夏になると食べたくなります!『冷やし中華』についてです。
■今週(7/19~7/23)のテーマ:『冷やし中華』
7/19(月) 『冷やし中華とは』
辞書で『冷やし中華』を調べますと、
『茹でて冷やした中華麺の上に千切りした錦糸卵やハム、
またはチャーシュー、キュウリ、クラゲ、蒸し鶏、
紅ショウガなどの具を並べ、お醤油と酢のタレ、
またはゴマ風味のタレをかけた料理』とあります。
確かに冷やし中華と聞くと、このイメージですよネ。
ところが辞書によっては『関西では冷麺という』とあります。
これを聞いて“冷やし中華と冷麺って同じものなの?”と思われた方、
いらっしゃるかと思います。私もその1人です。
そこで『冷麺』を辞書で調べてみますと
『朝鮮半島の麺料理。そば粉とでんぷんを練った、腰の強い麺を茹でて冷やし、
冷たいスープを加え、肉・野菜・キムチなどをのせたもの』とあります。
さらに『冷たいスープに入った「ムルレンミョン(水冷麺)」と
コチュジャンベースのタレに絡めて食べる
「ビビンネンミョン(混ぜ冷麺)」の2種類があります』とあります。
そして『そば粉を入れずに、日本人好みな柔らかく半透明な麺に
アレンジしたのが「盛岡冷麺」』ともあります。
こうやって聞くと、冷やし中華と冷麺は違うものですよネ。
ところが辞書によっては『関西では冷やし中華のこと』とあるんです。
実際、関西や西日本にお住まいの方の中には
冷やし中華も冷麺も同じように『冷麺』と呼んでいる方が
たくさんいらっしゃることが分かりました。
関東と関西では呼び名が違うんですネ。
ところで皆さんは、冷やし中華は
『お酢のタレ』と『ゴマのタレ』のどちらがお好きですか?
私は酸っぱいほうです。
今日のお昼に冷やし中華、イイですよネ。
7/20(火) 『冷やし中華の歴史①』
冷やし中華は昭和初期に誕生しましたが、
“元祖”については2つの説があります。
1つめは宮城県仙台市の中華料理店
『龍亭(りゅうてい)』とする説です。
当時の中華料理のお店には冷房がなかったため、
“油っこくて熱い”というイメージの中華料理は
敬遠されがちだったそうです。
そのため夏場になると、売り上げが大幅にダウンして
深刻な問題でした。
そこで“暑い夏でも食べていただけるように・・・”との思いから、
冷たい麺料理の開発に取り組みました。
夏バテ防止に栄養のバランスを考えて、お野菜をたっぷりと使い、
さらに食欲アップのために酸味を加えるなど、試行錯誤の末に
1937年(昭和12年)に誕生したのが『涼拌麺(リャンバンメン)』です。
『涼拌』とは“冷たいまま和える”といった意味です。
つまり涼拌麺とは“冷たいまま和えた麺”ということになります。
当時の具は茹でたキャベツやニンジン、キュウリの塩もみ、チャーシュー、
メンマ、ゆで玉子だったそうです。
ラーメンが1杯10銭の頃、涼拌麺は25銭で、
当初はなかなか受け入れてもらえなかったそうですが、その後、
人気となって全国へと広まっていきました。
現在の涼拌麺の写真を見ますと、
涼しげなガラスの器に透明感のある麺が盛り付けられて、
スープがかかっています。
海老が2つちょこんと乗って、ゴマがかかっていますネ。
具材はガラスの縦長のお皿にキレイに並べられて、
好きにトッピングできるようになっています。
7/21(水) 『冷やし中華の歴史②』
冷やし中華の“元祖”には2つの説があって、
1つは宮城県仙台市の中華料理店『龍亭(りゅうてい)』とする説、
もう1つは東京・神田にあります
『揚子江菜館(ようすこう・さいかん)』とする説です。
こちらの二代目のご主人が大のお蕎麦好きで、ある日、
ざる蕎麦を食べていた時、“中華そばで、ざる蕎麦のような料理が
出来ないだろうか?“と思ったそうです。
当時、“まかない”として麺を冷やして、ごまダレをかけて
食べていたものの、中華料理で冷やした麺をお客様に提供という
発想はなかったので、まったく新しい試みだったそうです。
そして試行錯誤を重ねた結果、甘酢ダレを完成させました。
続いて、お店の窓から見えた富士山をヒントに
麺を富士山の形に高く盛って、その横に具材を並べて、
四季をイメージした盛り付けを思いつきました。
具体的には“冬の雪”を糸状に押し出した寒天、
“春の大地”をチャーシュー、“夏の緑”をキュウリ、
“秋の落葉の色”をタケノコで表したそうです。
こうして1933年(昭和8年)に誕生したのが、
『五色涼拌麺(ごしょくリャンバンメン)』、『五目冷やしそば』です。
現在の写真を見ますと、美味しそうです。
