スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.12.09

2022年12月5日(月)

寒い時の外出の際に使う、『カイロ』についてです。

 

■今週(12/5~12/9)のテーマ:『カイロ』

 

12/5(月)  『カイロの歴史①』

 

カイロは日本で生まれた日本独自のものです。

漢字で『懐炉』と書きますが、まさに“懐を温めるもの”を表しています。

 

そんなカイロのルーツは、『温石(おんじゃく)』だといわれています。

これは石を火や熱湯で温めたもので、

それを布でくるんで懐に入れて、寒さをしのいでいたそうです。

 

この温石ですが、平安時代の頃と思われる遺跡から

発見されていることから、既にこの時代には存在していたと

考えられています。

 

そして江戸時代になると、温石は当時の人たちにとっての

カイロだったそうです。

 

その後、江戸時代の終わりになると、温石の代わりに灰を使った

『灰式カイロ』というのが登場しました。

金属製の容器の中に、木炭や木を燃やした灰を加工して、

棒の状態になったものが入っています。

これを『懐炉灰(かいろばい)』といいます。

 

これに火を点けると、炎は上がらずに、ゆっくり燃えていって、

その熱がケースに伝わって暖まる・・・というものなんです。

 

このカイロですが、温石と比べて長時間、

暖かさが長持ちすることから、明治時代になると

一般的に使われるようになりました。

 

 

【感想】

冬のロケに一番必要なものが、使い捨てカイロ。

本当に長年お世話になっています。

日本で生まれたものなんですネ。

 

この灰式懐炉は、私のおばあちゃんが使ってましたネ。

金属製の可愛いケースに入っていて、そこに袋をかぶせて。

私が持とうとすると、“危ないからダメ”って言われた記憶があります。

暖かいものを持っているだけでホッ・・・とする、それがカイロですよネ。

 

 

12/6(火) 『カイロの歴史②』

 

明治時代、一種の固形燃料である『懐炉灰』を使った

『灰式カイロ』が主流でしたが、大正時代になると新しいカイロが登場します。

 

それは、液体燃料の『ベンジン』と『白金(プラチナ)』を使った

『ベンジンカイロ』です。

気化したベンジンと白金との化学反応によって発熱しています。

 

大阪にあります『ハクキンカイロ株式会社』さんが発明し、

1923年(大正12年)に販売したことから、

『ハクキンカイロ』という名前で100年近く親しまれています。

 

この『ハクキンカイロ』ですが、熱量は『使い捨てカイロ』の

約13倍もあるそうです。

また発熱の温度も一定しているため、寒さが厳しい場所や

冬の野外のレジャーの時に、とても重宝されているそうです。

さらに25ccのべンジンで、最大で約24時間も

保温できることも大きな特徴です。

 

そんな『ハクキンカイロ』ですが、戦時中は“航空機のエンジンを温める

パーツの1つ“としても使われていたことがあるそうです。

厳しい寒さになるとエンジンが凍って、

プロペラが動かなくなるんですって。

そこで保温用に、“特製の大型カイロ”の注文が来たそうです。

 

エンジンの周辺は火気厳禁ですが、『ハクキンカイロ』は安全ということで

高い評価を得たそうです。

他にも、南極観測船の常備品にもなっていたそうです。

 

 

【感想】

『ハクキンカイロ』。

私、『ハッキンカイロ』だと思ってましたが、

『ハクキンカイロ』なんですネ。

 

これは私のお祖父ちゃんが使ってましたねぇ。

これ、安全面とか熱量など考えても、非常にありがたいものですよネ。

使い捨てカイロももったいないから、

今年は1つこれを買ってみようかなって思います。

 

 

12/7(水)  『使い捨てカイロ①』

 

鉄はそのままにしておくと、少しずつ錆びていきますよネ。

これを『酸化鉄』といいますが、その時に出る熱を利用して、

『使い捨てカイロ』は作られています。

 

『使い捨てカイロ』のルーツには、諸説あります。

例えば1950年代の朝鮮戦争の時、厳しい寒さの中、

アメリカ兵の皆さんは、水筒の中に鉄の粉と食塩を入れて発熱させ、

カイロとして利用していたそうです。

それをもとに改良して作り出したとする説です。

 

また1972年(昭和47年)、現在の『旭化成』さんの社員の方が

アメリカの軍隊で使われていた『フットウォーマー』という製品を

持ち帰ってきました。

その名のとおり、“足を温めるモノ”です。

 

この『フットウォーマー』の仕組みを調べていくうちに、『鉄』と『水』

『酸素』の3つ要素がそろって、初めて発熱するという

“発熱の原理”を突き止めました。

 

それをもとに、さらに研究が進められ、最終的に誕生したのが

“日本初の使い捨てカイロ”とされる『アッタカサン』です。

そして1974年頃に、主に鍼灸師さんやお医者さんを対象に、

試験的に発売しました。

 

