スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.03.04

2022年2月28日(月)

この時期、大きなイベントの1つ『ひな祭り』についてです。

 

■今週(2/28~3/5)のテーマ:『ひな祭り』

 

2/28(月)  『ひな祭りとは』

 

そもそも『ひな祭り』とは何でしょうか?

正しくは5つある節句『五節句』の1つ、

『上巳(じょうし・じょうみ)の節句』のことをいいます。

 

上巳とは“三月初めの巳(み)の日”という意味です。

『巳の日』とは“十二支を12日ごとに割り振ったそのうちの1日“のことで、

12日に一度やってきます。

ですから同じ上巳でも、その年によって

日にちが変わってくるんですネ。

 

それがのちに三月三日に定まったため、

三月三日が上巳の節句となりました。

また、この頃は“桃のお花が咲く季節”ということで、

『桃の節句』という名前でも親しまれています。

 

今では三月三日は“上巳の節句”というよりも、

“ひな祭り”というイメージが定着していますよネ。

この上巳の節句は中国から伝わってきましたが、

本来は“災いや厄を祓い、無病息災を願う行事”のことだそうです。

 

それが平安時代に日本に伝わってから、日本の風習と結びついて

少しずつ変化していきます。

そして江戸時代になると、現在のようなひな祭りという

スタイルになった・・・と考えられるそうです。

 

 

へぇ~、もともとは厄払いや無病息災を願う行事だったのかぁ。

“女の子の節句”というイメージが強くて、

“女の子のお祭り”だと思ってました。

『お雛さまをしまうのが遅くなると、お嫁に行き遅れる』とか、

いろいろな言い伝えもありますよネ。

私は実家に、祖母が買ってくれた七段飾りのお雛さまが

飾ってあったなぁ~と思い出します。

雅な風習ですネ。

 

 

3/1(火)  『ひな人形の豆知識①』

 

ひな祭りは“子どもの成長を願うお祭り”で、

もともとは男の子・女の子は関係なかったそうなんですネ。

それがやがて“女の子の誕生をお祝いし、

健やかな成長と幸せを祈る行事”となったそうです。

 

そんなひな祭りに欠かせないひな人形ですが、ひな人形には

“身代わりとなって、厄を引き受ける効果がある”といわれています。

これは古くから日本に伝えられている

“草やワラ、紙などで作った人形に自分の罪や穢れを託して水に流す“という風習と

深く結びついているそうです。

 

そういったことから、ひな人形には“生まれた子供がすこやかで、

やさしい女性に育ちますように・・・“という

親御さんたちの願いが込められているそうです。

 

ひな人形といえば、童謡の『うれしいひなまつり』に

“♪お内裏さまとお雛さま”という歌詞がありますよネ。

そんなところから、“男性のひな人形”のことを『お内裏様』、

“女性のひな人形”のことを『お雛さま』と呼ぶものと思っている方、

いらっしゃるかと思いますが、実は間違いなんだそうです。

 

お内裏様とは“男女のひな人形が2つでひと組になった状態“を

指す言葉なんだそうです。

ですから、男性のおひな様のことは『男雛(おびな)』、

女性のおひな様のことは『女雛(めびな)』と呼ぶのが正しいそうです。

または『お殿様』、『お姫様』という呼び方でもイイそうです。

 

 

エーッ、男性のお人形はお内裏様・・・ではない。

ややっこしい歌詞ですネ。

♪お内裏さまとお雛さま、二人並んですまし顔・・・って

歌っているじゃないですかねぇ。

いや~、この歳になって初めて知ることって、

結構ありますよネ。

 

 

3/2(水)  『ひな人形の豆知識②』

 

男性のおひな様『男雛(おびな)』と、女性のおひな様『女雛(めびな)』は

それぞれ天皇陛下と皇后陛下のことを指しているそうです。

そしてひな人形は、両陛下の結婚式を表しているそうです。

そんなところから、ひな人形には“我が娘が両陛下のような

幸せな結婚ができますように・・・“という、親御さんたちの願いが

込められているんだそうです。

 

そんなひな人形ですが、関東と京都で作られる人形がありまして、

“関東で作られるひな人形”のことを『関東雛(かんとうびな)』、

そして“京都で作られるひな人形”のことを

『京雛(きょうびな・きょうひな)』といいます。

 

この2つの大きな違いが“男雛と女雛の位置”です

関東のひな人形は“右側(向かって左側)”に男雛を飾ります。

それに対して京都のひな人形は、関東とは逆で

“左側(向かって右側)”に男雛を飾ります。

 

この違いなんですが、古くから日本では中国文化の影響を受けて、

“右側と左側では左のほうが位は上”という考えが定着していました。

そのためひな人形も“左側(向かって右側)に男雛を飾る”というのが

主流だったんです。

 

