高田文夫のおもひでコロコロ

2021.09.02

第5回「30周年・昇太結婚・明治座」

圧倒的反響。73歳ブログデビュー、衝撃の読者層。50年間糊口を凌いできた売文稼業。ペンとマイクの二刀流でどうにか身も心も豊かに過ごしては参りました。テレビ・ラジオの台本から雑誌・出版、ライブの構成、爆笑・立川藤志楼の座付き作者とあらゆるマスコミ仕事で働き書いてきましたが、これほど反応のするどいメディアは初めてです。

「”おもひでコロコロ”読んだよ。早く次読みたい」「永六輔亡きあと 戦後の大衆文化を分かりやすく教えてくれるのは高田氏だけだな」こんな意見ばかりならいざ知らず 先日、半蔵門線に乗っていたら30歳くらいのお兄ちゃんが小声で「いよいよ終活ですか。読んでますよ”おもひでコロコロナッ”」違うっつーの。いま敏感な話。クラスター!?黙って半蔵門で降りて麴町警察をのぞきに行った。「コロコロナ」は考えつかなかった。あのお兄ちゃんはきっと渋谷へ接種しに行くところだったのだろう。抽選には、はずれる顔だった。

私もすでに2本打っている中、大谷は42本打ってるのだから”見上げたもんだョ八村塁のダンクシュート”である(時事ネタ散りばめるから)。ピリピリしたぞ「太田・松本」。生放送のDAIGO味を久々味わった。テレビが久しぶりに面白かった瞬間である。吉本vs関東の仲をとりもつ中居クンの そつの無さが光った。「爆笑問題と松本さんの3ショットなんて久しぶりじゃないっすか」その時、太田は中居を見て腹の中で「お前はずっと1ショットじゃね~か。5ショットはいつ見れんだ」と つっこんでいたようだ。

最近ラジオで聞き出した番組リスナー達からはメールで「昔の話。30年前 40年前の話も たしかに面白くてワクワクするのですが 最近の話も読んだり見たりしてみたいです。昔と今を行ったり来たりしちゃって下さい。いよっ”バックトゥザフューチャー”70過ぎてるんだからその位のこと出来るでしょ」

それでは今回はここ3年くらいの話を    。ニッポン放送的にも「もう少しビバリーの話なぞ 入れてもらえると・・・イヒヒ」だと。下のパンフと写真は「ラジオビバリー昼ズ 30周年記念ライブ」のもの。2019年3月16日 有楽町よみうりホール

コロナ前なのでお客様も いっぱい集まってくれた。写真前列 左から(金)の磯山さやか・松村邦洋、(水)乾貴美子・春風亭昇太、(月)の松本明子・私、(火)東貴博・山根千佳、(木)の塙・土屋(ナイツ)・清水ミチコ。後列はこの日の「歌謡ショウ」の為に来てくれたゲスト達。皆な私の作詞した歌をCD化している。

左は西方裕之(東の居る佐藤企画の歌手)「おやじのたそがれ」、林家ペー・パー子(夫婦ピンク)「余談ですけど愛してる」、U字工事(栃木の田舎者)「ビギン ザ ギンザ」、昭和こいる(相方 のいるは家に居る)「そんなもんだよ しょうがない」。2年前に30周年をやっている勘定。

記念写真ついでに下は「オールナイトニッポン50周年感謝パーティー」のもの。なんたってユーミンと私が同じ写真の中に写っているというのが奇跡じゃないか。

2019年10月には なんと60歳を目前にして春風亭昇太がペットショップのお嬢さま(まさに犬も歩けばボーっとしてても当たる)と結婚・初婚。新妻は元・宝塚だとかで沢山のヅカガールが出て歌う(その数は中山ヒデの結婚式のヅカ連中の10分の1)。下の写真は私の「さんぽ会」の仲間、ババちゃんがレイアウトして「センセーのデスクに置いて下さい」と。いまは机のひき出しの中に眠る。

 

アンパンマン(戸田恵子)と私のテーブルに集まって来るふびんな人々。右より乾貴美子、松本明子、林家彦いち、春風亭一之輔、山田雅人。そして「陰陽師」夢枕獏。一之輔の後頭部は司会の林家たい平。

この2年の間に2冊の「書き下ろし」を出版しております。名著、快著、一家に1冊、マスクに手あらいと大絶賛の書物です。「画文集 芸人とコメディアンと」(文・高田文夫 絵・峰岸達/二見書房)「ギャグ語辞典」(文・高田文夫 松岡昇 和田尚久 絵・佐野文二郎/誠文堂新光社)

これ2冊読めば日本の喜劇界、芸界のことは ほとんど分かるはずです。作家としては”まとめ”の佳境に入った感もする枕頭(ちんとう)の書です。これだけの出来なのに どこの書評にも取り上げられなかったというのは  私の知識量への嫉妬でしょう。レフト前シットという奴である。

2021年の1月から2月。コロナと闘いながらも稽古をかさねた明治座公演。東京喜劇と寄席の二本立てという豪華な演目。私の企画で芝居は信頼する宅間孝行に演出してもらいました。喜劇出演は田中美佐子・前川清・東貴博ら。かつて私が通った明治座近所の人形町末広を舞台に再現し 連日、実力・人気ぶっちぎりの立川志の輔、立川談春、立川志らく、神田伯山、清水ミチコ、サンドウィッチマン、ナイツらが出演してくれた。各紙とりあげてくれたが朝日新聞1月23日夕刊。

見出しに大きく「東の笑い もりたてる」とあるが、これは別に「東MAXと故・東八郎を私がもりたてる」という意味ではない。西に対する<関東の笑い>という事である。下の写真、明治座に幟(のぼり)が立つという夢を遂に叶えた。

山藤章二画伯描く「高田文夫vs立川藤志楼」のれんの前にて、ナイツ・東・磯山。もう1枚は爆笑問題太田、ハマカーン浜谷、やまもとまさみ。そしてレギュラー陣 マスク東、磯山、松村。

爆笑問題の田中(五輪前だというのに早々と金をとる男)が病気だというので、この日 急遽太田と私で「爆笑大問題」として漫才を披露。高座にあがってみて太田の腕の確かさに頼りっぱなしであった。それでも本番前にはキチンと打ち合せ、稽古をする日芸の表口とウラ口である。のれんを開けてびっくりする東MAX。「け、け、けいこしてる~~ッ」

2021年9月2日

高田文夫

 

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。