スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.06.10

2022年6月6日(月)

日本で古くから食べられていて、とてもなじみの深いものの1つ

『梅干し』についてです。

 

■今週(6/6~6/10)のテーマ:『梅干し』

 

6/6(月)  『梅と梅干し』

 

梅干しは、まだ熟していない状態の梅『青梅』の実を塩漬けにして、

天日干ししたものです。

梅干しの材料となる梅ですが、大きく分けて

お花の観賞用の『花梅(はなうめ)』と、実を食用としてする

『実梅(みうめ)』に分かれます。

梅の品種はとても多くて、実梅だけでも約100種類あるそうです。

 

そんな梅のふるさとは中国です。

歴史は古く、約2000年前に書かれた中国で最も古い医薬品の本に、

梅のことが書かれてあったそうです。

日本に伝わったのは3世紀の終わり頃といわれていて、それ以来、

日本人の生活と文化に深く結びついています。

 

実は6月6日は『梅の日』だそうなんです。

これは室町時代の天文(てんぶん)14年(1545年)4月17日、

京都・賀茂神社の祭典でのことです。

時の後奈良天皇が、当時は大変貴重だった梅を奉納され、

五穀豊穣と人々の健康を祈願したことに由来しているそうです。

 

この4月17日が現在の暦では6月6日にあたり、

ちょうど梅が実って収穫が本格的に始まる時期でもあるため、

この日を『梅の日』としたそうです。

 

 

私、梅干し大好きなんですネ。

実家でも梅干しを作っていて、

この季節になると縁側で、竹のカゴに梅を干してましたネ。

昔の梅干しは“酸っぱかった”というよりも、

“しょっぱかったなぁ”っていう記憶です。

なんかこう、梅干しの話をしているだけで、

クチの中が酸っぱくなってきますよネ。

でもこの季節、“梅干しは物を腐らせない”っていう

魔法を持っていますので、最適な食べ物ですよネ。

 

 

6/7(火)  『日本の梅干しの歴史』

 

8世紀頃、中国から薬用の『烏梅(うばい)』が

日本に伝わってきました。

烏梅は青梅を燻製し、乾燥させたものです。

色がカラスのように真っ黒いことから、この名前が付いたそうで、

写真を見ると確かに黒くて、“黒い梅干し”というイメージです。

見ようにとっては、黒い石にも見えますよネ。

 

その後、日本でも梅の薬用としての効果が知られるようになると、

梅の実を塩漬けして、保存食や薬として活用していたそうです。

この“梅の塩漬け”が“梅干しの原型”と考えられています。

 

平安時代の中頃、時の村上天皇が病気の折には、

梅干しと昆布入りのお茶で体調が回復した・・・と伝えられています。

同じく平安時代の中頃に書かれた、日本で最も古い医学の本にも

梅干しが登場し、その効能が取り上げられているそうです。

そんな梅干しですが、のちの戦国時代には武士の間にも広まり、

戦の際の携帯食として重宝されていきました。

 

江戸時代になると、梅干しは庶民の間にも広まっていきます。

そして大晦日やお正月、節分といった特別の日には、縁起物として、

梅干しなどが入った『福茶』をいただくようになりました。

それ以降も梅干しは常に、私たちの食生活と深くかかわっています。

 

 

梅にはお薬のような効果があると、昔から分かっていたんですネ。

おにぎりが悪くならないように、梅干しを入れて

竹の皮に包むのが良いとか、お粥に入れたりお茶に入れたり、

具合が悪い時に食べるものとして、

おばあちゃん達に聞かされて育ちました。

 

この季節は湿気が高くなりますので、

あのシャキッとする酸っぱさが本当にマッチしますよネ。

 

 

6/8(水)  『梅干しの栄養』

 

梅干しには様々な栄養素を含んでいますが、そういったことから

昔から『1日ひと粒で医者いらず』といわれているそうです。

 

梅干しは梅を干して、水分を蒸発させて作りますが、

それによって栄養素が凝縮され、

効率良く摂ることができるといわれています。

 

梅干しの酸っぱさの成分であるクエン酸には、胃腸の働きを良くして、

食欲を高めてくれる効果があります。

同時に、消化を助ける働きもしてくれます。

 

また、疲労の原因となる乳酸を抑える働きがあることから

疲労回復に効果的とされています。

 

さらにクエン酸には、カルシウムの吸収を高める働きがあります。

そこでカルシウムを豊富に含む食品、例えばシラスなどと

一緒にいただくと良いそうです。

 

他にも梅干しには、ポリフェノールの一種『梅リグナン』が

含まれています。

この梅リグナンには、生活習慣病を防ぐ抗酸化作用や、

細胞の老化などを防ぐ働きが期待されています。

 

そして梅干しには、『バニリン』という成分が含まれていますが、

このバニリンには、脂肪を燃焼させる効果があるとされています。

つまり梅干しは健康だけでなく、

美容にも効果が期待できるということだそうです。

 

 

これは絶対、毎日ひと粒食べないといけませんねぇ。

今、ドラマの現場で疲れてくると、

梅干しを食べて疲労回復をはかっていましたが、

今日からは美容のために食べよう!と思いました。

紫蘇で漬けたもの、ハチミツが入っているもの・・・いろいろありますが、

あの酸っぱい昔ながらの梅干しが私は一番好きだな。

皆さんはどんな梅干しがお好きですか?

