スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2021.11.19

2021年11月15日(月)

私たちの体にも食生活にも欠かせない『塩』についてです。

 

■今週(11/15~11/19)のテーマ:『塩』

 

11/15(月)  『塩とは』

 

塩は身近な調味料として欠かせないだけでなく、

人間の体内に一定の割合で含まれています。

その割合ですが、大人で体重の0.3%から0.4%、

子供は約0.2%といわれています。

例えば体重が60キロの成人の場合は、体内の塩分量は

約200グラムになります。

 

汗をなめた時、“しょっぱい”と感じますよネ。

これは汗の中に塩分が含まれているためです。

 

塩は体内で『塩化物イオン』と『ナトリウムイオン』の

2つのイオンに分かれて、大切な働きをしています。

例えば塩化物イオンは、胃の中で食べ物の消化を助けたり、

小腸では栄養素の分解を助けてくれます。

 

また人の体は、とてもたくさんの細胞からできていますが、

ナトリウムイオンは細胞を健康に保つ働きをしてくれています。

さらにナトリウムイオンは脳に働きかけて、刺激を脳に伝えたり、

脳からの命令を筋肉に伝えるという、大切な役割を果たしています。

 

また腎臓では体内の塩分を調整して、

体液を一定の濃さにしています。

この時、極端に塩分の量が少ないと水分が足りなくなって、

脱水症状を起こして命にもかかわってきます。

このように私たちの体には、塩は欠かすことができません。

 

 

昔、山登りしている時に、

“非常用に何を持っていったらイイか?”という話になり、

“チョコレート”とか“クッキー”という意見が多かったのですが、

その答えは“塩”だったんですネ。

塩がなかったら人は生きていけないんだなぁ・・・と思いました。

確かにそうなんですネ。

 

 

11/16(火)  『塩の豆知識』

 

海水を煮詰めるとできる白い結晶。これがいわゆる『塩』です。

この塩をサラサラになるまで乾燥させて、

食用としたものを『食塩』と呼びます。

 

塩の正体は『塩化ナトリウム』という物質で、

塩のあの“しょっぱい味”は、塩化ナトリウムだけが持つ味なんです。

 

塩の結晶は立方体、つまりサイコロ形をしています。

塩の結晶はでき方によって、いろいろな形になりますが、

どれもこの立方体が組み合わさってできたものです。

 

一般的に“塩の色は白”というイメージがありますよネ。

でも実は無色透明なんです。

白く見えるのは、光の乱反射によるものなんですって。

 

それでもピンクや黒、褐色、グレーといった色の塩もありますよネ。

これは塩が採れた時などに含まれる、

有機物や鉄分などによるものなんです。

 

例えば、ヒマラヤの岩塩のようなピンクの塩には鉄分が、

黒い塩は活性炭が含まれているためです。

ヒマラヤの岩塩の中にも、赤黒い色のものがあります。

 

褐色の塩は海藻などの影響によるものです。

そして、フランスのゲランド地方で採れる塩は、

ミネラルを含んだ粘土質の影響で、グレーがかった色をしています。

『ゲランドの塩』として知られています。

 

 

私、塩にハマっていて、あらゆる塩を試してきました。

みんな“しょっぱい”のかと思ってましたが、

塩にも個性があって、甘いもの、苦みのあるもの、辛いもの、

いろいろあるんですよネ。

そしてサラサラ、ザラザラ、ゴツゴツ、やわらかい・・・

食感もいろいろです。

奥深いですよ、塩の世界。

 

 

11/17(水)  『塩の作り方①』

 

塩の作り方は大きく分けて3つあります。

1つめは『海水を使う作り方』です。

日本は周りを海で囲まれていますので、

海水を利用して作るのが、もっとも適しています。

 

海水には約3%の塩分が含まれていますが、

その塩分を熱して、水分を蒸発させたりして取り出します。

こうして海水から作られた塩のことを『海塩(かいえん)』といいます。

 

同じ海塩でも、やり方の違いで『天日塩(てんじつえん)』と

『煎ごう塩(せんごうえん)』に分けられます。

天日塩は“てんぴじお”ともいいますが、

海水から塩を採るために、砂浜に作った塩の田んぼ

“塩田(えんでん)”に海水を引き込んで、

太陽の熱と風によって水分を蒸発させて塩にします。

但し、このやり方の場合、天候に左右されやすいのが難点です。

 