当時のお値段で、1つ300円。

決して安くはありませんでしたが、その評判が広がり、

映画やドラマの撮影現場でも重宝されたそうです。

 

【感想】

海外ロケに行った時、真冬のカナダとかニューヨークなどで、

使い切れなったカイロを現地の人に差し上げたら、

とっても喜ばれて、驚かれたんですネ。“日本ってすごいネ”って。

 

それを分からないように洋服に貼ったり、足裏に入れたりと、

“カイロがあるロケ”は本当に心強い現在となっております。

 

 

12/8(木)  『使い捨てカイロ②』

 

“日本初の使い捨てカイロ”とされる『アッタカサン』の誕生から、

“日本の使い捨てカイロの歴史”が始まりましたが、

1978年(昭和53年)に、一大革命が起こります。

それが『ホカロン』の誕生です。

 

お菓子メーカーとして知られる『ロッテ』さんの、当時のグループ会社が

“新しい携帯カイロを開発したい”という会社と

パートナーシップを組んで商品化したものです。

 

最初は2月に北海道で先行発売され、その年の11月から

全国発売されました。

 

『取り扱いが簡単』、『“使い捨て”という手軽さ』、

さらに『100円という低価格』という、まさに“三拍子そろった”

携帯カイロの登場に、発売当初は生産が間に合わないほどの

大ヒットだったそうです。 

ちなみに当時は、『100円カイロ』とも呼ばれていたそうです。

 

初期の『ホカロン』は、“揉んだり振ったり”することで

温かくなりましたが、その後、袋から取り出すだけで

温かくなるように、改良されています

 

この『ホカロン』をキッカケに、『ロッテ』さん以外からも、

『使い捨てカイロ』が発売されるようになりました。

そして、『ミニサイズ』や『貼るタイプ』、『靴用』、『靴下用』、

『靴の中敷き用』など、様々なタイプが登場し、

今や『使い捨てカイロ』は“冬の必需品”となっています。

 

 

【感想】

そうでした。そうでした。

よく揉んでました。よく振ったりもしてました。

本当に冬の必需品で、私も毎年、箱買いしてるんですよネ。

 

首の後ろにあてると、一番体温が上がったりしますよネ。

それから脇の下、そして内ももも相当あったかいです。

 

ロケで1日中、外にいる時、

体を守ってくれるありがいたもの・・・

開発してくださって本当に感謝です。

 

 

12/9(金)  『使い捨てカイロ③』

 

『使い捨てカイロ』は使い終わったあと、

どのように捨てたら良いのでしょうか?

“『燃えるゴミ』、『燃えないゴミ』のどっち?”と思いますが、

実はそれぞれの自治体によって異なるそうです。

 

その理由ですが、『使い捨てカイロ』には鉄や水、活性炭、

さらに、ガーデニングなどに使われる人工の土、『バーミキュライト』など

様々な成分が使われています。

そのため自治体によって、扱いが違ってくるそうなんです。

 

例えば、『使い捨てカイロは焼却処分できますから、燃えるゴミです』という

ところもあれば、『鉄の粉が入っていますから、燃えないゴミです』という

ところもあるそうなんですネ。

 

このように自治体によって解釈が違っていますので、

お住いの自治体のホームページでご確認ください。

 

また、捨てる際には『完全に冷め切ってから』だそうです。

未使用の場合でも、そのままの状態で捨ててしまうと、

発火する可能性があるそうなんですネ。

そのため開封して、発熱が終わって、冷め切ってから捨てるのが

良いそうです。

 

そして研究の結果、『使い捨てカイロに含まれる鉄分が、

海水などの水質の環境改善に役立つ』ということが分かったそうなんです。

これは“SDGsにつながる取り組み”として、注目されています。

 

【感想】

私も去年の冬、使い終わった使い捨てカイロを大量に集めまして、

海の水をキレイにするという団体さんに送らせてもらいました。

 

便利なものを使わせてもらって、

それが地球のためになっていくとしたら、最高の循環ですよネ。

 

捨て方にも困っていたので、ありがたい研究だな・・・と思います。

皆さんもご興味あったら、ネットで調べてみてくださいネ。

 

≪『使い捨てカイロで海の水をキレイに』 参考例≫

https://go-green-group.com/

 

【今週の感想】

 

12月の声とともに、東京も寒さが本格化してきました。

そんな時の心強い味方が、やっぱり(使い捨て)カイロですよネ。

本当にこれを発明してくださった方に、心から感謝しています。

 

この使い捨てカイロがなかった時代、

真冬のロケのことを想像すると、

本当に大変だっただろうなぁ・・・って思います。

 

カイロのおかげで、この冬も元気に乗り切れそうです。

 

 

【お知らせ① 次週(12/12~)からのテーマ】

 

夜空に輝く満天の星を、景色に散りばめたように光り輝くもの、

『イルミネーション』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/