数あるお花の中から、私も大好きな『バラ』についてです。
■今週(5/30~6/3)のテーマ:『バラ』
5/30(月) 『バラの歴史』
バラの歴史はとっても古くて、少なくとも3000万年以上も前に、
既に野生のバラが存在していたことが分かっています。
そんなバラの生まれ故郷は、“ヒマラヤ山脈のふもとや渓谷”という説が
有力ですが、詳しいことは分かっていないそうです。
はるか昔から自生していたバラですが、
紀元前の時代から栽培もされていたそうです。
栽培されたバラは観賞用の他に、主に香料や薬用として
使われていたそうなんですネ。
当時栽培されていたバラの品種の1つが『ロサ・ダマスケナ』で、
『ダマスクローズ』とも呼ばれています。
数あるバラの中で、もっとも香りが良いとされることから
“バラの女王”といわれています。
私たちがイメージする“バラの香り”というのは、
このロサ・ダマスケナの香りでもあるそうなんです。
ロサ・ダマスケナはクレオパトラも大好きで、お風呂に入れたり、
ベッドの周りに敷き詰めたりして、その香りを楽しんだそうです。
そんなロサ・ダマスケナのお花と水を煮詰めて作るのが、
『ローズオイル』です。
2500本以上のバラから、ほんの1g程度しか作れないため、
大変貴重で高価なものです。
そして、ローズオイルができる時、バラのエキスが溶けた水が
『ローズウォーター・バラ水(みず)』です。
ダマスクローズ、すっごく良い香りで大好き!
ホントに優雅で深~く、何とも言えない良い香りなんですよネ。
“バラは女性を美しくする”といわれていますが、
ローズウォーターを使うと気持ちも豊かに、お肌もキレイになれそうです。
バラって形も美しいし、香りも良く、
お花の中でも女王様のような存在ですよネ。
5/31(火) 『バラの名前』
『バラ』という名前は、“トゲの多い低い木の仲間”の総称である
『イバラ』から、『イ』が抜けた言葉が由来といわれています。
そして『イバラ』の中でも、“バラの仲間”のことを
『バラ』と呼び分けるようになったそうなんです。
そして、難しい漢字の『薔薇』ですが、これは中国から来た言葉で
音読みでは『しょうび』と読むんだそうです。
実際、この読み方で古今和歌集には登場しているそうです。
この『薔薇』の『薔(しょう)』は“垣根”、
そして『薇(び)』は、“風にそよぐ”という意味だそうです。
そういったところから、『薔薇』という漢字は
“垣根に植えられた野生のバラが、風にそよいでいる様子”を
表しているといわれています。
名前といえば、バラの学名はラテン語の『Rosa(ロサ)』です。
でも一般的には、英語読みの『Rose(ローズ)』のほうが
浸透していますネ。
バラの名前には、人の名前が付いたものもあります。
例えば、皇室の女性の方々のお名前にあやかり、名付けられたバラに
『プリンセス・マサコ』や『プリンセス・ミチコ』、『プリンセス・アイコ』、
『プリンセス・キコ』などがあります。
また、イギリスの元ダイアナ妃に捧げられたバラは
『ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ』と呼ばれていましたが、
その後、『エレガント・レディ』に改められています。
『薔薇』という漢字は、“読めるけど書けない漢字ベスト10”に
入りそうですよネ。
私の故郷・茨城県の県の花はバラですが、
この『茨(いばら)』という漢字から来ているんだそうです。
白いバラもピンクもオレンジも赤も、みんな美しい!
東京ですと、旧古河庭園はバラのお庭で有名ですし、
都電の沿線もバラで敷き詰められて、すっごく素敵ですよネ。
6/1(水) 『バラの豆知識』
バラの中には、自生している野生のバラがあります。
このバラは『ワイルドローズ』とも呼ばれ、
その数は200種類ともいわれています。
日本にはワイルドローズが10種類以上あるといわれていて、
『ノイバラ』または『ノバラ』や、『ロサ・ルゴサ』などがあります。
『ロサ・ルゴサ』は、日本では『ハマナス』とも呼ばれています。
写真を見ますと、どちらも私たちがイメージするバラの形とは
ちょっと違っているんですネ。
バラって幾重にも花びらが巻いていて、
野菜でいうとハクサイとかキャベツとか、
そういうイメージ、あるじゃないですか?
このハマナスは花びらが一重で、
桜とかコスモスのような感じがしますネ。
こうしたワイルドローズから自然に、または人の手によって
改良されて誕生した品種のことを『オールドローズ』といいます。
オールドローズは“クラシックな花の形”をしていて、
“良い香り”がするバラの総称でもあります。
1867年、大輪の一輪咲きの品種、『ラ・フランス』が誕生します。
お花の中心が高く、花びらが先のとがった形をしていて、
素晴らしい香りがして、さらに季節に関係なくお花を咲かせる・・・という、
まさに“バラの理想を形にしたバラ”です。
このラ・フランスの誕生によって、『ハイブリッド・ティー』と呼ばれる
新しいジャンルが確立されていきます。
そして、ラ・フランス以降に誕生した品種は、
『モダンローズ』と呼ばれています。
ラ・フランスという西洋梨がありますが、
それとは違って、大輪のバラなんですネ。
本当に美しい!
