“サクッしたと食感の皮”と“上品な甘さのあんこ”が入った和菓子、
『最中』についてです。
■今週(8/22~8/26)のテーマ:『最中』
8/22(月) 『最中とは』
最中を辞書で調べますと、『もち米の粉を蒸して薄く伸ばし、
型を用いて、様々な形に焼いた2枚の皮を合わせ、
中にあんを詰めたもの』とあります。
最中は漢字で『最中』と書きますよネ。
この言葉ですが、平安時代の和歌の本、
『拾遺和歌集(しゅうい・わかしゅう)』に登場しています。
歌人で学者の源順(みなもとの・したごう)さんが、
お月見の宴で詠んだ句の中に
『最中(もなか)』という言葉が出てくるそうなんですネ。
この句は、『池の水面に映る月が美しいと感じるのは、
最中の月だから』という内容で、
実は『最中』という言葉には“真っ盛り”という意味もあるそうです。
そういったことから、『最中の月』とは十五夜の月、
『中秋の名月』のことを指しているそうです。
このお月見の宴の席に、“丸くて白い餅菓子”が出されました。
それを見た公家の方々が、この餅菓子のことを
『最中の月』と名付けた・・・と伝えられています。
【感想】
日本語がペラペラな外国の方が、
最中のことを“サイチュウ、サイチュウ”と呼んでいて、
これを理解するのはなかなか難しいのかなぁ・・・と思った
経験があります。
最中、おいしいですよネ。
私は皮だけでも好きですネ。
アイスになったり、金魚すくいに使ったり、
いろいろ用途がありますよネ。
源順さん、また登場しましたネ。
皆さん、覚えていらっしゃいますか?
この方はアジサイの漢字を『紫陽花』に
あてた方でもありますネ。(2021年5月17日放送)
源順さん、素晴らしい感性ですネ。
8/23(火) 『最中の歴史①』
最中の歴史は平安時代、“丸くて白い餅菓子”のことを、
中秋の名月を意味する『最中の月』と名付けたことから
始まったとされています。
時は流れて、江戸時代の中頃。
竹村伊勢(たけむら・いせ)さんという方が、
この『最中の月』を商品化して江戸の吉原で売り出しました。
竹村伊勢さんが作った『最中の月』は、“水で溶いたもち粉を
丸い形に焼き上げて、お砂糖でまぶしたもの“といわれています。
こう聞くと、“甘いおせんべい”っていうイメージなりますよネ。
この当時、お砂糖はとても貴重でしたので、それを使った
『最中の月』のお値段も結構高かったそうなんです。
それでも『吉原は 竹の中から 月が出る』という川柳が読まれるほど、
人気商品だったそうです。
人気の理由ですが、“『最中の月』が売られていた場所・吉原”が
大きく関係しているそうです。
吉原といえば当時、遊郭で知られた場所です。
その遊郭で働いている、“お目当ての女性への手土産”として、
『最中の月』が人気だったそうです。
ちなみに、『最中の月』と同じ“白い餅菓子”でも、形が丸ではなく
四角いものがあって、そちらは『窓の月』という名前だったそうです。
【感想】
今、私たちがイメージする最中とは違うものが、
最中の始まりなんですネ。
でも、『最中の月』とか『窓の月』とか、
今では『萩の月』とか『〇〇の月』という名前のお菓子、
結構ありますよネ。
私たちは名前に“月”と付くと、ロマンチックで
何か良いイメージがあるのかもしれませんネ。
当時の『最中の月』、食べてみたかったなぁ~と思います。
8/24(水) 『最中の歴史②』
平安時代、“丸くて白い餅菓子”のことを、
中秋の名月を意味する『最中の月』と名付けました。
そんな『最中の月』が江戸時代中頃に商品化されましたが、
中にあんこは入っていませんでした。
その後、しばらく経って、この『最中の月』であんこを挟んだ
『最中饅頭』が誕生します。
これが人気となって、いろいろな和菓子屋さんで
売られるようになっていきました。
この最中饅頭から“饅頭”が略されて、
『最中』と呼ばれるようになった・・・といわれています。
また、こういった経緯から、現在の最中の始まりは、
平安時代に誕生した『最中の月』ではなく、
この最中饅頭だと考えられています。
そして、時代が明治・大正になると、金属加工の技術の進歩によって
最中の皮を焼く時に使う『型』も、どんどん進化していきます。
本来、最中は中秋の名月をイメージしたものですから、
“白くて丸い”のが定番です。
それでも現在では、小判や動物の形、
菊や梅などの文様など、様々な最中が作られています。
ちなみに、最中の皮のことを『種(たね)』と呼ぶそうなんです。
