スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.04.08

2022年4月4日(月)

お寺などにある仏像の中でも、

ひときわ大きい仏像『大仏さま』についてです。

 

■今週(4/4~4/8)のテーマ:『大仏』

 

4/4(月)  『大仏とは』

 

大仏さまの大きさですが、

一般的に“立っている仏像”の場合、“高さが約4.8m以上“、

“座っている仏象”の場合、その半分の“約2.4m以上”のものを

『大仏』と呼ぶのだそうです。

この『4.8m』という数字は、

“お釈迦さまの身長”からきた・・・といわれているそうです。

 

このように大仏さまには“大きさの基準”とされるものが

あるそうなんですが、実際にはそれを満たしていなくても、

“大仏”と呼ばれている仏像がいくつもあるそうなんですネ。

 

例えば、千葉県の『鎌ケ谷大仏』の高さは1.8m、

沖縄県・球陽寺(きゅうようじ)の『コザ大仏』は1.5m。

そして、岐阜県の善学院(ぜんがくいん)の

『神戸大仏(ごうどだいぶつ)』に至っては、1.22mだそうです。

いずれも先程ご紹介した“大仏の大きさの基準”には及びませんが

それでも“大仏”という名前で、親しまれているそうなんですネ。

 

日本には全部で100を超える大仏さまがあります。

その中には、奈良・東大寺の大仏さまのように、

約1300年もの歴史を誇るものもあります。

それに対して、東京・西多摩郡の鹿野大仏(ろくやだいぶつ)は

2018年の完成ですから、まだ4年の歴史です。

 

 

大きさの定義ってあるんですネ。

私は“大きい”と感じたものは、

すべて“大仏さま”と呼ぶものかと思っていました。

日本全国に100を超える大仏さまがいらっしゃるんですネ。

私が“大仏”と聞いて真っ先に思うのは、

やはり奈良・東大寺の大仏さまかなぁ。

あと私の故郷・茨城県にも

牛久大仏という大きな大仏さまがいらっしゃいます。

全部まわってみたいな。

 

 

4/5(火)  『奈良の大仏さま』

 

奈良の大仏さまは、聖武天皇の願いで、

奈良時代の752年、東大寺の仏殿に造られました。

高さは約15mあります。

正式なお名前は『銅造盧舎那仏坐像(どうぞう・るしゃなぶつざぞう)』で

“銅で造られた、お座りになっている盧舎那仏(るしゃなぶつ)”という

意味です。

『盧舎那仏』とは、宇宙の中心で、すべての世界を

知恵と慈悲で照らす、太陽のような仏さまのことです。

 

この当時、政治的な争いや、水不足からくる飢饉、地震、

さらに天然痘という病気の大流行など、

とっても苦しい時代だったそうです。

 

そこで聖武天皇は“仏教の力によって、すべての人々が心安らかに

暮らせる世の中になるように・・・“という思いから

大仏を造ることを決意されました。

 

そんな奈良の大仏さまですが、戦に巻き込まれて、

燃えてしまったことがありましたが、何度も修理されて

今のお姿となっています。

 

このように、聖武天皇の思いから誕生した奈良の大仏さまですが、

完成したあと、“魂を入れるための法要”が行われたのが、4月9日です。

やがて、この4月9日は『大仏の日』と呼ばれるようになりました。

 

 

私も東大寺の大仏さまを、実際に拝見したことがあるんですが、

まずその大きさに圧倒され、言葉を失いました。

静かな表情、すべてを包み込んでくれる大いなる存在感に、

涙が出そうになるんですネ。

きっと聖武天皇の“国民を守りたい、救いたい”という願いや祈りが、

今の時代も見る者、拝む者を

守ってくださっているんだろうなと思います。

 

 

4/6(水)  『鎌倉の大仏さま』

 

奈良・東大寺の大仏さまと並んで、

古くから知られているのが鎌倉の大仏さまです。

神奈川県鎌倉市にありますお寺、高徳院のご本尊、

阿弥陀如来坐像のことで、

高さは約11.3mあります。

 

この大仏さまですが、分からないことがたくさんあるそうです。

一説には、東大寺の大仏さまをお参りして感動した

鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝が

“鎌倉にも大仏を造ろう!”と計画したもの・・・といわれています。

ところが、その後、頼朝が亡くなってしまい、

その遺志が受け継がれていきますが、完成したのは

木造の大仏さまだったそうなんです。

 

その大仏さまが台風などで壊れてしまったため、1252年頃に

今度は銅を金でメッキした“金銅の大仏”が

造られるようになりましたが、これがいつ完成したのかが

ハッキリとは分からないそうです。

 

