スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2021.08.06

2021年8月2日(月)

様々なお料理に使えて、季節を問わず手に入る野菜の1つ、『タマネギ』についてです。

 

■今週(8/2~8/6)のテーマ:『タマネギ』

 

8/2(月)  『タマネギの基本知識』

 

タマネギを縦に半分切ってみると、短い茎があります。

実は私たちが食べているのは、

タマネギの葉の付け根の部分が太ったものなんです。

長ネギも同じように、葉の付け根の部分が太ったものです。

 

そんなタマネギの産地ですが、2019年のデータを見ますと、

生産量が最も多かったのは北海道で、

全体の約63%を占めています。

2位は佐賀県、3位は兵庫県で、この3つの地域で

国内の生産量の8割以上になります。

 

日本で栽培されているタマネギの多くは

『黄たまねぎ』と呼ばれる品種です。

辛味が強く、保存性が高いのが特徴です。

 

同じ黄たまねぎでも、春に種をまいて秋に収穫される“北海道産”と

秋に種をまいて春から初夏にかけて収穫される“本州産”があります。

2つの違いをあげるとすれば、北海道産のほうが含まれている

水分の量が少なくて、辛味が少し強いそうです。

 

他にも、辛味や匂いが黄たまねぎよりも少なく、

水分や甘みが多くてサラダに使われることが多い

『赤たまねぎ』があります。

『紫たまねぎ』とも呼ばれています。

同じくサラダに使われることが多い『白たまねぎ』、

シチューやポトフといった煮込み料理に使われる小さなタマネギ

『ペコロス』などの種類があります。

 

タマネギは相当日持ちしますし、どこのご家庭にも

必ず常備している野菜の代表格だと思います。

黒柳徹子さんのヘアスタイルも思い出しますが(笑)

唯一無二の素敵なスタイルですよネ。

私、タマネギ大好き!

 

 

8/3(火)  『タマネギの歴史』

 

タマネギは西アジアや中央アジア、エジプトなどが

原産地とされています。

紀元前の時代から栽培されていて、古代エジプトでは

『ピラミッドを建設する労働者たちにタマネギを食べさせていた』という

記録が残されているそうです。

 

さらに『旧約聖書』や『千夜一夜物語』にも、

タマネギを食べるお話が登場しています。

 

​中世の時代、ヨーロッパではニンニクと並んで

タマネギは“魔よけ”として使われていたそうです。

さらにヨーロッパで伝染病が流行した際、タマネギやニンニクが

効果的だった・・・という言い伝えもあるそうです。

 

そんなタマネギが日本に伝わったのは、江戸時代です。

南蛮船で長崎にやって来ましたが、当時は食用ではなく

観賞用だったそうです。

 

日本で食用としてのタマネギの栽培が始まったのは、

明治になってからです。

1880年(明治13年)には、現在の北海道札幌市で

中村磯吉さんという農家の方が、

タマネギの栽培に成功しました。

 

また同じ頃、現在の大阪南部地方で『泉州たまねぎ』の

栽培が始まりました。

こうして日本のタマネギの歴史が作られていきました。

 

へぇ~日本のタマネギの歴史って、案外最近なんですネ。

平安時代の頃からとか、もっと言うと縄文時代から

食べられていたようなイメージが私にはありました。

 

ニンニクと並んで魔除けにされていたのは、

あの強烈の匂いで、悪魔祓いできると思われたんでしょうネ。

目にもしみますしネ。

 

 

8/4(水)  『タマネギの栄養』

 

タマネギの辛味や匂いは『硫化アリル』という成分によるものです。

タマネギ以外のネギ類やニラ、ニンニクの辛味や匂いも同じです。

タマネギを刻んだ時、涙が出るのは、この硫化アリルが

目から涙を出す涙腺を刺激するからなんです。

 

硫化アリルには様々な種類があって、その代表が『アリシン』です。

アリシンは疲労回復や生活習慣病の予防、

血糖値の上昇を抑えるのに効果的とされています。

 

さらに胃腸の働きを良くして、新陳代謝を盛んにして、

血流を改善する効果も期待されています。

よく『タマネギを食べると血液がサラサラになる』といわれるのは、

このアリシンの働きによるものとされています。

さらに、体を温める働きがあるといわれています。

 

但し、アリシンを始めとする硫化アリルは、

水に溶けやすいそうなんですネ。

タマネギの辛味を和らげようと、スライスしたタマネギを

お水にさらすことってあるかと思いますが、

長い時間さらしてしまうと、硫化アリルが溶け出してしまうんです。

生でタマネギを食べる時は、あまり長い時間さらさないようにするか、

新タマネギといった、辛味が少ない品種を選ばれると良いそうです。

 