そして、煎ごう塩の“煎ごう”とは

 “汁がなくなるまで煮つめる”という意味です。

塩水を濃縮した『かん水』を釜で加熱して、

水分を蒸発させて塩にします。

 

私は以前、鹿児島の佐多岬で『楽塩』というお塩を作られている

ご夫婦を訪ねたことがあるんですネ。

佐多岬で汲み上げたキレイな海水を、釜と薪で煮込んで、

じっくりと丁寧に時間をかけて、心を込めて作られていました。

初めて塩作りを見させてもらったんですが、

作り方はいたってシンプル。

でも、すごく大変な労力なんですネ。

生産者さんの努力の結晶ともいえるお塩の、なんと美味しいこと!

昔ながらの製法のお塩って、本当に美味しいんですよネ。

 

 

11/18(木)  『塩の作り方②』

 

海水以外でも塩は作られています。

例えば、塩のかたまり『岩塩』を使う作り方です。

岩塩を土の中から掘り出して、砕いてふるい分けて作ります。

岩塩は大昔の地殻変動によって、陸上に取り残された海水が、

長い年月をかけて蒸発して固まったもので、

いわば“海の化石”です。

 

日本には岩塩がありませんので、作ることができませんが、

世界では最もポピュラーな原料とされています。

但し、掘り出した岩塩は異物を含んでいることが多いため、

食用にするには精製する必要があります。

 

そして“塩の湖”、塩湖(えんこ)から汲み上げた塩水を使う

作り方もあります。

塩湖とは地殻変動などによって、陸上に閉じ込められた海水が

長い年月をかけて濃縮されてできた、塩分の濃度の高い湖です。

 

アラビア半島にあります『死海(しかい)』や、

南米のボリビアの『ウユニ塩湖』などが知られています。

死海の水の濃度は海水の約8倍といわれています。

またウユニ塩湖は標高3600mのところにあるため、

乾季の時期になると、湖の表面全体が塩の結晶で真っ白に

おおわれます。

 

日本には、これほど濃度が高い塩湖はありませんので、

湖の塩は作られていません。

 

 

ウユニ塩湖、行ってみたい場所です。

死海も塩分が多いから、体が浮きやすいって聞きました。

海にも山にも塩があって、いかに人間と塩は関わり深いのか

分かりますよネ。

私はお塩をたっぷり入れたお風呂に入るのが好きです。

 

 

11/19(金)  『塩の使い道』

 

日本で消費される塩の消費量のうち、

ご家庭でお料理などに使われるのは、3%程度。

それに、お味噌やお醤油を造る時に使う

食品工業用を合わせても、全体の13%くらいなんだそうです。

 

実は塩の多くは、食品以外の工業用に使われているんです。

例えば、高温で鉄にガラスを焼き付けるホーロー製品ですとか、

ガラス製品を作る時に使われています。

また、アルミ製品も原料のボーキサイトを溶かす時に、

塩が使われています。

他にも生理食塩水など、医療用にも塩が必要です。

 

また、塩には雪や氷を溶かす性質がありますが、

その性質を利用して、雪の季節には積もった雪を取り除く時や、

道路の路面の凍結防止にも使われています。

 

路面が凍結すると、スリップして事故の可能性が高くなります。

それを防ぐために道路にまかれる塩のことを

『凍結防止剤』といいます。

    

塩には雪を溶かしてしまうだけでなく、まいた後でも、

その路面が凍らないように保つ効果があることから、

この名前がつけられているようです。

 

そして塩は、古くからお清めとしても使われています。

飲食店などの玄関に“盛り塩”が置かれているのも、

邪気を払って運気を上げて、商売繁盛を願うためです。

 

 

なるほどねぇ~。

つくづく今週は、塩が大切だっていうことを知りましたネ。

今夜は満月ですし、お風呂にバスソルトを入れて

体を清めるのもイイのではないでしょうか。

 

 

■今週の感想 

 

塩はとても身近な存在ですが、

知らないことがいっぱいです。

お塩の世界はとても深いですネ。

 

『塩加減』という言葉がありますが、

お塩の量によって、まったく味が変わってしまうのも、

お塩のすごいところです。

 

お料理や食べ方によって、

お塩を使い分けたりするのも楽しいですネ。

これからも生活に上手にお塩を取り入れていきたいと思います。

 

 

【お知らせ① 次週(11/22~)からのテーマ】

 

長年一緒生活していても、お互い分からないことがあります。

『夫婦の心理』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

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  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/