そして、『種屋(たねや)』さんという専門の業者さんに依頼して、
そのお店ならではオリジナルの形や、デザインの型を
作ってもらっているそうです。
【感想】
私の故郷、茨城県牛久には『かっぱ最中』という、
河童をイメージした最中がありますが、
種屋さんにデザインしてもらうんですネ。
(注:竜ヶ崎名物、牛久沼の『かっぱ最中』)
探してみたら、各地におもしろい最中、ありそうですよネ。
8/25(木) 『ユニークな最中』
江戸時代に誕生したとされる“あんこ入りの最中”ですが、
時代とともにユニークなものも登場しています。
例えば福岡県久留米市の
『吉金菓子舗(よしきん かしほ)』さんには、『タイヤ最中』という
“クルマのタイヤの形をした最中”があります。
実は久留米は古くからタイヤなどのゴム産業が盛んで、
“国内最初のタイヤ工場”もあるそうなんですネ。
そんな“ゴムのまち”を代表する銘菓として生まれたのが、
この『タイヤ最中』だそうです。
そして最中の中でも、“ネーミングのインパクト”で知られているのが、
東京・新橋の『新正堂(しんしょうどう)』さんの『切腹最中』です。
この名前は、『忠臣蔵』で知られる浅野内匠頭が切腹したお屋敷の跡地に
お店があることから付けられたのだそうです。
そんな『切腹最中』には、こんなエピソードがあります。
ある時、ビジネスマンの方がお客様への御詫びの際に、
この『切腹最中』を手土産に持って行きました。
すると後日、“『切腹最中』のおかげで、
お客様から許していただきました”と連絡があったそうです。
これをキッカケに“お詫びのお菓子”として、『切腹最中』の名前が
全国に知られるようになり、ヒット商品になったそうです。
【感想】
写真を見ますと、『タイヤ最中』も『切腹最中』も
まずはおいしそう(笑)
『タイヤ最中』は4つあると走り出しそうですネ。
『切腹最中』はあんこがビッシリ入っていて、
アンコがビャーッて飛び出してきそうです。
最中が人の心を溶かすなんて、なんか洒落ていますよネ。
8/26(金) 『最中の雑学』
最中は、中のあんこはしっとりしていますが、
皮がパリッとしているのが特徴です。
最中のあんこですが、他の和菓子のものとは
ちょっと違うそうなんですネ。
例えば、大福餅のように“水分の多いあんこ”だと、
皮がすぐに湿ってしまうんだそうです。
逆に、栗饅頭のように“水分が少ないあんこ”だと、
パサパサした食感になってしまうそうです。
かといって、単に皮がパリパリしていればイイのか?といいますと、
それも違うそうなんです。
“皮は適度にパリッ、あんこは適度にしっとり”
これが“最中を作る職人さんの腕の見せどころ”だそうです。
そして、あんこの代わりにアイスクリームが入った
『アイス最中』ってありますよネ。
『最中アイス』ともいいます。
この『アイス最中』の誕生ですが、明治の初めの頃という説もあれば、
“大正時代になってから”など諸説あるそうです。
同じ『アイス最中』でも、皮の材料が和菓子用のもち粉のものと、
小麦粉やデンプンのものがあるそうです。
そんな中、アイスの中に板チョコが入った森永製菓さんの
『チョコモナカジャンボ』が、『チョコモナカ』の名前で
最初に発売されたのは、ちょうど50年前の1972年です。
【感想】
『チョコモナカ』、大好き!
“あ~、アイス食べたいなぁ~”と思う時、
私の頭の半分くらいは、『チョコモナカ』を想像しているんですよネ。
アイスの冷たさと、最中のぬくもりの相性が大好きなんですネ。
■今週の感想
月曜日に“今週のテーマは最中です”とご紹介したところ、
“最中といえばチョコモナカジャンボ”とか、
“チョコモナカジャンボの話が出てくるかなぁ”というコメントが
結構見られたそうで・・・
最終日の金曜日に、ちょっとだけでもお話しできて良かったです(笑)
また番組スタッフの方から、
“今回、男性の反応が意外と多かったんですよ”と
教えていただきました。
最中、お好きな方が結構いらっしゃるんだなぁと思いました。
そういう私もお話していて、食べたくなっています(笑)
【お知らせ① 次週(8/29~)からのテーマ】
“放送局から電波を使って放送しているもの”、『ラジオ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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