スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.02.04

2022年1月31日(月)

節分にも登場しますが、一体何者なのでしょうか?

『鬼』についてです。

 

■今週(1/31~2/4)のテーマ:『鬼』

 

1/31(月)  『鬼とは』

 

そもそも『鬼』とは一体何でしょうか?

一般的には人に危害を加えたり、災いをもたらしたりする怖い存在で、

“悪”のイメージが強いかと思います。

その一方で、人を助けたり、幸せをもたらす存在、

あるいは“神様の化身”という見方もあるそうなんです。

 

このように鬼については、古くから様々な解釈や定義があります。

例えば、京都府福知山市にあります

“日本や世界の鬼のことが分かる”という

『日本の鬼の交流博物館』では、こう説明されています。

 

『昔から鬼は、人間の“災い”と“幸せ”を支配する、

“祀られざる祖先の霊”と考えられていました。

大昔、人々の生活は本当に大変なものでした。

自然の猛威を始め、いろいろな不幸や不運が続いた時、

人々はそれを“何ものかの仕業”と考え、

自分たちの生活を支配する“魔なるもの・魔物”の存在を

信じたとしても無理もありません。

こうした魔物が、鬼のもとの姿であったのではないか?と

考えられています。

また、鬼は“悪の象徴”と捉えられていますが、

“神として祀られる鬼”は全国各地にありますし、

“民衆に福をもたらす鬼”もたくさんいます』。

 

 

桃太郎とか一寸法師とか、昔話によく鬼が出てきて、

何となく“悪いヤツ”、“怖いもの”と思っていますが、

神様にもなっているんですよネ。

日本では『鬼』と呼び、

西洋では『悪魔・デビル』といったものなのでしょうかネ。

そこを知ってから今年は豆まきしたいですネ。

 

 

2/1(火)  『鬼の豆知識①』

 

中国では鬼は“亡くなった人の魂そのもの”で、

“姿かたちのないもの”とされていたそうです。

日本もこの影響を受けて、当初は“姿の見えないもの”として伝わり

さらに“死への恐怖や恐れ”から“鬼は怖いもの”

“人に悪さをするもの”というイメージがついたと考えられています。

 

また、一般的な鬼のイメージである

“ツノやキバを生やした恐ろしい姿”は

仏教に登場する鬼が由来とされています。

例えば餓鬼や、地獄にいる青鬼・赤鬼などです。

 

そんな鬼ですが、『鬼』という漢字は

“大きな丸い頭をした亡霊”のことを描いた

象形文字からできた文字・・・とされています。

象形文字とは、物の見たままの様子や、具体的な物の形を

かたどって作った文字のことです。

 

こうして誕生した『鬼』という漢字を

『おに』と読むようになったのは、『隠(おん・おぬ)』という言葉が

変化して、『おに』になったとされています。

 

『隠』という字は“隠れる”と書きますが、

つまり“隠れて人の目に見えないもの”

“姿かたちを隠している存在”という意味で、

『鬼(おに)』と呼ぶようになった・・・という説があります。

 

 

いろんな解釈がありそうですが、

中国では亡くなった人の魂のことをそう呼ぶんですネ。

確かに『魂』という漢字と『鬼』は似てますよネ。

『鬼』という言葉が入ることわざって、案外多いなと思ったんですが、

『鬼の目にも涙』、『鬼の居ぬ間に洗濯』、『鬼に金棒』、

『鬼が笑う』、『鬼の首を取ったように』、『心を鬼にする』。

鬼は私達の暮らしに密着した存在なんだなぁって、改めて思います。

 

 

2/2(水)  『鬼の豆知識②』

 

『鬼門』という言葉がありますよネ。

これは『北東』の方角のことをいいます。

古代中国から伝わった考え方なんですが、

“邪気である鬼が出入りする方角”を意味しています。

 

そんな鬼門の対極にある『南西』の方角のことを、

『裏鬼門』といいます。

 

その年の干支を表す十二支ですが、

方角を表す際にも使われているんですネ。

それにあてはめますと、鬼門は丑(うし)と寅(とら)の間、

『丑寅(うしとら)』の方角になります。

実は鬼のツノは丑寅の牛、鬼の牙や爪、トラ柄のパンツは、

丑寅の虎を表しているそうです。

 

それに対して裏鬼門は、十二支では未(ひつじ)と申(さる)の間、

『坤(ひつじさる)』の方角になります。

そして、申の方角から時計回りに進んで行くと、

猿の次は鳥、その次が犬になりますよネ。

これは桃太郎が鬼退治に行く時のお供の動物たちなんです。

 