ところが大正時代になって、海外の“右側のほうが位は上”という

考えを取り入れたことから、その風習が一般にも広まっていき、

そのためひな人形の置き方も関東を中心に、

それまでとは左右逆になった・・・と考えられているそうです。

 

 

そうなんですよねぇ。

京都に行った時、お雛さまが飾られていて、

何かどこかに違和感があるなぁ~と思ったら、

男女が逆だったんですねぇ。

 

 

3/3(木)  『ひな人形の段飾りの数』

 

現在、ひな人形の段飾りは3段、5段、7段の

3つ種類が主流となっているそうです。

いずれも奇数ですが、飾るお人形の人数も5人、7人、

15人と、こちらも奇数の場合が多いそうなんですネ。

 

実はこの数字は、古代中国で生まれた“自然哲学の思想”である

陰陽道(おんみょうどう)が深く関係しているそうです。

陰陽道では奇数を“縁起の良い数字”、

逆に偶数を“縁起が良くない数字”と位置付けています。

 

こうした“陰陽道の数字の考え”に習って、ひな人形の段の数も

3、5、7の奇数が多いそうなんですネ。

また3、5、7の3つの数字を足しますと15になりますが、

この数字も“縁起が良い”とされています。

 

そんな中、江戸時代の後半、8段飾りが登場しました。

8という数字は偶数ですから、陰陽道では“縁起の良くない数字”になりますが、

一般的には“末広がり”で、逆に“縁起の良い数字”とされていますよネ。

それでも現在のように、段飾りで奇数が主流となったのは、

陰陽道が関係していると考えられるそうです。

 

今ご紹介したことは、あくまでも“陰陽道の考え方”によるものですから、

実際には“偶数飾り”をされていらっしゃるご家庭の方は、

偶数だから縁起が良くない・・・ということは決してないそうですから

ご安心くださいネ。

 

 

何段でも親御さんたちの愛が詰まったものであれば、

その子は幸せになれますよネ。

3月になるとだんだん春めいてきて、日差しも暖かくお花もキレイで、

気分的に明るくなってきますよネ。

そんな時の桃の節句。

雅で美しく愛らしく、素敵な風習があって幸せですネ。

 

 

3/4(金)  『ひな人形にまつわる言い伝え』

 

『3月3日のひな祭りが終わったら

ひな人形を早く片付けないと、結婚が遅れる』という言い伝え、

聞かれたことあるかと思います。

でも、これって“根拠のない迷信”なんだそうです。

 

では何故、このような言い伝えが広まっているのでしょうか?

実はこれは“お子さんにひな人形を自分でしまえるようになってほしい”

つまり、“大切なものをキチンと片付けられるような大人に

成長してほしい“という、親御さんの思いからきたものだと

考えられているそうです。

 

“ひな人形を片付けること”を“お掃除やお片付け”、

つまり“家事”として教えて、お子さんをしつけることが

そもそもの目的なんだそうなんです。

ですから、本来は“しつけ”の意味で

言われるようになったものだそうです。

 

また“いついつまで片付ける”といったような期限もないそうで、

それでも地域によっては片付ける時期が決まっているところも

あるそうです。

例えば“『啓蟄(けいちつ)』から『春のお彼岸』まで”です。

啓蟄とは“寒さが緩んで、虫たちが土の中から出てくる季節”のことで、

今年の啓蟄は3月5日で、春のお彼岸は3月18日から24日です。

 

 

“結婚が遅れる言い伝え”っていうのは他にもあって、

『ウエディングドレスや白無垢などを、婚前に着ると婚期を逃す』とか

『北海道の摩周湖がキレイに見えると結婚できない』とか、

誰が決めたのか分からない言い伝えがありますよネ。

・・・話はそれましたけど、ひな祭りの片づけのお話は迷信で良かったです。

 

 

■今週の感想 

 

小さい頃から毎年、この時期になるとお雛さまを見ていたのに、

お雛さまやひな祭りについて知らないことや、

勘違いしていたことがいくつもあって、とても勉強になりました。

 

リスナーの方の中にも“エッ!そうなの?”と思われた方が

結構いらっしゃったそうで、私だけじゃなかったんだなぁ~と思いました。

こういった風習は、いつまでも大切に守っていきたいですネ。

 

追伸:

金曜日の放送の最後に

『北海道の摩周湖がキレイに見えると結婚できない』という

言い伝えをお話しましたが、

『霧が晴れた摩周湖を見ると婚期が遅れる』といったように、

摩周湖にはいろいろな説があるそうなんです。

でもこれはまったくの都市伝説、迷信ですから、ご安心ください。

 

 

【お知らせ① 次週(3/7~)からのテーマ】

 

今年もこの季節になりました。『卒業』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/