古くから、日々の生活を少しでも快適にするために生まれたものや知識
『先人の知恵』についてです。
■今週(7/4~7/8)のテーマ:『先人の知恵』
7/4(月) 『健康や長寿の心得①』
『先人の知恵』とは、“昔の人の優れた技術や考え方”です。
その中には現在も言い伝えられ、活かされているものが数多くあります。
例えば“人生50年”といわれ、今よりも平均寿命が
大きく下回っていた江戸時代。
そんな中、84歳まで元気に長生きした方がいらっしゃいます。
その方とは、儒教や薬学を学び、研究されていた
貝原益軒(かいばら・えきけん)さんです。
貝原さんは亡くなる前の年、83歳の頃に、
健康や長寿の心得を示した本
『養生訓(ようじょうくん)』を書き上げました。
この本は当時のベストセラーになりましたが、時代を超えた今も、
現代語に解釈されたものや解説書がいくつも出版され、
読み継がれています。
『養生訓』の『養生』とは、まさに“生命を養う”という意味です。
そのためには、“現在の健康状態や、生活の在り方を
的確に判断すること“から始まります。
そして、その結果を踏まえて、“今よりもより一層、
健康になるためにはどうしたらイイか?“
その方向性を示してくれる考え方が、この『養生訓』なのだそうです。
貝原先生の『養生訓』、ずっと読みたいと思っていました。
現代は病気になると、“病院”という道があって、
それはそれでありがたいですが、
“自分の健康は自分で守る”が基本だと思っています。
昔の人の知恵や伝統的な食べ物から、健康にアプローチ。
先人の知恵、もっともっと学びたいです。
7/5(火) 『健康や長寿の心得②』
“50歳まで生きれば長生き”といわれていた江戸時代、
儒教や薬学を学び、研究されていた
貝原益軒(かいばら・えきけん)さんは、
84歳で亡くなるまでお元気に過ごされていました。
そんな貝原さんが、健康や長寿の心得を示した本、
『養生訓(ようじょうくん)』には、今も受け継ぐべきことが、
いくつも書かれています。
例えば、『怒りや心配事を減らして心を穏やかに保つ』。
『食事は食べ過ぎず、毎日自分に合った適度な運動をするのが良い』。
『塩分の少ない食事をとる』。
『いろいろな味のものをバランス良く食べる』。
『生活の中で自分の決まり事をつくり、良くないことは避ける』。
『病気になってから治療するのではなく、病気にならない努力をする』。
『何事もほどほどにし、調和のとれた生活を送る』。
『お金がある・なしに関係なく、自分なりの楽しみを持って生活する』。
『夜ふかしはしない。ダラダラと寝すぎない』。
そして、『身のまわりを清潔に保つ』。
“バランスのとれた食事と適度な運動”、“良質な睡眠”、
“ストレスは避けて心を穏やかに保ち、楽しみを持って元気に過ごす”。
これって、まさに現代の生活習慣病の予防であったり、
日々の健康のために大事なことですよネ。
それを江戸時代に、既に貝原益軒さんは示していた・・・ということなんですネ。
“病気にならない努力”というのは、案外難しいのかな・・・と思います。
ついつい健康だと自分の体を過信して、
“これくらい大丈夫よネ”、“少しくらいはネ”って、
そのハードルを勝手に下げるのが、
人間の性のように思うからです。
一度、見直すキッカケにしていただけたらと思います。
7/6(水) 『夏の暑さに対する知恵①』
江戸時代、夏の暑さを少しでも和らげるために、
庶民の知恵として行われていたのが『打ち水』です。
自宅の前の道や庭に水をまくことで、涼しくなる効果を期待して
行うもので、土ぼこりやほこりを抑える効果もあります。
また打ち水には、お客さまを招く時に玄関先や道に水をまくことで、
心地よく迎える“お清め”の意味などがあったと考えられています。
現代の夏では、主に大都市の気温が高くなる
『ヒートアイランド現象』が問題となっていますよネ。
そんなヒートアイランド現象に対して、
打ち水がどのような効果を持つのか?