実は、鬼がいる鬼ヶ島は鬼門の方角にあって、

そこにいる鬼を退治するには、裏鬼門にいるものたちの力が

必要ということで、この3匹が選ばれたそうなんです。

 

ちなみに未(羊・ひつじ)が選ばれなかったのは、一説には

羊のツノが鬼のツノに通じるから・・・だそうです。

    

 

なるほどねえ。鬼門と裏鬼門では相殺するんですネ。

でも桃太郎の物語を、何となく“ふ~ん、そうなんだ”と

思ってたんですけども、十二支から取ったお供になった動物たちが

イヌ・サル・キジになったんですネ。

面白いですよネ。こうやって物語を感じると。

 

 

 

2/3(木)  『鬼と豆まき』

 

昔は病気や災害といった災いはすべて、

鬼の仕業と考えられていました。

同時に鬼とは、人の心の中にある邪気のことを指していました。

 

節分には『季節を分ける』とか

『季節の変わり目』といった意味があります。

そして古くから“季節の変わり目には鬼が出てくる”と

考えられているそうです。

 

そうやって出てきた鬼を追い出して、無病息災を願う儀式として

始まったのが、節分の豆まきです。

『鬼は外!』の掛け声で鬼を追い出し、『福は内!』の掛け声で

この1年を無事に過ごせることを願います

 

但し、例外もあるんですって。

例えば埼玉県嵐山町(らんざんまち)にあります、

鬼鎮神社(きぢんじんじゃ)の節分の豆まきです。

こちらは全国でも数少ない“鬼を大切に祀っている神社”の1つで、

豆まきの掛け声が他とは違うんです。

 

どんな風に違うかと言いますと、

『福は内、鬼は内、悪魔外(あくま・そと)』なんですって。

さらに、赤鬼と青鬼も一緒に豆をまくんですって。

 

こちらの神社では、“強さの象徴”である鬼は“勝利の神様”であって、

また“自分の心を強くしてくれる神様”でもあるそうです。

 

 

へぇ~、珍しいですよネ。

“福も内、鬼も内、悪魔よ出ていけ~!”

なるほど、そういうのも素敵ですよネ。

鬼はもしかすると、私たちの内側から生まれてくるもので、

鬼を鎮めるのは私たちの心がけなのかもしれませんよネ。

今夜は豆まきをして、内側から整えたいと思います。

皆さんもご帰宅なさったら、豆まきやりましょうネ。

 

 

2/4(金)  『鬼の色』

 

鬼の色と聞いて『赤』や『青』をイメージされる方、

いらっしゃるかと思います。

実は鬼の色は全部で5つに分けられ、

それぞれ仏教の5つの煩悩と関係しているといわれています。

 

煩悩とは悟りを開く道を妨げる、人の心に住む邪念のようなもので、

全部で108つあるといわれています。

その中でも特に修業を妨げるとされる5つの煩悩が、

それぞれの鬼の色にあてはめられているんだそうです。

 

例えば『赤鬼』の赤い色は“非常に欲が深い”、“強欲”、

“物への執着”などを表しています。

 

『青鬼』の青い色は“怒り”や“憎しみ”、“恨み”といった

人間の憎悪の感情を表しています。

 

『黄色』または『白』の鬼の色は、“平常心を失った状態”や

“心の動揺”、“後悔”などを表しています。

 

『緑の鬼』の色は、“やる気・気力がない”、“ダラダラする”、

“怠ける”、“不摂生”などを表しています。

 

そして、『黒い鬼』の色は、“疑惑”や“疑いの心”を表しています。

『疑心暗鬼』という言葉がありますが、まさにその象徴です。

 

このように鬼の色が表している煩悩ですが、

実はいずれも私たちに馴染みのあるものばかりなんです。

 

 

そっかぁ~。

私は動揺しやすいので、黄色や白の鬼さんが出やすいのかなぁ。

旧暦では今日から新年ですネ。

自分の中の鬼と向き合って、悟りの道へ進みたいものです。

 

 

■今週の感想 

 

子どもの頃から昔話で、鬼=悪者って思ってましたが、

必ずしもそうじゃないんだということが分かりました。

“人に悪さをする、目に見えない何か”を“鬼”とするならば、

この新型コロナウイルスも、鬼のひとつなのかもしれませんネ。

 

心の中にある悪い心が、鬼となって現れる・・・なんてことも

聞いたことがあります。

悪い鬼が出てこないように心がけたいものです。

 

暦の上では春になりましたが、寒い日が続きます。

どうぞ皆さま、体調を崩されませんように・・・。

    

 

【お知らせ① 次週(2/7~)からのテーマ】

 

普通のパンとは何が違うの?

『ベーグル』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/