冬の味覚の代表の1つ、『カニ』についてです。
■今週(11/8~11/12)のテーマ:『カニ』
11/8(月) 『ズワイガニ』
ズワイガニの漁は毎年11月6日に解禁されます。
ですから今年もズワイガニの漁のシーズンになりましたネ。
これから先、約5ヶ月にわたってズワイガニの漁が続きます。
ズワイガニは水揚げされる場所や、オス・メスの違いによって、
一般的に呼ばれる名前が変わってくるんですって。
例えば、同じオスのズワイガニでも福井県では『越前ガニ』、
京都や兵庫、鳥取では『松葉ガニ』、
石川県では『加能(かのう)ガニ』と呼ばれます。
また同じ京都の松葉ガニでも、水揚げされた港によって、
さらに別の名前で呼ばれているんですって。
例えば、京丹後市の間人港(たいざこう)で水揚げされた松葉ガニは
『間人(たいざ)ガニ』といいます。
また、舞鶴市(まいづるし)にあります舞鶴港で
水揚げされた松葉ガニは『舞鶴かに』といいます。
そして同じズワイガニでもメスの場合、さらに呼び名が
変わってくるんですって。
例えば、石川県ではメスのズワイガニは『コウバコ(香箱)ガニ』、
福井や京都、兵庫、鳥取では『セコガニ』と呼ばれています。
さらに同じ京都でも『コッペ』と呼ぶところもあれば、
同じ鳥取でも『オヤガニ』と呼ぶところもあるそうです。
同じズワイガニでもこんなに呼び名があって、
その地方、地方によってカニは大切にされているんですよネ。
立冬を迎えて、カニの季節がやってきました!
日本海側の土地を、この季節に旅するのが大好きなんですけども、
熱燗飲んでカニ食べて・・・最高ですよネ。
11/9(火) 『ベニズワイガニ』
ズワイガニの仲間に『ベニズワイガニ』がいます。
そのためズワイガニのことを『本ズワイガニ』と呼んで、
ベニズワイガニと区別しているところもあるそうです。
一般的なズワイガニの場合、熱を加えると赤くなりますが、
ベニズワイガニは最初から赤いため、“紅色のカニ”で
『ベニズワイガニ』と呼ばれています。
見た目以外にもいろいろ違いがありまして、
例えば本ズワイガニの漁の解禁は11月6日ですが、
ベニズワイガニは9月1日です。
また本ズワイガニが生息しているのは、
水の深さが70mから500m付近といわれていますが、
ベニズワイガニはそれよりも深いところ、
400mから2000m付近といわれています。
さらに、同じベニズワイガニでも兵庫県の香住港(かすみこう)で
水揚げされたものは、『香住ガニ』と呼ばれています。
ベニズワイガニは本ズワイガニと比べると、
身の部分が少ないんですが、水揚げされる量が多いため、
その分、お値段は本ズワイガニよりもリーズナブルなんですネ。
またベニズワイガニは、そのまま茹でていただく以外に、
カニ寿司やカニコロッケなどにも使われています。
本ズワイガニとベニズワイガニの違いなんて考えたこともなかったですけど、
生息している場所が違うんですネ。
カニのお寿司もカニクリームコロッケとかも美味しいですよネ。
でも最初にカニを食べた人って、すごいと思いません?
あのカニの風貌、硬そうなものをどうして食べようと思ったのか、
すごい勇気だなぁ~。
まっ、それを言うと魚介類はすべてそうですよネ。
11/10(水) 『タラバガニ』
タラバガニは、その大きさや食べ応えなどから、
“カニの王様”と呼ばれています。
英語でも“王様のカニ”で『キングクラブ』といいます。
大きいものになると両脚を広げた時、1m以上にもなります。
『タラバガニ』という名前ですが、オホーツク海など、
お魚のタラが獲れる場所、つまり“タラバ(鱈場)”に生息していることから、
この名前が付いたとされています。
そんなタラバガニですが、実は『カニ』ではなく、
『ヤドカリ』の仲間なんですって。
それでも見た目がカニに似ていることから、
一般に『カニ』として扱われているんだそうです。
ズワイガニなど、カニの仲間とタラバガニを見比べた時、
脚の本数が違うことにお気づきでしょうか?
