スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.02.11

2022年2月7日(月)

専門店では行列ができていますネ。『ベーグル』についてです。

 

■今週(2/7~2/11)のテーマ:『ベーグル』

 

2/7(月)  『ベーグルとは』

 

ベーグルを辞書で調べますと、『ドーナツ型のパン。

発酵させた生地を軽くゆでてから焼き上げる』とあります。

この“軽くゆでてから焼き上げる”というのが、

ベーグルと他のパンとの大きな違いです。

 

一般的なパンの場合、発酵したパン生地を

そのまま焼き上げて作りますが、ベーグルの場合は

発酵した生地をいったん茹でてから焼き上げています。

この“発酵した生地を茹でること”を『ケトリング』といいます。

 

焼く前に生地を茹でることで生地が膨張していきますが、

その生地を焼くとズッシリとした、

あの弾力のある歯ごたえになるそうです。

 

また茹でることで、生地の中のデンプンが変化し、

ベーグル特有のふっくらしたモチモチした食感になるそうです。

 

茹でる時にはいくつかポイントがありまして、

例えば“お湯の温度”です。

沸騰している状態で茹でると生地の表面が荒れてしまうので、

85℃から90℃がベストだそうです。

 

“茹でる時間”も大事で、目安は“片面30秒程度”。

そして茹で上ったら素早くオーブンに入れて、200℃以上の高温で

しっかり焼くことで、ベーグルが出来上がります

 

 

私が初めてベーグルを知ったのは、今から25年くらい前、

ニューヨークでした。

駅の近くにベーグル屋さんが建っていて、

通勤途中の人が買ってる姿をよく見かけたんですネ。

マネして買ってみたら・・・あんまり美味しくなくて(汗)。

“ん~、こういうのアメリカ人って好きなんだな”と思っていましたが、

いよいよ日本にも上陸して、日に日に美味しくなり、

今では日本でもおなじみの食材になってきましたよネ。

懐かしい光景を思い出しました。

 

 

2/8(火)  『ベーグルの豆知識①』

 

ベーグルは発酵させた生地を、一度茹でてから焼き上げます。

これが一般のパンとの大きな違いですが、もう1つ、

大きな違いとして材料があります。

一般のパンの場合、バターやミルク、卵を使うことが多いですが、

ベーグルの場合、使いません。

 

ベーグルの主な材料は強力粉と水、パン酵母のイースト、

お塩、お砂糖です。

同じお砂糖でも、きび砂糖が使われることが多いそうです。

きび砂糖は薄茶色をしたお砂糖で、

精製された真っ白な白砂糖よりも、

カルシウムやカリウムといったミネラルが多く含まれています。

きび砂糖を使うと、焼き上がりの具合が

プリッとツヤツヤになるそうなんです。

 

このようにベーグルは、一般のパンと比べて脂肪分が少ないことから、

ヘルシーといわれています。

また卵を使っていませんので、卵アレルギーの方も

安心していただくことができるそうです。

 

私の地元・茨城県常総市にも、無添加のベーグルを作っているお店が

ありまして・・・

こちらはアレルギーを持つお子さんのために、

ご両親の愛情で作られたベーグルなんですネ。

 

このベーグルは、そのままでもモチモチして十分美味しいのですが、

トースターで焼くとさらに美味しさがアップするんです。

チーズなどを挟んだり、マーマレードなどをつけても美味しいんですよ。

 

私もこのベーグルが好きで、冷凍保存して好きな時にチンして

食べてるんですネ。

そんな無添加のベーグルの生地には、玄米とかホウレンソウ、

それからニンジン、無農薬のレンコンなどが練り込まれていて、

野菜嫌いのお子さんにも喜んで食べていただけるんですネ。

 

でも、ベーグルってどんどん進化していますネ。

馴染みのない方でも一度召し上がってみてくださいネ。

 

 

2/9(水)  『ベーグルの豆知識②』

 

ベーグルを茹でる時にお湯を使いますが、その際にお砂糖などの

糖分を加えることが多いそうです。

これは糖分が熱せられるとカラメル化することによって、

ベーグルをキレイな色ツヤにしてくれるんだそうです。

 

同じ糖分でも『モラセス』を使うと、さらに焼き色がしっかり付いて

ツヤツヤに仕上がるそうなんですネ。

このモラセスとは、お砂糖を精製する時に出るいわば副産物で、

黒くてドロッとしたシロップです。

『糖蜜』とも呼ばれています。

但し、モラセスには独特の風味がありますので、人によっては

好みが分かれるかもしれないそうです。

 

そのためモラセスの代わりに、白砂糖やハチミツを使う方も

いらっしゃるそうですが、モラセスを使わなくても

適度な焼き色とツヤに仕上がるそうです。

 

そんなベーグルですが、この名前の語源には諸説あります。

その1つがドイツ語の『buegel(ビューゲル)』を語源とする説です。

ビューゲルとは馬の鐙(あぶみ)のことで、

馬に乗り降りする時や乗っている時に足を掛けるための用具です。

馬の体の左右の外側に吊るして使います。

    

その形からビューゲルと呼ばれていたものが、

ドイツ語の方言で『リング』や『ブレスレット』を意味する

『Bagel(ベーグル)』になった・・・といわれています。

 

 

なるほどネ~。

“ドイツ語が語源”といわれたら納得ですネ。

確かにリングとかブレスレットとか、そういう形をしてますよネ。

でも、何で真ん中に穴を開けたんですかネ?