またタマネギは煮たり炒めたりなど、火を通すことで、辛味が消えて

甘み成分に変わっていきます。

さらにレンジ蒸しやスープ煮などにすると、溶け出したエキスも

一緒に摂ることができます。

 

タマネギは代表的に“血液をサラサラにする”って言われてますけれど、

他にもいろんな効果があるんですネ。

タマネギを使うとお料理に甘みが出るので、

とっても重宝しますよネ。

ドレッシングに使うと野菜を美味しく食べられるし、

野菜炒めにも必要だし、スープにもなくてはならないし・・・

改めてタマネギは、貴重な食材ですネ。

 

 

8/5(木)  『タマネギの雑学』

 

春に旬を迎えるタマネギに『新タマネギ』がありますが、

普通のタマネギと何が違うんでしょうか?

 

実は新タマネギとは、温暖な地域で3月から4月頃に出荷される

“早取りのタマネギ”の総称なんです。

具体的には『黄たまねぎ』や『白たまねぎ』を収穫して

すぐに出荷させたタマネギです。

 

一般的なタマネギは日持ちを良くするため、収穫したあと、

1ヶ月ほど乾燥させてから出荷されます。

それに対して新タマネギは、乾燥させずにすぐ出荷されるので、

その分、みずみずしくて肉質が柔らかく、

辛味が少なく感じられるというわけなんです。

 

ちなみに栄養ですが、新タマネギも一般的なタマネギも

違いはないそうです。

 

そんな新タマネギですが、水分が多くて繊細ですので、

基本的に1週間以内で使い切ることが大切だそうです。

それが難しい場合は、冷凍保存をすると、

1ヶ月程度は保存できるそうです。

但し、新タマネギならではのみずみずしさは失われてしまうので、

冷凍した場合は加熱調理するのがオススメだそうですよ。

 

タマネギを保管する時ですが、基本的には冷蔵庫に入れるよりも、

風通しが良く、日の当たらない常温の場所で保管すると良いそうです。

そういった場所が難しい場合は、1つずつ新聞紙で包むと

湿気を防げるそうです。

 

実は私もここ数年、タマネギの美味しさにハマっていまして、

タマネギの栽培のお手伝いを始めたのですが、

今年収穫した新タマネギは、1つ1つ新聞紙にくるんで、

今、玄関の涼しいところに置いてあります。

収穫してから2ヶ月くらい経ちますが、

まだまだ新タマネギの美味しさ、続いていますよ。

 

 

8/6(金)  『下中(しもなか)たまねぎ』

 

下中たまねぎの『下中』とは、神奈川県小田原市の地名です。

この地区は古くからタマネギの産地として知られています。

 

そんな下中たまねぎは辛みが少なく、甘くて柔らかいのが特徴で、

特にサラダなど生で食べるのに適しています。

またソテーなど火を通すとより一層甘さが増すことから、

バーベキューなどで人気の食材となっています。

そんなところから神奈川県のブランド品

『かながわブランド』にも認定されています。

 

今回、数あるタマネギの中からこの下中たまねぎをご紹介したのは、

実は私、栽培に参加させていただいているんです。

キッカケは去年、お友達が“すごく美味しいタマネギがあるのよ”と

送ってきてくれたんですネ。

その時、『水でさらさないで、そのまま生で食べてネ』という

伝言があったので、スライスして鰹節にポン酢をかけて

いただきました。

そしたら甘くてみずみずしくて、あまりの美味しさに

ビックリしてしまったのが、このタマネギとの出会いだったんです。

 

そして話を聞くと、高齢者の方から耕作を放棄した土地を

預かっていた小田原のお寺が、実習用の畑を探していた

東大の大学院生たちに貸し出していて、

栽培を始めたタマネギだったんです。

 

それを聞いて“ぜひ私も応援したい!”と去年、現地に行って

苗を植えて、今年5月には収穫のお手伝いをしてきました。

 

自分で苗を植えて、収穫も手伝って・・・となると、

愛着もわくものですから、

ますます美味しく感じた下中たまねぎです。

今年も行ってこようと思っています。

 

 

■今週の感想 

 

金曜日にお話した神奈川県の下中たまねぎですが、

この番組のスタッフの方にも食べていただいたんです。

そしたら“梨みたいな食感で、想像以上の美味しさでした”と

言ってくださったんです。

 

そうなんです。まさに梨のような食感が、

この下中たまねぎの特徴でもあるんです。

 

私も初めて食べた時、その美味しさにホント、驚きましたが、

タマネギの世界は奥が深いですネ。

 

そして、私たちの食生活を楽しくしてくれるタマネギに感謝です。

今日はどんな風にして食べようかな(^^♪

 

 

【お知らせ① 次週(8/9~)からのテーマ】

 

古くから私たち人間の家族の大切な一員、『ペット』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/