なるほど、富士山のように真ん中に頂がありますネ。
錦糸卵が山頂に乗っていて、周りのなだらかな稜線を緑、
ハムのピンク、タケノコのちょっと茶色、
そういうもので彩られています。
どちらのお店が発祥かは不明ですが、
龍亭さん、揚子江菜館さんの2つのお店によって、
冷やし中華の文化が出来たんですネ。
ありがたいことです。
7/22(木) 『冷やし中華の豆知識①』
一般的に“冷やし中華=夏限定の食べ物”というイメージですが、
1年中いただける所もあります。
例えば京都市にあります『中華のサカイ本店』です。
こちらでは『冷めん』の名前で提供されています。
こちらのお店で冷めんがメニューに登場するようになったのは
1953年(昭和28年)です。
当時のお店のご主人がどこかで冷麺を食べたところ、
それが美味しかったので、再現してもっと美味しくしよう!と
思ったそうです。
そして何年もの年数をかけて誕生したのが、この冷めんです。
太めのもちもちっとした食感の麺、そして米酢やお醤油、
自家製マヨネーズ、スープ、辛子などで作られた
独特の酸味とコクがある秘伝のタレが特徴です。
こちらの冷めんには『焼豚入り』と『ハム入り』があって、
多くの方は焼豚入りを注文されるそうですよ。
ここに焼豚入り冷めんの写真がありますが、
美味しそう~っていうか、私はこの味を知っているんです。
私の大好きなお店なんです。
こちらのお店には冷めんとライス、お漬物、サラダがセットになった
『冷めん定食』というのもあって、そちらを注文される方も多いんだそうですよ。
さらにお店のご主人によりますと、こちらもお店の名物の1つ
『やきめし』に冷めんのタレをかけると、美味しいそうです。
このやきめしも本当に美味しいんですネ。
もともとこのお店は喫茶店をやっていたという時代もあったとかで、
オムライスも美味しいんですよ~。
京都に行くと必ずといっていいほど通ったお店です。
お連れした方も必ずリピーターになってしまうくらい、
本当に美味しいんです。
行きたいなぁ~、中華のサカイ(笑)
7/23(金) 『冷やし中華の豆知識②』
現在、冷やし中華はお店だけでなく、ご家庭でも
味わえるようになりましたよネ。
そのキッカケの1つが、宮城県仙台市にあります
『だい久(きゅう)製麺』の『元祖だい久 冷し中華』です。
中華料理屋さんで提供されていた『涼拌麺(リャンバンメン)』を
ご家庭向けに開発して、1960年(昭和35年)に発売しました。
また1966年(昭和41年)には東洋水産が
即席袋麺の『マルちゃん冷しラーメン』を発売しました。
マルちゃん冷しラーメンといえば、煎りごまや顆粒状の卵、紅生姜、
そして海苔が入ったふりかけが付いていて、
“このふりかけがあれば、具は要らないです”という方も
いらっしゃるそうです。
今、『冷しラーメン』といいましたが、北海道では冷やし中華のことを
『冷しラーメン』と呼んでいるそうです。
冷しラーメンと聞くと“山形県が発祥の冷たいラーメン”を
思い浮かべる方、いらっしゃるかと思いますが、
見た目はアツアツのラーメンと同じで、
一般的なお醤油ベースのラーメンを冷たくしたものです。
ですから、スープは冷やし中華のように甘酸っぱくありません。
山形の冷やしラーメンの写真を見ますと、大きいチャーシューが乗っていて、
もやし、ワカメ、メンマ、ゆで卵、そしてゴマがかかっていて、
めちゃめちゃ美味しそうです。
私はお店の軒先に『冷やし中華はじめました』というのれんが出ていると、
つい入りたくなってしまうんですよネ。
冷やし中華、冷やしラーメン、冷麺・・・
何とも素敵な食べ物ですネ。
■今週の感想
この番組で食べ物のお話をすると、“食べたくなります!”という
リスナーの方が結構いらっしゃって、今週の場合、
“お昼は冷やし中華にします!しました!”という方も
いらっしゃったそうですよ。
私も冷やし中華のお話をしていて、食べたくなりました(笑)
冷やし中華といっても、お店によって麺もスープも具材も違っていて、
楽しいですよネ。
初めて入ったお店で冷やし中華を注文する時、
“ここのお店のはどんな感じなのかな?”と想像しながら
出てくるのを待つのも楽しいですよネ。
この夏、冷やし中華を食べて暑さを乗り切ります(笑)
【お知らせ① 次週(7/26~)からのテーマ】
夏をイメージさせるお花、『ひまわり』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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