スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.04.15

2022年4月11日(月)

何かモノを切る時、使う道具の1つ『ハサミ』についてです。

 

■今週(4/11~4/15)のテーマ:『ハサミ』

 

4/11(月)  『ハサミの歴史』

 

私たちが日頃、何気なく使っているハサミですが、

歴史はとっても古くて紀元前1500年頃に登場したといわれています。

現在も残っているハサミの中で、最も古いものは紀元前1000年頃、

ギリシアで作られたとされるハサミです。

 

写真を見ますと、お裁縫の時に使う形をしていますが、

この形、そんな昔からあったんですネ。

 

このハサミですが、『握りばさみ』と呼ばれるハサミで、

その名のとおり、“握って使うハサミ”です。

“指を入れる穴”がなく、

『糸切りばさみ』ですとか、『和ばさみ』と呼ばれています。

 

当時は主に“羊の毛を刈る時”に、このハサミを使っていたと

考えられています。

 

それに対して、“指を入れる穴”があるハサミのことは、

『洋ばさみ』とか『西洋ばさみ』と呼ばれています。

 

洋ばさみの中でも、“布地を切る時”に使うハサミのことは、

『裁(た)ちばさみ』、『ラシャ切りばさみ』とも呼ばれています。

 

そんな洋ばさみですが、握りばさみよりも、

後から誕生したといわれています。

 

それぞれ、その見た目の形から

握りばさみは『U字型』、洋ばさみは『X字型』といったように

分けることもあるそうです。

 

 

実は私、ハサミが大好きで・・・

家のいろんなところにハサミがあるんですネ。

デスクの近くには、封筒などを切るハサミ。

キッチンには必ずあって。

ペンケースの中には、小さな文具用のハサミ。

それから玄関に置いて、宅配便の開封に・・・など、

家の中のいろんなところにハサミが置いてあります。

 

そんなハサミのことが知りたくて、

今回このテーマにさせていただきました。 

“はさんで切る”・・・最初に思いついた人、天才ですよネ。

 

 

4/12(火)  『日本でのハサミの歴史①』

 

紀元前から存在するハサミですが、

日本には6世紀頃、中国から『U字型の握りばさみ』が

伝わったとされています。

 

その後、握りばさみは日本の生活に深く関わっていきますが、

世界では『X字型の洋ばさみ』が主流になっていきます。

その結果、今では握りばさみは、日本以外では、

ほとんど使われていない・・・といわれているそうなんです。

 

それに対して洋ばさみは、8世紀に建てられた

奈良の正倉院の中から見つかったことから、

この時代には既にあったことが分かっています。

 

その後、室町時代になると洋ばさみは、

華道の『花ばさみ』として使われるようになります。

それでも本格的に洋ばさみが普及するようになったのは、

明治時代になってからです。

 

洋服の文化が始まったことで、厚手の毛織物、『ラシャ』の生地が

輸入されるようになりました。

そして、それを切るための“西洋のハサミ”洋ばさみが

大量に入ってきます。

 

このハサミは“ラシャを切るためのハサミ”ということで、

『ラシャ切りばさみ』、『ラシャばさみ』と呼ばれるようになりました。

 

 

お裁縫の時に使う握りばさみ・U字ばさみは、

日本以外ではほとんど使われていないんですネ。

我が家の先祖は宮大工だったため、

昔からの形をした裁ちばさみとか、

見たこともないような道具がたくさんありました。

このラシャばさみも、古いものが今でも我が家にありますネ。

キレの良いハサミの布を裂いていく音、あれ、ゾクゾクしますよネ。

なにせ道具は大切ですよネ。

 

 

4/13(水)  『日本でのハサミの歴史②』

 

明治時代になって洋服の文化が始まってから、

厚手の毛織物の生地『ラシャ』を切るための洋ばさみ、

『ラシャ切りばさみ(ラシャばさみ)』が使われるようになりました。

 

ところが外国のラシャ切りばさみは、日本人には重くて大きくて、

さらに指を入れる穴も大きくて、使いづらかったそうなんですネ。

 

そこで、このラシャ切りばさみを参考にして、

刀を作る職人さんだった吉田弥十郎(やじゅうろう)さんが、

日本人でも使いやすいハサミを作りました。

このハサミが『裁ちばさみ』です。

 

今ではラシャ切りばさみも裁ちばさみも同じものと

解釈されていますが、厳密にはこういった違いがあるそうです。

 

このように裁ちばさみは、“布を切ること”に特化していますので、

キレイにカットできるのが魅力です。

逆に言えば“布以外のもの”に使うと、上手く切れなかったり、

刃がすり減ってしまうこともあるそうです。

 