そんな鎌倉の大仏さまは屋外にいらっしゃいますが、

実はもともとは東大寺の大仏さまと同じように、

大仏殿の中にいらっしゃったそうなんですネ。

ところが台風や大きな津波によって、大仏殿が壊れてしまい、

15世紀の終わり頃には現在のような屋外になった・・・と

考えられるそうです。

それでも境内に残る石などから、当時の大仏殿の大きさは

想像できるそうです。

 

 

こちらもとっても有名ですよネ。

大仏殿がないからか、遠くからでもそのお姿を拝見できますよネ。

誰がいつ、どういう思いで・・・ということがハッキリと分かっていなくても、

我々ちっぽけな存在の人間が

守護していただけるように、願い込めて造られたということは

ハッキリ分かりますよネ。

 

 

4/7(木)  『牛久大仏』

 

牛久大仏は茨城県牛久市にあります、

青銅(ブロンズ)でできた大仏さまです。

正式には『牛久阿弥陀大仏』といいます。

 

1993年(平成5年)に完成し、高さは120mもあります。

そのためギネス世界記録には

『世界一の大きさのブロンズ製の仏像』として登録されています。

 

この高さには由来がありまして、

阿弥陀如来さまがあらゆるものを照らすために放たれる

“12の光”の“12”という数字にちなんで、120mになったそうです。

この高さはアメリカ・ニューヨークの『自由の女神像』の約3倍、

奈良・東大寺の大仏さまの約8倍にもなるそうです。

 

大仏さまの中に入ると地上85mのところに展望台があって、

そこから外の景色をながめることができます。

お天気次第では、スカイツリーや富士山が見えることもあるそうです。

 

この牛久に大仏さまが建てられた理由ですが、

浄土真宗を開いたとされる親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、

関東で仏教の教えを広める際、拠点とされたのが現在の茨城県でした。

 

そうした経緯から、茨城県には親鸞聖人ゆかりのお寺などが

いくつもあって、そういったご縁もあって

茨城の牛久に大仏さまが建てられたのだそうです。

 

 

そんなに大きかったんですネ。

高速道路からよく見えるので、通るたびに

気持ちの中で手を合わせていますが、

青く光って立っていらっしゃるんですよ。

親鸞聖人さんにちなんで造られたんですネ。

ゆっくり一度、内部を拝見してきたいなと思います。

 

 

4/8(金)  『大仏さまの雑学』

 

大仏さまの頭には、ブツブツがありますよネ。

これは『螺髪(らほつ)』と呼ばれるもので、

如来像の髪の毛のことです。

また“お釈迦様が人間を超えた存在”であることを示す

1つの特徴とされています。

 

螺髪の『螺』とは巻貝のことで、

まさに髪の毛が巻貝のように、らせん状をしています。

巻貝は右巻きが圧倒的に多いため、

螺髪も一般に“右巻き”なのだそうです。

奈良・東大寺の大仏さまも螺髪は右巻きです。

 

ところが、鎌倉の大仏さまや名古屋の大仏さまのように、

螺髪が“左巻き”の大仏さまもいらっしゃいます。

でも、その理由は謎なんだそうです。

 

ちなみに、東大寺の大仏さまの螺髪の場合、

その1つの大きさは直径約22cm、高さ約21cm、

重さは約1.2キロもあるそうです。

 

そんな大仏さまの額の真ん中、眉間のあたりに

なにかホクロのような突起物、ありますよネ。

これは『白毫(びゃくごう)』といいます。

“白くて長い毛が右巻きに丸まってできたもの”で、これを伸ばすと

約4.5mにもなるそうです。

ここから光を放って、すべての世界を照らし、

悩み苦しむ人たちを救ってくれる・・・といわれています。

 

 

私たちはお稚児さんの時に、

同じ場所にホクロのように、点て描かれますよネ。

きっとこれは“仏様に守られる”ということなのでしょうかねぇ。

とにかく大仏さまは私たちを見守って導いてくださる、ありがたい存在ですネ。

 

 

■今週の感想 

 

私は大仏さまが好きで、何度もおそばで拝見しましたが、

いつもその大きさや存在感に圧倒されています。

その神々しいお姿を見ていると、

“こうやって私たちを守ってくださっているんだな”と思います。

 

今回ご紹介できたのは、大仏さまの中でもほんの一部で、

日本には本当にたくさんの大仏さまがいらっしゃいます。

それぞれ大きさもお姿もお顔も違いますから、

すべて見てみたいな・・・と思いました。

 

 

 

【お知らせ① 次週(4/11~)からのテーマ】

 

何かモノを切る時の必需品、『ハサミ』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/