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2025.10.17

ホクト株式会社の大内謙二さんが聞く、キノコがもっと美味しく栄養価を高める方法

ホクト株式会社 開発研究部部長の大内謙二さんが登場。

「きのこ総合研究所」で“きのこバカセ”と呼ばれている大内さんに

きのこの栄養素やきのこ類を調理するときの注意点、

おすすめのきのこ料理のレシピなどを伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

・ホクト株式会社HP コチラ

 

ホクト株式会社について

ホクト株式会社は長野県にある、研究開発から生産、

販売まで一貫して手がけるきのこの総合企業。

自分は、「きのこ」に特化して、「きのこ」のことばかり考えて

やっているので「きのこ博士」と呼ばれている。

生まれ変わったら「きのこ」になりたいと思うくらい、

「きのこ」の生き方が好き。

自然のままに、素直に生きている感じがいいなと思う。

大学の頃から「きのこ」の研究をしていて、会社に入って36年。

合わせるともう38年ほど「きのこ」と関わっている。

もともと微生物や発酵食品が好きで、近畿大学できのこ研究に熱心な先生の

授業を受けたのがきっかけだった。

その授業が本当に面白くて、そこからきのこの世界にのめり込んでいった。

「きのこ」の何が面白いかというと、育ち方。

菌糸が繁殖して、寒さや栄養不足など“危機”を感じると、

突如「きのこ」出てくる。

菌糸から「きのこ」へ“変態”する。そんな生き物はなかなかいない。

同じ種類でも、環境によって色や形、味まで変わる。そこが魅力。

ホクトで扱っているのは、ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、

ブナピー、シモフリヒラタケ、シイタケの6種類に、

ヤマブシタケ、アガリクス、キクラゲを加えた9種類ほど。

毎日「きのこ」を見ていても、やっぱり成長の過程が面白い。

育っていく姿を見るのが本当に楽しい。

 

 

キノコの種類

「シモフリヒラタケ」はホクトが独自に交配して作った新種。

自然界のヒラタケ本来の大きさを再現した品種で、

肉厚で香りが良く、日持ちもする。

かつて3万5千トンあったヒラタケの生産量が、

今では2千トンを切るまで減ってしまったので

品種改良して増やし販売にたどり着いた。

「生どんこ」は乾燥させずに生のままで

細かいひび割れをつくっているシイタケ。

生の状態で「どんこ」のようなひび割れのある「きのこ」

という意味で「生どんこ」という商品名で出している。

これは水で戻さなくてもいい。

社内ではそのひび割れを“味の道”と呼んでいる。

調味料が染み込みやすく、短時間の調理でも深い味が出る。

栄養面では、マイタケはビタミンDが豊富。

ブナシメジやエリンギなども買ってから

白い部分を上にして15〜20分ほど日光に当てるだけで、

ビタミンDが圧倒的に増える。

「きのこ」の魅力を最大限に引き出すのが

自分たちの使命だと思っている。

 

 

きのこの調理のポイント

ホクトの商品のひとつ「ブナピー」は白いブナシメジ。

オルニチンを多く含み、含有量はシジミの5〜10倍。

しかも熱に強いので、しじみ汁より“しめじ汁”の方がお得。

さらにビタミンDを増やしたい時は、

太陽に15分ほど当てればいい。

特にブナピーは白いので、上から光を当てても効果的。

「エリンギ」は縦に裂いてもいいが、

おすすめは茎を輪切りにすること。

ホタテのような食感でとても美味しい。

ホクトのこれらの商品は基本的に屋内で栽培しているので、

洗わなくても大丈夫。

気になる方は軽く洗っても構わない。

根元を切るときは、V字に包丁を入れると

食べられる部分を無駄にせずにすむ。

マイタケは根元を切らなくても大丈夫。全部食べられる。

 

 

ポルチーニの研究

自分は今、世界三大キノコのひとつ「ポルチーニ」の

人工栽培に取り組んでいる。

もう30年近く研究を続けていて、

最初、山で採ったものを培養したら簡単に芽が出たので、

簡単にできるのではないかと思って始めたのがきっかけ。

日本にもヨーロッパと同じ種が自生していることが分かり、

そこから本格的に研究を進めてきた。

木と共生して育つ種類なので、

ブナシメジやシイタケのように単独で増やすのが難しく、

採算が取れるまでにはまだ時間がかかりそう。

それでも人工栽培には成功しており、

「ホクトのポルチーニ」が並ぶ日も近いと思っている。

個人的にはキノコの中でポルチーニが一番美味しいと思う。

クリーム系のパスタに最高。

そのほか、エリンギを輪切りにしてチリソースで炒めた「エリチリ」や、

炒めたシモフリヒラタケに麺つゆと鰹節と水を加え煮つめたものを

炊きたてのご飯に混ぜて食べるのもおすすめ。

 

 

きのこで「菌活」

自分は、鍋料理に使うきのこはどれも合うと思っているが、

ポイントは冷たい水の状態から入れること。

沸騰したお湯に入れるより、冷たい水から入れて

70度前後まで加熱すると、旨味成分が3倍から5倍に増える。

「きのこ」は加熱しても形が崩れず、食感を保てる。

特にマイタケはプロテアーゼというタンパク質分解酵素が強く、

70度で最も活性化するため、

モツ煮やカレーの肉を柔らかくするのに最適。

加熱後100度まで上げると酵素の働きは止まるので、

70度になったところで一旦止め、10分、20分おくだけで効果がある

さらに「きのこ」は食物繊維が豊富で、

腸内細菌の餌になり短鎖脂肪酸が生成され、

免疫細胞を活性化させることが科学的に証明されている。

自分は「菌活」を意識しており、

1日に30〜50グラム程度を食べるとよい。

「きのこ」は素直な生き物なので、

そのようになりたいと思っている。

 

 

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