同じ裁ちばさみでも材質が“ステンレス”のものと、

“鋼(はがね)”のものがあります。

ステンレスの場合は、持ち手の部分(ハンドル)が

プラスチックで出来ているので、軽いのが特徴です。

それに対して鋼の場合、プロ仕様の本格的なもので重みがあります。

他にも、“鋼と鉄”のものもあるそうです。

 

 

我が家は断然、“プラスチックの持ち手に、ステンレスのもの”が

多いですが、実家に行くと“重~い鋼のハサミ”がありますネ。

でも、刀を作る職人さんも時代の流れで

ハサミを作るようになった歴史・・・。

いつの時代も進化していく流れがあるんだなぁ~と

気づかされるエピソードですネ。

いろんなタイプのハサミを使うと、なんか楽しいですよネ。

やっぱり私、ハサミ好きだな(笑)

 

 

4/14(木)  『ハサミの進化』

 

ハサミは時代や生活スタイルの変化とともに、

どんどん進化していきます。

そんな中、1967年(昭和42年)、

フィンランドのメーカー、『フィスカース』のハサミの登場は

ハサミの歴史を大きく変えていきました。

 

このハサミは『オレンジハンドル』と呼ばれていて、

持ち手の部分がオレンジ色の樹脂でできています。

それまでハサミといえば金属製が当たり前だった時代に、

“良質で錆びないステンレス”を使ったことで、

それまでのハサミよりも軽くなっています。

 

見た目にも使いやすさにも優れていて、

さらにハンドルが目立つ色をしていますから、

デスクや引き出しの中に埋もれていても、

すぐに見つけることができます。

 

そういったことから、フィスカースのハサミは

“現在の文房具や事務用のハサミの原型”とされています。

 

その後もハサミは進化していきますが、2000年代になると

“小型化”がブームになっていきます。

その中でもレイメイ藤井さんの“ペンの形をしたハサミ”

『ペンカット』の登場は、ハサミの歴史の中でも

画期的なものとなりました。

スリムになったことで、ペンケースにも入れやすくなりましたよネ。

 

 

昔のハサミって、親指を入れる穴は小さくて、

人差し指を入れる穴って大きかったんですが、

このあたりから両方の穴の大きさは、

同じになってきたんですかネ。

そして“たためばペン、開けばハサミ”・・・画期的でしたよネ。

すごい進化!ハサミはこれから先、どうなっていくのかな?

楽しみですネ。

 

 

4/15(金)  『ハサミの豆知識』

 

ハサミといえば、美容師さんや理容師さんにとって

“なくてはならない道具”です。

そういった美容の世界で“日本製のハサミ”が、

海外からも高く評価されているそうなんですネ。

 

実際にハサミを手にして、その切れ味や使いやすさに驚く

外国人の方も多いそうです。

ハサミの世界でも“Made in Japan”の素晴らしさが

知れ渡っているのは、嬉しいですよネ。

 

“日本製のハサミ”が優れている理由に、“日本人の髪質”があります

欧米の方の髪質と比べて硬いので、“より鋭い切れ味”が

ハサミに求められているそうなんです。

そのうえで“使いやすさ”も求められますから、それに応えるために

日本のハサミのメーカーさんは、技術力を高めてきたそうです。

 

また日本には古くから“刃物づくりの歴史”があって、

その技術が“ハサミづくり”にも活かされていることも大きいそうです

『ラシャ切りばさみ』を日本人にも使いやすいように、

『裁ちばさみ』に改良したのも、

もともとは刀の職人さんでしたよネ。

 

他にも新潟県の燕や三条、岐阜県の関、大阪の堺、

さらには兵庫県の小野や三木といった、

昔からの刃物の産地の技術が

受け継がれていることも、日本製のハサミが優れている点でもあるそうです。

 

 

“Made in Japan”、嬉しいですよねぇ~。

本当に良いハサミを1つ持っていると、なんかイイですよネ。

美容師さんもハサミにはこだわりがあって、

道具を愛する人は技術も向上する気がします。

 

 

■今週の感想 

 

私は本当にハサミが好きで・・・

今回もそのことを知った番組のスタッフの方から

“羽田さん!今度『ハサミ』をテーマにしませんか?”と言われた瞬間、

何のためらいもなく、すぐに“ハイ!”と答えました(笑)

今週の放送で、私がいかにハサミ好きか

お分かりいただけたでしょうか(笑)

 

それにしてもハサミがなかったら、日々の生活って

本当に不便ですよネ。

当たり前のように存在するから気づかないけど、

ハサミのありがたさを改めて知ることができました。

ハサミさんに感謝です。

 

 

【お知らせ① 次週(4/18~)からのテーマ】

 

“麺を使った料理”の中から私も大好き!『焼きそば』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/