私たちの体にも食生活にも欠かせない『塩』についてです。
■今週(11/15~11/19)のテーマ:『塩』
11/15(月) 『塩とは』
塩は身近な調味料として欠かせないだけでなく、
人間の体内に一定の割合で含まれています。
その割合ですが、大人で体重の0.3%から0.4%、
子供は約0.2%といわれています。
例えば体重が60キロの成人の場合は、体内の塩分量は
約200グラムになります。
汗をなめた時、“しょっぱい”と感じますよネ。
これは汗の中に塩分が含まれているためです。
塩は体内で『塩化物イオン』と『ナトリウムイオン』の
2つのイオンに分かれて、大切な働きをしています。
例えば塩化物イオンは、胃の中で食べ物の消化を助けたり、
小腸では栄養素の分解を助けてくれます。
また人の体は、とてもたくさんの細胞からできていますが、
ナトリウムイオンは細胞を健康に保つ働きをしてくれています。
さらにナトリウムイオンは脳に働きかけて、刺激を脳に伝えたり、
脳からの命令を筋肉に伝えるという、大切な役割を果たしています。
また腎臓では体内の塩分を調整して、
体液を一定の濃さにしています。
この時、極端に塩分の量が少ないと水分が足りなくなって、
脱水症状を起こして命にもかかわってきます。
このように私たちの体には、塩は欠かすことができません。
昔、山登りしている時に、
“非常用に何を持っていったらイイか?”という話になり、
“チョコレート”とか“クッキー”という意見が多かったのですが、
その答えは“塩”だったんですネ。
塩がなかったら人は生きていけないんだなぁ・・・と思いました。
確かにそうなんですネ。
11/16(火) 『塩の豆知識』
海水を煮詰めるとできる白い結晶。これがいわゆる『塩』です。
この塩をサラサラになるまで乾燥させて、
食用としたものを『食塩』と呼びます。
塩の正体は『塩化ナトリウム』という物質で、
塩のあの“しょっぱい味”は、塩化ナトリウムだけが持つ味なんです。
塩の結晶は立方体、つまりサイコロ形をしています。
塩の結晶はでき方によって、いろいろな形になりますが、
どれもこの立方体が組み合わさってできたものです。
一般的に“塩の色は白”というイメージがありますよネ。
でも実は無色透明なんです。
白く見えるのは、光の乱反射によるものなんですって。
それでもピンクや黒、褐色、グレーといった色の塩もありますよネ。
これは塩が採れた時などに含まれる、
有機物や鉄分などによるものなんです。
例えば、ヒマラヤの岩塩のようなピンクの塩には鉄分が、
黒い塩は活性炭が含まれているためです。
ヒマラヤの岩塩の中にも、赤黒い色のものがあります。
褐色の塩は海藻などの影響によるものです。
そして、フランスのゲランド地方で採れる塩は、
ミネラルを含んだ粘土質の影響で、グレーがかった色をしています。
『ゲランドの塩』として知られています。
私、塩にハマっていて、あらゆる塩を試してきました。
みんな“しょっぱい”のかと思ってましたが、
塩にも個性があって、甘いもの、苦みのあるもの、辛いもの、
いろいろあるんですよネ。
そしてサラサラ、ザラザラ、ゴツゴツ、やわらかい・・・
食感もいろいろです。
奥深いですよ、塩の世界。
11/17(水) 『塩の作り方①』
塩の作り方は大きく分けて3つあります。
1つめは『海水を使う作り方』です。
日本は周りを海で囲まれていますので、
海水を利用して作るのが、もっとも適しています。
海水には約3%の塩分が含まれていますが、
その塩分を熱して、水分を蒸発させたりして取り出します。
こうして海水から作られた塩のことを『海塩(かいえん)』といいます。
同じ海塩でも、やり方の違いで『天日塩(てんじつえん)』と
『煎ごう塩(せんごうえん)』に分けられます。
天日塩は“てんぴじお”ともいいますが、
海水から塩を採るために、砂浜に作った塩の田んぼ
“塩田(えんでん)”に海水を引き込んで、
太陽の熱と風によって水分を蒸発させて塩にします。
但し、このやり方の場合、天候に左右されやすいのが難点です。
そして、煎ごう塩の“煎ごう”とは
“汁がなくなるまで煮つめる”という意味です。
塩水を濃縮した『かん水』を釜で加熱して、
水分を蒸発させて塩にします。
私は以前、鹿児島の佐多岬で『楽塩』というお塩を作られている
ご夫婦を訪ねたことがあるんですネ。
佐多岬で汲み上げたキレイな海水を、釜と薪で煮込んで、
じっくりと丁寧に時間をかけて、心を込めて作られていました。
初めて塩作りを見させてもらったんですが、
作り方はいたってシンプル。
でも、すごく大変な労力なんですネ。
生産者さんの努力の結晶ともいえるお塩の、なんと美味しいこと!