ズワイガニなどカニの場合、ハサミと脚の部分、
左右それぞれ合わせると全部で10本あります。
それに対してタラバガニの場合は8本なんですネ。
これは脚の数が2本少ないからなんです。
但し正確には、タラバガニの脚もズワイガニと同じように
左右に4本ずつあるんだそうです。
実は残りの2本は、甲羅の中に隠れてしまっているので、
見えないですって。
そのためハサミを入れて、全部で8本になるんだそうです。
知らないことばっかり。
タラバガニってヤドカリなんですネ。
タラバガニとズワイガニの絵を見ると、
確かに見た目にも脚の付き方が違いますネ。
ズワイガニは横歩きをしそうな、真横に脚がついているんですけど、
タラバガニは前に向かって歩いていきそうな脚のつき方をしています。
今朝もまた1つ勉強になりました。
11/11(木) 『タラバガニの仲間たち』
タラバガニのように“名前に『カニ』が付いていても、
実はヤドカリの仲間です“というカニに『アブラガニ』がいます。
見た目がタラバガニとよく似ていて、
確かに茹で上がった状態のそれぞれの写真を
パッと見ただけでは、見分けるのはとっても難しいです。
それでもよ~く見ると、甲羅の真ん中あたりにある突起の数が、
一般的にはタラバガニは6つで、アブラガニは4つなんですって。
ちなみに、味はほとんど変わらないそうなので、
味だけで見分けるのは、なかなか難しいそうです。
そして『花咲ガニ』も同じくヤドカリの仲間です。
この名前の由来には諸説あります。
例えば、北海道の根室にある花咲港で、
たくさん水揚げされたことから・・・という説。
そして根室半島の別名、花咲半島で獲れることから・・という説。
または、茹でるとお花が咲いたように、
キレイな赤色になることから・・・といった説があります。
花咲ガニは、トゲが大きくて硬いのが特徴です。
濃厚なおダシが出ることから、お味噌汁にカニを入れた郷土料理の
『鉄砲汁(てっぽうじる)』にもよく使われるそうですよ。
私もう、タラバガニ、アブラガニ、花咲ガニ、
これは見分けがまるでつきませんで・・・
親戚、よく似たイトコのような感じがしますネ。
それに実は私、ズワイガニもタラバガニの違いも
今回学習しているくらいで、“カニは美味しい”ということしか
分かっていませんでした。
皆さんはこんなカニの種類があるのご存知でしたか?
11/12(金) 『毛ガニ』
毛ガニはその名のとおり、体中に短い毛がギッシリと生えています。
どうして毛が生えているのか諸説ありますが、
例えば、毛の動きによって水の流れを感じることで、
周囲の気配を敏感に察知するため・・・という説。
そして毛ガニの甲羅は柔らかいので、それを守るため・・・といった説です。
そんな毛ガニの産地ですが、北海道のオホーツク海や太平洋沿岸、
さらに岩手県の三陸沖などです。
毛ガニは、ズワイガニやタラバガニと比べて小ぶりですが、
甘くて繊細な身がギッシリと詰まっています。
そして何といっても毛ガニの特徴は、カニ味噌です。
毛ガニのカニ味噌は他のカニと比べても、かなり濃厚でクリーミーです。
そんな毛ガニに似ているカニがいまして、『クリガニ』といいます。
パッと見ると確かに似ているんですけど、
よく見ると甲羅の形が違うんですネ。
毛ガニの甲羅が“少し縦長の四角形”なのに対して、
クリガニの甲羅は“五角形で横長”です。
実は毛ガニもクリガニも、同じ『クリガニ科』の仲間なんです。
ですから、似ていてもおかしくないんですけど、
毛ガニのほうがちょっと大きいことから、
毛ガニの別名は『オオクリガニ』というそうです。
カニといってもこんなに種類があって、名前があるんですネ。
カニは生でも茹でても焼いても美味しいし、冬になったら必ず一度は
たらふくいただきたいものですよネ。
はぁ~贅沢。今年も早くいただきたいな。
■今週の感想
今週の放送を聴いていただけるとお分かりのように、
私、カニがホント好きなんです!
お話しているうちに、カニが食べたくなりました。
それだけカニ好きの割には、カニのことをあまり知りませんでした(汗)
今週お話した以外にも、ワタリガニや上海ガニなど
まだまだたくさんのカニがいますよネ。
このお話はいつかしたいと思います。
今週はリスナーの方々もカニの話題で
結構盛り上がったみたいで・・・
やっぱり皆さん、カニが好きなんですネ(笑)
【お知らせ① 次週(11/15~)からのテーマ】
私たちの体にも食生活にも欠かせない『塩』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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