高田文夫のおもひでコロコロ

2026.02.26

第152回『文豪・若林誕生』

喉の具合が悪いとかで 少し仕事を休んでるオードリーの若林。
春日がジタバタを見せないよう「ANN」を始め あれこれ仕事をこなしている。
声が出ない代りに この事態を予測してたのか みごとな筆談状態で本が出た。
爆問の太田クンも大絶賛していたが 若林正恭 著「青天(アオテン)」である。
渾身の初小説とあるが とんでもない才能だな。
アメフト小説なんて 日本の文学史上 初なんじゃないか。
私も学生時代にすぐ戻って あの頃の体育会系の挫折感や しょっぱい汗をかみしめてみたくなった。

かつて青島幸男が「一流の人間は他に何をやったって すべて一流なんだよ。
人間が三流の奴は何をやっても三流なんだよ」 
永六輔は教えてくれた。「職業に貴賤はないが、生き方に貴賤はある」と。

若林も 登場人物である弱小アメフト部の「アリ」も その生き方は「貴(とうとい)」と思う。
爆問もオードリーも漫才という一点で一流を極めたのだから 何をやっても それは一流の人間がやることだから 八百屋をやっても一流なんだ。
「小説を書くこと」も「総理から いじわるやわ」と言われるのも オワコンと呼ばれながらも まだドキドキすることが飛び出してくるTVが面白い。
一流が出るから。一流のやりとりがアドリブで見られるからである。
日芸の放送学科出身としては 今でもかの名言、TVに対して「お前は ただの現在にすぎない」 
これほどピタリと言いあてた言葉はない。TVの本質である。
バッテリィズのエースが初めて私を見て「気さくなダンディ」と形容した事実と匹敵するピタリ賞だ。
こういう小説と出会えるんだから 長生きはしてみるもんだ(現在77才。談志の享年75)。

長生きといえば落語界では林家木久扇88歳。本が出た。「人生は夕方が美しい」だと。
好きな言葉は「入金」と言う師匠 この本では「100まで生きる。長生きは もうかるから」とある。
ザ・ピーナッツが表紙を飾るなんて 今どき珍しくて びっくり。
中央には夏木マリ。奥村チヨ、弘田三枝子、黛ジュンのエピソード、スキャンダルもタップリ。
なつかしくて一気に読んでしまった。

2月22日の放送で「笑点」も3,000回。すごいな。年50本として単純計算で60年である。
そこへライブ本数3,000本のTHE ALFEEがお祝い出演。はずむトーク。
夢のブッキング、アルフィーのS社長のお陰である。
まさに私が言ってる通り「人気とは高さではなく長さである」を実践してみせてくれる「笑点」&「アルフィー」である。
「笑点」のKプロデューサーが私にくれた子供だましのようなランチョンマット。
これを敷いてゴハンでも食べろという意味なのか。オレはこぼし気味なのか。
一之輔のイラストは似ているけど、その上の好楽は違うだろ。

そうだ、ザブトン運びといえば元々はこの人だ。毒蝮三太夫(90)。
3月7日(土)昼1時からよみうりホールで「談志生誕90年」。
芸の女神ミューズが降りてきたと当人が言っていた2007年の「芝浜」を一緒に見ます。
トークは毒蝮先輩と高田文夫 そして談志の娘である松岡ゆみこ。他にも色々ありますのでよろしかったら是非。

最高の映画と展覧会
ポスト「国宝」、文句なし。「木挽町のあだ討ち」。

もう終ってしまうが 素晴らしい企画。
チラシ見ただけで胸が高鳴る。
そこへ石和のババちゃん(さんぽ会)が「以前からやっているパンフレットです」と持ってきてくれる。
手際がいい。

そうしたら現代にも「浮世絵おじさん」が居ました。ちょんまげの立川志の八(志の輔の二番弟子)です。
縞の合羽に三度笠、ワラジ姿で なんと東海道53次を完歩したのです。
行く先々のお寺やら集会所で落語をやりながら 日本橋から京都まで36日間。
大して話題にもなりませんでしたが快挙です。
2月23日スタート地点の日本橋は なんと三越劇場で記念落語会。
ANNを一緒にやった彬子女王も私の斜め前方にいらっしゃいました。
師匠の志の輔も枕で「高田センセも言ってました。次は奥の細道だな」と。
ドッカ――ン。ポカスカジャンのタマちゃんも出て一緒にCDで曲まで出した。熱唱。
このチラシ写真、よく見るとワラジの裏である。縞の合羽に三度笠、ちょんまげも少し見える。
CDは「タマ八(はち)」名義。

最後に紹介するのは血わき肉おどる この一冊「なめたらいかんぜよ」。
映画バカというか映画フェチというのか。
日芸の伝統芸である ものかき筆名シンメトリー。
市川森一、高田文夫、三谷幸喜、太田光、そして春日太一である。みごとな左右対称。

戦後80年 我々世代が胸おどらせ心臓ドキドキびっくりして坐り小便してバカにあったあの銀幕。
山城新伍の「白馬童子」からシナリオを書きつづけた筆男一代脚本家の高田宏治である。
その時その時 すべてに心ときめいた名作群、もう読みがどうにもとまらない。
「鬼龍院花子の生涯」から「極道の妻たち」やら「仁義なき戦い」
ア―――もう名作がノンストップとまらない。
あのときめきがまた帰ってくる。東映50年、春日は凄い。トゥース。

2月27日

 

高田文夫

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。