 

 

6/9(木)  『梅干しの雑学』

 

“6月6日は『梅の日』です”とご紹介しましたが、

『梅干しの日』というのもあるそうなんですネ。

それはいつかといいますと、7月30日です。

 

これは古くからの『梅干を食べると難が去る』という言い伝えが関係していて、

7月30日を“ナンがさる”と読む語呂合わせから

この日になったそうです。

当日は朝6時から8時の間に、その年の恵方を向いて

梅干しを食べると気が高まり、精気がみなぎるんだそうです。

今年の恵方は『北北西』です。

 

ちなみに、食べると良いとされる時間帯が“朝6時から8時”なのは、

『朝、出かける前に梅干を食べると、その日は災難を免れる』という

言い伝えが、今も根強く息づいているからだそうです。

 

そんな梅干しですが、同じ梅干しでも“昔ながらの梅干し”と

呼ばれるものは、塩分の量が18%から20%だそうなんですネ。

実際、今でもこの塩分の梅干しはありますし、

それ以上のものもあるそうなんですネ。

これくらいの塩分の量ですと、常温で保存しても

腐りにくいんだそうです。

 

でも今は“塩分控えめ”、8%や5%の梅干しを見かけることが

多いかと思います。

そういった梅干しの場合、水分が飛ばないようにちゃんと密封して

冷蔵庫での保管を勧めています。

 

 

『梅干しの日』 7月30日。恵方を向いて梅干しを食べる。

これ私、初めて知りました。

先日、100年前に漬けられた梅干しをいただいたんですが、

めちゃめちゃ美味しかったです。

だから梅干しは、保存食でもあるだなぁ~と思いました。

梅干しって本当に素晴らしいですネ。

 

 

6/10(金)  『梅干しの言い伝え』

 

昔からある“一緒に食べてはいけない”といわれる

『食べ合わせ』の中に『うなぎと梅干し』があります。

モチロン、これはまったくの迷信で、科学的な根拠はないんですって。

 

それどころか梅干しには、うなぎにたっぷりと含まれている

脂の消化を助ける働きがありますし、梅干しの酸味成分で

サッパリといただくことができます。

 

そうなると、どこから『うなぎと梅干しの食べ合わせは良くない』という

迷信が生まれたのでしょうか?

これにはいくつか説がありまして、例えば『食べ過ぎを防ぐため』です。

確かに梅干しには、食欲を増す効果がありますし、

うなぎもご飯が進みますよネ。

そこで“ついつい食べ過ぎないように・・・”と、

この迷信が生まれたのでは?とする説です。

 

また、『梅干しの消化を助ける働きが、うなぎの栄養分を

消してしまうから』という説もあるそうなんですが、

モチロン、そんなことはありません。

 

他にも、うなぎは高級食材で、“食べるのはぜいたく”ということで

庶民のぜいたくを戒めるために、

こういった迷信を流したのでは・・・という説もあるそうですよ。

 

いずれにしても迷信ではあるんですが、うなぎや梅干しに限らず、

どんな食材でも食べ過ぎは良くないですから、

その点では注意が必要ですよネ。

 

 

『うなぎと梅干し』は、私は未だに信じていて、

食べていないんですネ。

“先人たちの教え”には、きっと何かあるはず・・・って、

頭が思っちゃっているんですねぇ。

海外に行く時は梅干しをいつも持参して、助かったことが何度もあります。

梅干しは日本人のソウルフードの1つですネ。

 

 

■今週の感想 

 

番組でもお話しましたが、私、梅干しが大好きなんです。

そのままいただいても美味しいですが、

梅肉を叩いて、何かとあえたりしても美味しいですし、

お茶に入れても美味しいですよネ。

 

もし梅干しがなかったら、日本人の食生活はどうなっていたんでしょうか。

ひょっとしたら大きく変わっていたかもしれませんネ。

 

これから夏場に向けて、梅干しで体調を整えていきましょうネ。

 

 

 

【お知らせ① 次週(6/13~)からのテーマ】

 

モノの取引の時に必要な『お金』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/