バラは世界中の人に愛されて、常に理想を求められるお花なんですネ。
6/2(木) 『世界バラ会議』
『世界バラ会議』とは、40の国が加盟する『世界バラ会連合』が
3年に一度開催する“バラに関する世界最大の国際会議”で、
50年以上の歴史があります。
この世界バラ会議で選ばれたバラは
『殿堂入りのバラ』と呼ばれています。
世界中のどの環境でも育てやすく、誰もが美しいと思える
栄誉あるバラたちです。
その第1号が1976年、第3回イギリス・オックスフォード大会で
選ばれた『ピース』という品種です。
この名前は、第二次世界大戦後の1945年、
平和への願いを込めて付けられたんだそうです。
クリームイエローの花びらのふちの部分が、薄いピンク色をしていて、
まさに殿堂入りにふさわしいバラです。
写真を見ますと、なんともやさしい色合いのバラで
見る者に安らぎと愛を与えてくれるようです。
こうした殿堂入りのバラは、これまで17種類あります。
この世界バラ会議ですが、通常でしたら
オーストラリア・アデレード大会が去年開催される予定でしたが、
新型コロナウイルスの影響で、今年10月に延期となりました。
ちなみに次回、2025年に開催予定の第20回大会の会場は、
広島県福山市だそうです。
日本での開催は2006年の大阪市以来、2回目となります。
福山市は戦後の復興とともに、市民の方々の手によって
『100万本のばらのまち』というのを築き上げてこられたそうです。
殿堂入りのバラ。
日本で生まれたバラも殿堂入りするとイイですよネ。
夢がふくらみますネ。
6/3(金) 『バラのトゲ』
バラには茎のところにトゲがついていますが、
一体何のためにあるのか?詳しいことは分かっていないそうです。
それでも、よくいわれているのが、『外敵から身を守るため』です。
でもこれは人間ですとか草食動物には有効でも、
一番の敵である昆虫には、効果はないといわれています。
他の理由として考えられるのが、『体を支えるため』です。
バラのトゲは下に向いていますが、それによって隣にある植物に
引っ掛かることで、倒れるのを防ぐことができるそうなんです。
またそうやって、フックのようにして、
上に伸びていこうともしているそうです。
このトゲですが、バラの芽が伸び出した時、
つまり赤ちゃんの時から付いているそうです。
最初は水分を含んで柔らかい状態ですが、成長に従って
水分が抜けていって固くなります。
それによって、茎の強度も上がるんだそうです。
そういったことから、バラのトゲには茎の成長を助ける働きがあると
考えられています。
ですからバラがまだ若くて、茎が柔らかい状態の時に
トゲを取ってしまうと、“取った跡”がそのまま残ってしまって、
茎が折れやすくなるそうなんです。
『キレイなものにはトゲがある』という言葉は、
バラの花から来ているんですよネ。
でも、これが成長のためや自分の身を守るためなんですネ。
やっぱり、キレイなものはどこか弱くて、
人の力を借りて生きていく・・・という性質もあるのかもしれませんネ。
昔、バラを育てたことがあるんですが、
なかなかこれが難しくて、枯らしてしまった経験があります(汗)
でも、またバラを育ててみたいな・・・と思いました。
■今週の感想
私はお花の中でも、イチニを争うくらいバラが好きで・・・
特に大輪のバラを見ていると、思わずため息が出てしまいます。
古くから私たち人間と一緒に過ごしているバラ。
いつの時代も、その美しい姿で私たちの目を
楽しませてくれていたんでしょうネ。
バラといえば、番組でもお話しましたが、
2025年に広島県福山市で世界バラ会議が開催されるそうですが、
その前に一度、『100万本のばらのまち』と呼ばれる福山市に行って、
バラを見たいなと思いました。
【お知らせ① 次週(6/6~)からのテーマ】
日本で古くから食べられていて、とてもなじみの深いものの1つ
『梅干し』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
2025.05.02
2025年4月28日週 テーマ「昭和」
今年2025年は『昭和』の元号にあてはめますと、ちょうど100年になります。そこで『昭和』についてです。 ■今週(4/28~5/2)のテーマ:『昭和』 ...
2025.04.25
2025年4月21日週 テーマ「シジミ」
お味噌汁の人気の具材のひとつ、『シジミ』についてです。 ■今週(4/21~4/25)のテーマ:『シジミ』 4/21(月) 『日本のシジミ』 &...
2025.04.18
2025年4月14日週 テーマ「本音と建前」
“日本の文化を象徴するもの”のひとつ、『本音と建前』についてです。 ■今週(4/14~4/18)のテーマ:『本音と建前』 4/14(月) 『本音と建前...
2025.04.11
2025年4月7日週 テーマ「遊園地」
遊園地の中で、人気のアトラクションのひとつ『観覧車』についてです。 ■今週(4/7~4/11)のテーマ:『観覧車』 4/7(月) 『観覧車の歴史』 ...
2025.04.04
2025年3月31日週 テーマ「キャベツ」
季節を問わずお店に並んでいて、“いつでも手に入る身近な野菜”のひとつ、『キャベツ』についてです。 ■今週(3/31~4/2)のテーマ:『キャベツ』 3...