意味がありそうだなぁ~と思って調べたら、

単純に“火の通りを良くするため”なんですって。

なるほど。いろいろ知らないことってありますよネ。

 

 

2/10(木) 『ベーグルの歴史①』

 

ベーグルの発祥には諸説あります。

その1つに、14世紀頃に書かれたポーランドの文献に

『リング型のパン』と書かれてあったそうです。

そのパンの名前は『オブヴァジャネック』といいますが、

“一度茹でてから焼いたパン”という意味なんだそうです。

これって、ベーグルと同じ作り方ですよネ。

 

このオブヴァジャネックを作ったのは、

“中世の時代にポーランドに移り住んだユダヤ人です“と

伝えられています。

そういったところから、

“ベーグルの発祥は14世紀のポーランド”という説があります。

 

このオブヴァジャネックは、現在もポーランドの南部の都市、

クラクフなどで食べられているそうです。

 

他の説として、17世紀、オーストリアがオスマン帝国によって

侵略の危機に見舞われた時、ポーランドの援助によって

その危機を脱することができました。

そのお礼としてオーストリアのパン職人がベーグルを作って、

ポーランドに贈ったとする説です。

 

その際、ポーランドの騎馬隊のシンボル、

さらにポーランドの国王が馬好きということもあって、

馬に乗り降りしたり、乗っている時に使う馬の鐙(あぶみ)を

イメージしたものが作られた・・・といわれています。

 

昨日(2/10)ご紹介した“ベーグルの語源”に、

馬の鐙のことが出てきましたネ。

 

リング型のパン、馬の鐙・・・

どうやらベーグルが作られた背景には、

このキーワードが含まれていますネ。

“一度茹でる”、この作り方もおもしろいですよネ。

茹でることによって、あのモチモチとした食感になる。

最初に考えた人はホント、すごいですネ。

 

 

2/11(金)  『ベーグルの歴史②』

 

ポーランドやオーストリアなどを発祥とするベーグルですが、

その原型を作ったとされるユダヤの方々が

世界各地に移住するとともに、ベーグルが広まったとされています。

特にアメリカでは、ニューヨークを中心に広まったことから、

逆にアメリカが“ベーグルの発祥”といわれるほど浸透したそうです。

 

そんなベーグルが日本に伝わったのは、

1980年代前半といわれています。

当時、ジャーナリストだったライル・フォックスさんが、

まだ日本にはベーグルがなかったので、試行錯誤の末、

ベーグルを作り始め、ついには東京・広尾にベーグルのお店

『Fox Bagels(フォックス・ベーグルズ)』をオープンしました。

 

そうなると日本にベーグルが上陸したのは、

およそ40年前ということになりますよネ。

でも私たちがベーグルを認識したのって、

もっと後だと思いませんか?

 

実際、ベーグルが今のように認識され始めたのは、

1990年代の終わり頃といわれています。

 

その数年前から日本では“健康”に対して

関心が向けられるようになり、健康ブームが起こりました。

そんな中、特に“ニューヨーカー注目の食べ物”として、

ベーグルのヘルシーさにスポットがあてられ、

日本でもベーグルの人気が高まったといわれています。

 

 

私が若い頃には本当にベーグル無かったんですよネ。

だから“アメリカの食べ物”とばかり思っていたんですが、

もう今では街角にベーグル屋さんが結構できていて、

皆さんの普段の食事の中に入ってますよネ。

昔はちょっとパサパサしてたりとかしてたんですけど、

今はもうもっちり、しっとりとホントに美味しく進化してますよネ。

またベーグル食べてみたいなと思います。

 

 

■今週の感想 

 

以前、この番組のスタッフの方々に、

あるお店で買ったベーグルを差し上げたことがあるんです。

甘くない塩味タイプのベーグルだったんですけど、

すごく美味しい!って言ってくださったんですネ。

 

そしていろいろベーグルについてお話しているうちに、

“ベーグルって、どこの国が発祥なんでしょうかねぇ?”

“私、昔ニューヨークで食べたことあるんですけど、

 やっぱりニューヨーク?”

“どうも違うみたいですよ”・・・ということになって、

“じゃあ、次回のテーマをベーグルにしません?”ってなったんです(笑)

そしたら知らないことばかりでした(汗)

 

番組でもお話しましたが、私が昔食べたベーグルって、

パサパサしてたんですネ。

今はもうもっちり&しっとりしていて、すごく美味しくなってますけど、

リスナーの方からも

『そうそう!日本で出始めのベーグルは飲み物なしでは食べられなかったw』など

感想をいただきました。

 

ベーグルの世界、奥深いですネ。

 

 

【お知らせ① 次週(2/14~)からのテーマ】

 

日頃の生活や公共の場、さらに特別な場の時に

身に着けておくべきもの、『マナーや作法』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/