高田文夫のおもひでコロコロ

2024.12.27

第118回『暮正月はゆっくり紙とインクで』

ど——も「あっちのテント」です。
本当に一年間お世話になりました。
あとどれ位やってられるかよく分りませんが「出川哲朗のラジオ・チャリティ・ミュージックソン」に出てあれこれ話し私が「おい出川、俺も もう76だよ」と言ったら一瞬間があき少し考えたのでしょう。
「ウーン あと2年ですネ」だと。スタジオ シ――ン。
「あっあっあっ そう意味じゃなくて」だと。
あとでカミさんにきいたら「私あそこが一番、死ぬ程 笑った」だと。
私の周りは平気で「死」を笑う。
あと2年らしいから大切に生きなきゃ。

こうやって次々と知り合いが亡くなると、もうあまりショックをうけなくなった。年齢がそうさせるのだろう。
若き日 友人などが亡くなると号泣し、ソーシツ感が何日もぬけなかったものだが・・・・もう淡々としたものである。

76才の今年も色々やらせて頂きました。スタッフ一同のお陰と心から思っております。すべて一人では絶対出来なかったことです。

<今年の我がBEST3‼>
①ビバリー昼ズ35周年IN東京国際フォーラム・ホールA(5,000人超満員)

②「月刊Takada 丸ごと一冊高田文夫」6月出版 たちまち四刷の快挙

③オードリーIN東京ドーム 5万をゆうに超えた客。圧巻。私も思わず「若さま――ッ」と声をかけちゃった。

次点 三四郎IN日本武道館

 

<今週の高田書店>
暮と正月 せめて心おだやかに過ごして頂きたい。
今週も様々届いた本やら購入した本などありますので紹介しておきます。
気になったものがあったら是非本屋へ行って買って下さい。
オールドメディアからのお願いです。
紙とインクこそ大切なんです。
ラジオと出版文化だけは守りたいです。

「べらぼうを語る」松村邦洋
毎年大河ドラマ人気に乗っかって出しているシリーズです。
江戸っ子、我らの「蔦重」を山口の田舎者に語られるんじゃ辛いだろう。
先日の「さんぽ会」で吉原の大門跡を教えてやったら「ポカーン」としてた。

LFがらみで もう一冊。「人は出会いが100%」
カッキーこと垣花正の著。どこかで聞いたようなタイトル。私とのエピソードも書いてある。

 

 

私が書店で探しぬいた本。

「ストリップ劇場のある街、あった街」早乙女宏美
街と人と劇場のお話。踊り子自身によるピンク文化風土記。

「浅草の灯よ いつまでも 浅草芸能人物列伝」小針侑起
エノケン、ロッパから由利徹、渥美清。

 

 

「落語家の本音」東京かわら版
日本で唯一の演芸専門誌が50年かけて集めに集めた噺家の話。
古くは彦六、小さんから今の一之輔まで きくだけきいている。

「半信半疑のリテラシー」プチ鹿島
プチが小さい身体して ひたすら新聞を読む東京ポッドなメディア論。

 

 

「AMETORA」
日本がアメリカンスタイルを救った物語。
2017年に初版が出て今はもう10刷。「メンズクラブ」も とうとう廃刊だし。
我々団塊の男の子の小・中学なんて みんな丸坊主か坊っちゃん刈りだった。
そこへVANが出て戦後の男の子もオシャレに目覚めた。毎月「メンクラ」を読み石津謙介を神とあおいだ。
気がつくと私は高校の頃 土・日はVANの紙袋を持ち銀座みゆき通りをうろついていた。
「みゆき族」である。“町の遊び人”みたいなテーマで「平凡パンチ」やらに小さく載ったりした。
本当の東京の子である。
朝日新聞にも先日 大きく「メンクラ」が廃刊されることが載った。私は下北沢の古書「ビビビ」で古い「メンクラ」を虫の知らせか数冊買い求めていた。私の16才17才の頃の号である。ついでに女の子たちの事も浮かんできた。

「ベルギー猫祭りとチョコレートめぐり」消しゴムはんこ作家 とみこはん
昔は浅草キッドのマネージャーをやっていたのだが気がつくと立派な消しゴムはんこ作家になっていた。
興味ある方は是非。なかなか可愛い。

 

 

「人生を変えたコント」霜降り明星せいや
「いじめ」には「コント」で。
せいやは古い芸能界が好きで詳しいので好きだ。

 

「生きるための読書」津野海太郎
86才にしてシッカリしているのは自分より若い人の本を読むこと。出版社の人の手紙に「高田さんと そっくりの人です」と。どんどん若い人の本を読んでいく。常に現役。

 

 

まだまだ紹介しきれないのですが――。
とりあえず ここまで。
ラジオをきいて紙とインクの本を広げる。これが文化です。
文化は文明なんかにゃ負けない……きっと。

 

〈PS〉

12月30日(月)昼の11時から12時はニッポン放送「ジョニ男くんと文夫くん」です。
ふたりのトークと昭和の曲。
評判よければレギュラー化?
皆さまの正しい世論だけが頼りです。

 

よいお年をそれぞれ迎えちゃって下さい。

 

12月27日

 

高田文夫

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。