昔ながらの製法のお塩って、本当に美味しいんですよネ。
11/18(木) 『塩の作り方②』
海水以外でも塩は作られています。
例えば、塩のかたまり『岩塩』を使う作り方です。
岩塩を土の中から掘り出して、砕いてふるい分けて作ります。
岩塩は大昔の地殻変動によって、陸上に取り残された海水が、
長い年月をかけて蒸発して固まったもので、
いわば“海の化石”です。
日本には岩塩がありませんので、作ることができませんが、
世界では最もポピュラーな原料とされています。
但し、掘り出した岩塩は異物を含んでいることが多いため、
食用にするには精製する必要があります。
そして“塩の湖”、塩湖(えんこ)から汲み上げた塩水を使う
作り方もあります。
塩湖とは地殻変動などによって、陸上に閉じ込められた海水が
長い年月をかけて濃縮されてできた、塩分の濃度の高い湖です。
アラビア半島にあります『死海(しかい)』や、
南米のボリビアの『ウユニ塩湖』などが知られています。
死海の水の濃度は海水の約8倍といわれています。
またウユニ塩湖は標高3600mのところにあるため、
乾季の時期になると、湖の表面全体が塩の結晶で真っ白に
おおわれます。
日本には、これほど濃度が高い塩湖はありませんので、
湖の塩は作られていません。
ウユニ塩湖、行ってみたい場所です。
死海も塩分が多いから、体が浮きやすいって聞きました。
海にも山にも塩があって、いかに人間と塩は関わり深いのか
分かりますよネ。
私はお塩をたっぷり入れたお風呂に入るのが好きです。
11/19(金) 『塩の使い道』
日本で消費される塩の消費量のうち、
ご家庭でお料理などに使われるのは、3%程度。
それに、お味噌やお醤油を造る時に使う
食品工業用を合わせても、全体の13%くらいなんだそうです。
実は塩の多くは、食品以外の工業用に使われているんです。
例えば、高温で鉄にガラスを焼き付けるホーロー製品ですとか、
ガラス製品を作る時に使われています。
また、アルミ製品も原料のボーキサイトを溶かす時に、
塩が使われています。
他にも生理食塩水など、医療用にも塩が必要です。
また、塩には雪や氷を溶かす性質がありますが、
その性質を利用して、雪の季節には積もった雪を取り除く時や、
道路の路面の凍結防止にも使われています。
路面が凍結すると、スリップして事故の可能性が高くなります。
それを防ぐために道路にまかれる塩のことを
『凍結防止剤』といいます。
塩には雪を溶かしてしまうだけでなく、まいた後でも、
その路面が凍らないように保つ効果があることから、
この名前がつけられているようです。
そして塩は、古くからお清めとしても使われています。
飲食店などの玄関に“盛り塩”が置かれているのも、
邪気を払って運気を上げて、商売繁盛を願うためです。
なるほどねぇ~。
つくづく今週は、塩が大切だっていうことを知りましたネ。
今夜は満月ですし、お風呂にバスソルトを入れて
体を清めるのもイイのではないでしょうか。
■今週の感想
塩はとても身近な存在ですが、
知らないことがいっぱいです。
お塩の世界はとても深いですネ。
『塩加減』という言葉がありますが、
お塩の量によって、まったく味が変わってしまうのも、
お塩のすごいところです。
お料理や食べ方によって、
お塩を使い分けたりするのも楽しいですネ。
これからも生活に上手にお塩を取り入れていきたいと思います。
【お知らせ① 次週(11/22~)からのテーマ】
長年一緒生活していても、お互い分からないことがあります。
『夫婦の心理』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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