節分にも登場しますが、一体何者なのでしょうか?
『鬼』についてです。
■今週(1/31~2/4)のテーマ:『鬼』
1/31(月) 『鬼とは』
そもそも『鬼』とは一体何でしょうか?
一般的には人に危害を加えたり、災いをもたらしたりする怖い存在で、
“悪”のイメージが強いかと思います。
その一方で、人を助けたり、幸せをもたらす存在、
あるいは“神様の化身”という見方もあるそうなんです。
このように鬼については、古くから様々な解釈や定義があります。
例えば、京都府福知山市にあります
“日本や世界の鬼のことが分かる”という
『日本の鬼の交流博物館』では、こう説明されています。
『昔から鬼は、人間の“災い”と“幸せ”を支配する、
“祀られざる祖先の霊”と考えられていました。
大昔、人々の生活は本当に大変なものでした。
自然の猛威を始め、いろいろな不幸や不運が続いた時、
人々はそれを“何ものかの仕業”と考え、
自分たちの生活を支配する“魔なるもの・魔物”の存在を
信じたとしても無理もありません。
こうした魔物が、鬼のもとの姿であったのではないか?と
考えられています。
また、鬼は“悪の象徴”と捉えられていますが、
“神として祀られる鬼”は全国各地にありますし、
“民衆に福をもたらす鬼”もたくさんいます』。
桃太郎とか一寸法師とか、昔話によく鬼が出てきて、
何となく“悪いヤツ”、“怖いもの”と思っていますが、
神様にもなっているんですよネ。
日本では『鬼』と呼び、
西洋では『悪魔・デビル』といったものなのでしょうかネ。
そこを知ってから今年は豆まきしたいですネ。
2/1(火) 『鬼の豆知識①』
中国では鬼は“亡くなった人の魂そのもの”で、
“姿かたちのないもの”とされていたそうです。
日本もこの影響を受けて、当初は“姿の見えないもの”として伝わり
さらに“死への恐怖や恐れ”から“鬼は怖いもの”
“人に悪さをするもの”というイメージがついたと考えられています。
また、一般的な鬼のイメージである
“ツノやキバを生やした恐ろしい姿”は
仏教に登場する鬼が由来とされています。
例えば餓鬼や、地獄にいる青鬼・赤鬼などです。
そんな鬼ですが、『鬼』という漢字は
“大きな丸い頭をした亡霊”のことを描いた
象形文字からできた文字・・・とされています。
象形文字とは、物の見たままの様子や、具体的な物の形を
かたどって作った文字のことです。
こうして誕生した『鬼』という漢字を
『おに』と読むようになったのは、『隠(おん・おぬ)』という言葉が
変化して、『おに』になったとされています。
『隠』という字は“隠れる”と書きますが、
つまり“隠れて人の目に見えないもの”
“姿かたちを隠している存在”という意味で、
『鬼(おに)』と呼ぶようになった・・・という説があります。
いろんな解釈がありそうですが、
中国では亡くなった人の魂のことをそう呼ぶんですネ。
確かに『魂』という漢字と『鬼』は似てますよネ。
『鬼』という言葉が入ることわざって、案外多いなと思ったんですが、
『鬼の目にも涙』、『鬼の居ぬ間に洗濯』、『鬼に金棒』、
『鬼が笑う』、『鬼の首を取ったように』、『心を鬼にする』。
鬼は私達の暮らしに密着した存在なんだなぁって、改めて思います。
2/2(水) 『鬼の豆知識②』
『鬼門』という言葉がありますよネ。
これは『北東』の方角のことをいいます。
古代中国から伝わった考え方なんですが、
“邪気である鬼が出入りする方角”を意味しています。
そんな鬼門の対極にある『南西』の方角のことを、
『裏鬼門』といいます。
その年の干支を表す十二支ですが、
方角を表す際にも使われているんですネ。
それにあてはめますと、鬼門は丑(うし)と寅(とら)の間、
『丑寅(うしとら)』の方角になります。
実は鬼のツノは丑寅の牛、鬼の牙や爪、トラ柄のパンツは、
丑寅の虎を表しているそうです。
それに対して裏鬼門は、十二支では未(ひつじ)と申(さる)の間、
『坤(ひつじさる)』の方角になります。
そして、申の方角から時計回りに進んで行くと、
猿の次は鳥、その次が犬になりますよネ。
これは桃太郎が鬼退治に行く時のお供の動物たちなんです。
実は、鬼がいる鬼ヶ島は鬼門の方角にあって、
そこにいる鬼を退治するには、裏鬼門にいるものたちの力が
