、全国に広まったと考えられています。

 

『けんちん汁』の場合、一般的にお豆腐を手で崩してから入れますが、

これは修行中のお坊さまが『けんちん汁』を作っている時、お豆腐を誤って落としてしまったそうなんです。

それを見た初代住職が“もったいない”と、拾い集めて、よく洗ってからお鍋に入れたため・・・といわれています。

 

現在、それぞれのご家庭や地域によって、具材など様々なアレンジが加えられていて、

中には鶏肉を入れるところもあるそうなんですネ。

でも、もともとは精進料理ですので、お肉は入らないそうです。

 

【感想】

けんちん汁って、建長寺の名前から来てたって皆さん、ご存知でしたか?

私は恥ずかしながら初めて知りました。

私の家でもけんちん汁は、お豆腐を手で崩してから入れてますネ。

お坊さんが落とした・・・というレシピなんですネ。

なんとも微笑ましいエピソードですネ。

 

11/8(水)  『豚汁』

『豚汁』は地域によっては、『ぶた汁』とも呼ばれています。

その名のとおり、豚肉が入った汁で、他にはダイコンやニンジン、コンニャクといった具材を、だし汁とお味噌で煮込んだものです。

ジャガイモやサトイモといった芋類やゴボウ、油揚げなど具材は様々です。

そして器に取り分けたら、薬味のネギを入れていただきます。

 

そんな『豚汁』のルーツですが、諸説あります。

例えば、『けんちん汁にお肉を入れた』という説。

『イノシシのお肉を使った「ぼたん鍋」を参考にした』という説。

『明治時代、北海道の開拓をしていた屯田兵(とんでんへい)の皆さんが食べていた「屯田兵の汁」のことを、

『屯汁(とんじる)』と呼ぶようになった・・・する説です。

 

そんな中、『鹿児島県に古くから伝わる郷土料理、「さつま汁」を参考に作られた』という説があるそうなんです。

『さつま汁』とは、ダイコンやニンジン、ゴボウ、コンニャク、シイタケ、そして鶏肉などを使った“味噌仕立ての汁物”です。

 

鶏肉を使うのは江戸時代、当時の薩摩藩の武士たちの間で、士気を高めるため、

鶏のオス同士を戦わせる『闘鶏(とうけい)』が盛んに行われていたそうなんです。

戦いに負けた鶏はその場で絞められて、野菜などと一緒に煮込んで食べたのが始まりとされています。

そして鶏肉の代わりに、豚肉を使ったのが『豚汁』とする説です。

 

【感想】

豚汁は芯まであったまる、冬に恋しくなる汁物ですよネ。

役者にとっては、寒い冬のロケ中にスタッフさんが作ってくれる豚汁、

これが最高に嬉しくて美味しくて、ありがたいものなんですネ。

ちょっと七味をかけるのもイイですよネ。豚汁、食べたくなりましたネ。

 

11/9(木)  『カニ汁』

汁物の中には、郷土料理になっているものがあります。

例えば『てっぽう汁』です。

こちらは“カニが入ったお味噌汁”、『カニ汁』の中でも、北海道の東側、道東の地域では、このような名前で呼ばれています。

 

『てっぽう汁』は古くから、“根室地方の漁師料理”として食べられてきたもので、

同じカニでも特に根室地方で水揚げされる『花咲ガニ』を使ったものが有名です。

 

この『てっぽう汁』という名前なんですが、“お箸でカニの足をつついて食べる様子”が、

“鉄砲に弾薬を詰める仕草”に似ていることが由来といわれています。

 

鳥取県の『カニ汁』も、郷土料理の汁物です。

山陰地方ではズワイガニは『松葉ガニ』と呼ばれていますが、その中でも『親がに』と呼ばれる、

“メスの松葉ガニ”が『カニ汁』に使われています。

 

また大分県宇佐地方には、『がん汁』と呼ばれる『カニ汁』があります。

こちらは、川などに生息する『ツガニ』と呼ばれる『モクズガニ』が使われています。

これを殻ごとミキサーにかけて、こしたあとに、お塩を入れて温め、高菜を加えます。

 

【感想】

『てっぽう汁』も『がん汁』も初めて知る汁物ですが、写真を見ると美味しそうですねぇ~。

北陸や北海道、山陰地方にこの季節に行くと、カニが楽しみですよネ。

カニ汁、ぜいたくな汁物。食べたいなぁ~。

 

11/10(金)  『だんご汁』

大分県の郷土料理に、『だんご汁』という汁物があります。

小麦粉を練って作っただんごが入った、味噌仕立ての汁物です。

“だんご”といっても、大分の『だんご汁』の場合、形は丸くなくて平たい麺のような形をしています。

 

同じように、だんごが入った汁物のひとつに、『だご汁』があります。

『だご』とは『だんご』のことで、『だご』が入った『だご汁』は、熊本県や佐賀県の郷土料理として知られています。

 

同じ『だご』でも、地域やご家庭によって形が違っていて、

佐賀県では“ちぎっただご”が入ったものを『つんきりだご汁』と呼んでいるそうです。

 

“小麦粉で作っただんごが入った汁物”と聞いて、『すいとん』をイメージされる方、いらっしゃるかと思います。

『すいとん』も『だんご汁』に使われる『だんご』も、小麦粉から作られていますが、

『すいとん』が練った状態でそのままお鍋に入れるのに対して、『だんご』の場合、

練ったあと、しばらく寝かしてから使う・・・といった違いがあるそうです。

 

また“形の違い”や、“すいとんのだんごは作る時に小麦粉と一緒に、片栗粉を入れることもある”といった違いもあるそうです。

 

さらに、富山県の郷土料理『三日(みっか)のだんご汁』のように、

小麦粉ではなく、もち米の粉で作っただんごで作られているものもあります。

他にも、だんごを使った汁物は全国にたくさんあります。

 

【感想】

郷土料理の汁物って、何かイイですよネ。

汁物って、心もお腹も温まる魔法のようなものですネ。

 

【今週の感想】

お味噌汁をはじめ、日本にはたくさんの汁物がありますよネ。

豚汁やけんちん汁のように、ポピュラーなものもあれば、その土地に行かなければなかなか食べられない汁物もあります。

汁物の世界って、本当に深いと思います。

中には“これは汁物なの?煮物なの?”と区別が難しいものもあるそうです。

これからだんだん寒くなっていきますので、ますます汁物が恋しくなりますよネ。

 

【お知らせ① 次週(11/13~)からのテーマ】

意外に知らないことばかり・・・『髪の毛』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

  • スズキロゴ
パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/