それを検証すべく、壮大な社会実験として2003年(平成15年)から
スタートしたのが『打ち水大作戦』です。
これは決められた日時に、みんなで一斉に打ち水をして、
その効果を検証しましょう!というもので、
実際に『気温が下がった』という結果も出ているそうです。
今年も、暦の上では“1年で暑さが最も厳しい”とされる『大暑』から、
“厳しい暑さも峠を越した”とされる『処暑』まで、
“晴れたら毎日、打ち水をしましょう!”と勧めています。
今年の『大暑』は7月23日、『処暑』は8月23日です。
昔の暑さと今の暑さは違いますが、打ち水効果はちゃんとあるんですネ。
私がよく京都に行っていた時、夕方になると、
奥さま達が軒先で打ち水している光景を
“風流だなぁ~”とながめていました。
また氷の柱をお部屋に置いて涼をとったり、
すだれを掛けたり、“涼しくさせる知恵”がどこかしこにあって、
先人たちの知恵に感動したものです。
何とか今年の暑さも、無事に過ごせますように・・・。
7/7(木) 『夏の暑さに対する知恵②』
打ち水の他に、古くから日常の夏の暑さ対策として
使われているものに、『すだれ』と『よしず』があります。
どちらも見た目が涼しげで、パッと見ると似ていますが、
一般的に『すだれ』の材料は“細く割った竹”ですが、
『よしず』の材料は『葦(あし・よし)』というイネ科の植物です。
また、『すだれ』は“吊るして”使うのに対して、
『よしず』は“立てかけて”使います。
他にも『よしず』はサイズが大きいので、軒先やベランダなど、
屋外で使われることが多いです。こういった違いがあるんですネ。
『すだれ』も『よしず』も、日差しをさえぎりながら、
風を通す効果がありますので、お部屋の中に
熱を通しにくくしてくれます。
その際、霧吹きなどで水をかけると、水が蒸発する際の気化熱によって
涼しさがアップするそうです。
お部屋以外にも、エアコンの室外機に日よけとして使うと、
室外機自体の温度が下がって、エアコンの効率にも良いそうです。
他にも、アサガオやヘチマ、キュウリといった“つるを伸ばす植物”を植えて、
日差しをさえぎる“緑のカーテン”も古くから活用されています。
また、植物の葉の表面から水蒸気が放出することで、
お部屋に入る風は、より涼しく感じられるとされています。
さらに植物に水をまくと、打ち水と同じ効果も期待できるそうです。
すだれもよしずも、夏の涼感を誘うものですよネ。
木陰の風、縁側のスイカ、風鈴の音、うちわ、かき氷・・・。
“夏を思い出すもの”、実はすべて“涼感を感じるもの”なんですよネ。
先人たちは素晴らしいものを残してくれました。
7/8(金) 『ことわざ』
古くから伝えられていることわざは、
“先人の知恵が詰まった教えの宝庫”といわれています。
何か困った時や悩んでいる時、辛い時、ことわざが助けになって、
背中を押してくれることがあるそうです。
例えば、『禍福(かふく)は 糾(あざな)える縄の如(ごと)し』ということわざです。
『禍福』とは“災い”と“幸せ”のことです。
『禍福は糾える縄の如し』とは、
“災いと幸せとは縄がより合わさるように、交互にやってくる“という意味です。
つまり、“今がどんなに辛い状況であっても、前向きな気持ちでいれば、
必ず明るい道が開けてくる・・・“ということなんですネ。
逆に、“今が良い状況であるならば、それに浮かれることなく、
気を引き締めていきましょう“という、忠告も含まれているそうなんです。
また、“今、何か壁にぶつかっています”
“なかなか結果が出なくて焦っています”という方には、
『良い花は後から』ということわざがあります。
これは“初めに咲く花より、後から咲く花のほうが美しい”ということから
転じたもので、“何事でもすぐれたものは、時間を十分にかけ、
後から現れる。時間をかけなければできない“といった意味です。
すぐに結果が出なくても、焦る必要はないんですよネ。
ことわざ、短い言葉で端的に表す素晴らしいものですネ。
“なるほど。そうか!”と知れば、あとは努力のみ。
『大は小を兼ねる』とか、『百聞は一見に如かず』とか、
当たり前のことわざにも深いものがあります。
私たちもいずれ“先人”と呼ばれるようになっていくんですよネ。
その時、何か残せるか? そういう人になっていきたいものです。
注:『大は小を兼ねる』の意味
大きいものは小さいものの代用として使える。
小さいものより大きいもののほうが、使い道は広く役に立つ。
注:『百聞は一見に如かず』の意味
人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よくわかる。
■今週の感想
今の時代は、それこそ何か分からないことがあれば、
ネットで調べたりと、とても便利になりました。
生活用品ひとつとってみても、
昭和の時代と比べたら、ものすごく進化していますよネ。
でも昔はそういったものがなくて、
“一体どうやってやっていたんだろう?”って
不思議に思う時があります。
なければないなりに創意工夫して、
いろいろ乗り切ってきたことを思うと、
先人の皆さまには本当に頭が下がります。
そういった方々の知恵は、いつの時代も大事にしないといけないですネ。
【お知らせ① 次週(7/11~)からのテーマ】
自分を少しでもキレイに見せるための『お化粧』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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