必要ということで、この3匹が選ばれたそうなんです。
ちなみに未(羊・ひつじ)が選ばれなかったのは、一説には
羊のツノが鬼のツノに通じるから・・・だそうです。
なるほどねえ。鬼門と裏鬼門では相殺するんですネ。
でも桃太郎の物語を、何となく“ふ~ん、そうなんだ”と
思ってたんですけども、十二支から取ったお供になった動物たちが
イヌ・サル・キジになったんですネ。
面白いですよネ。こうやって物語を感じると。
2/3(木) 『鬼と豆まき』
昔は病気や災害といった災いはすべて、
鬼の仕業と考えられていました。
同時に鬼とは、人の心の中にある邪気のことを指していました。
節分には『季節を分ける』とか
『季節の変わり目』といった意味があります。
そして古くから“季節の変わり目には鬼が出てくる”と
考えられているそうです。
そうやって出てきた鬼を追い出して、無病息災を願う儀式として
始まったのが、節分の豆まきです。
『鬼は外!』の掛け声で鬼を追い出し、『福は内!』の掛け声で
この1年を無事に過ごせることを願います
但し、例外もあるんですって。
例えば埼玉県嵐山町(らんざんまち)にあります、
鬼鎮神社(きぢんじんじゃ)の節分の豆まきです。
こちらは全国でも数少ない“鬼を大切に祀っている神社”の1つで、
豆まきの掛け声が他とは違うんです。
どんな風に違うかと言いますと、
『福は内、鬼は内、悪魔外(あくま・そと)』なんですって。
さらに、赤鬼と青鬼も一緒に豆をまくんですって。
こちらの神社では、“強さの象徴”である鬼は“勝利の神様”であって、
また“自分の心を強くしてくれる神様”でもあるそうです。
へぇ~、珍しいですよネ。
“福も内、鬼も内、悪魔よ出ていけ~!”
なるほど、そういうのも素敵ですよネ。
鬼はもしかすると、私たちの内側から生まれてくるもので、
鬼を鎮めるのは私たちの心がけなのかもしれませんよネ。
今夜は豆まきをして、内側から整えたいと思います。
皆さんもご帰宅なさったら、豆まきやりましょうネ。
2/4(金) 『鬼の色』
鬼の色と聞いて『赤』や『青』をイメージされる方、
いらっしゃるかと思います。
実は鬼の色は全部で5つに分けられ、
それぞれ仏教の5つの煩悩と関係しているといわれています。
煩悩とは悟りを開く道を妨げる、人の心に住む邪念のようなもので、
全部で108つあるといわれています。
その中でも特に修業を妨げるとされる5つの煩悩が、
それぞれの鬼の色にあてはめられているんだそうです。
例えば『赤鬼』の赤い色は“非常に欲が深い”、“強欲”、
“物への執着”などを表しています。
『青鬼』の青い色は“怒り”や“憎しみ”、“恨み”といった
人間の憎悪の感情を表しています。
『黄色』または『白』の鬼の色は、“平常心を失った状態”や
“心の動揺”、“後悔”などを表しています。
『緑の鬼』の色は、“やる気・気力がない”、“ダラダラする”、
“怠ける”、“不摂生”などを表しています。
そして、『黒い鬼』の色は、“疑惑”や“疑いの心”を表しています。
『疑心暗鬼』という言葉がありますが、まさにその象徴です。
このように鬼の色が表している煩悩ですが、
実はいずれも私たちに馴染みのあるものばかりなんです。
そっかぁ~。
私は動揺しやすいので、黄色や白の鬼さんが出やすいのかなぁ。
旧暦では今日から新年ですネ。
自分の中の鬼と向き合って、悟りの道へ進みたいものです。
■今週の感想
子どもの頃から昔話で、鬼=悪者って思ってましたが、
必ずしもそうじゃないんだということが分かりました。
“人に悪さをする、目に見えない何か”を“鬼”とするならば、
この新型コロナウイルスも、鬼のひとつなのかもしれませんネ。
心の中にある悪い心が、鬼となって現れる・・・なんてことも
聞いたことがあります。
悪い鬼が出てこないように心がけたいものです。
暦の上では春になりましたが、寒い日が続きます。
どうぞ皆さま、体調を崩されませんように・・・。
【お知らせ① 次週(2/7~)からのテーマ】
普通のパンとは何が違うの?
『ベーグル』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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