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2024.12.27

日本健康太極拳協会の楊進さんに聞く、健康法だけではない太極拳のメカニズム

NPO法人日本健康太極拳協会 理事長の楊進さんが登場

ゆったりとした動きで足腰やバランス感覚を鍛える太極拳。

健康法にとどまらず、動作理論や攻防のメカニズムについて伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

NPO法人日本健康太極拳協会 詳しくは、コチラ

 

太極拳とは何か?

太極拳は元々はヨガなどと一緒で武術だった。

インドのヨガが中国にわたり、少林寺になった。

現代は健康法として太極拳が広まったが、

武術として研究はされている。

太極拳はいわゆる運動神経とか交感神経を鍛え、

筋肉を鍛えるということをやめ、副交感神経で緩めていく。

目が覚めた状態でなくてもできるような、

メディテーションのような感覚。

太極拳はどこかだけ動くのではなく「一動全動」。

1つ動くと、全部が動く。

骨の数は、人は206個あるらしいが、骨は自分で動けない。

筋肉は約600ある。このどこかだけ動かすと、よくない。全部が動く。

筋肉は閉めると動かなくなる。開くと、緩む。

太極拳は「拳」と書いてあるが、拳を握りしめない。

それにより血液とかリンパ管とかの流れがスムーズになる。

中枢神経系と抹消神経系がある。

脳で考えて体動かすというのが普通だが、それは実は動かない。

運動神経もそうで、実は末梢神経で覚えさせたものというのは

体が覚える。それが目的。

例えば自転車は習っても乗れないが、一旦乗れたら、降りても乗れる。

そういう状態を作りたい。

 

 

太極拳の呼吸法

太極拳の動きの中には攻防の原理がある。

初めは攻防の原理を覚えて、

どこで受けて、どこで攻撃してと覚えるが、

それをいちいち頭で考えなくても、体が覚えていく。

呼吸は自然でいい。

太極拳は武術なので、攻撃の時吐いて、

防御の時吸ってるだけ。

呼吸は止まったら その瞬間血液も酸素もみんな止まる。

だから止めない。常に呼吸して動いてる。

空手とか格闘技など、強い攻撃に対して

強く受けるときには呼吸は吐く。

しかし、太極拳は防御をするとき常に吸っている。

吸うか吐くか、どちらかしかない。

ブルース・リーがおこなっているのは古い中国武術。

中国には武術は300ぐらい流派がある。

ブルース・リーの流派は、ジークンドーといって南のとても強い武術。

太極拳は北の方が元になっていて、寒いところのため、

ゆっくり動いて体を温めるという効果がある。

南の方は筋肉を鍛えるのがメイン。

インドから来たものが人によって、先生によって、

いろいろな流派に分かれた。どれも健康にいい。

 

 

楊さんと太極拳の出会い

自分は、日本生まれだが、

楊家将として語り継がれるほどの武勇伝を持つ武門の家系、

楊家の41代目。子供の頃から中国武術が身近だった。

父親が中国武術の訓練を受けていて、

日本に留学してきて、こちらで先生をやったりしていた。

父が自分に教えてくれ、いい先生を紹介してくれた。

中国では、座禅に対する立禅というのがある。

立っておこなう呼吸法。

形意拳という武術がベースで、三定式で立つ。

構えて、立って、そこで呼吸して、それをずっと継続する。

子供はすぐ動きたがって、やりたくない。

でもそれを我慢して、立っていなくてはいけない。

背中で吸って、お腹で吐いてというような呼吸法があり、

それが大胸筋の気が動くベースになっている。

筋肉を動かすのもこの気の流れで動かす。

意識でもって気を導いて、気でもって体を導く。

子供には太極拳はあんまりやらしてはいけない。

成長中にいわゆる体の筋肉を曲げた状態でいるってことは

負荷がかかるので、成長が止まったら太極拳をやったらいい。

 

 

世界に広がる太極拳

現在、太極拳はどんどん広がり、公園や公共施設、老人施設など、

どこででも太極拳教室がおこなわれるようになった。

教える人の年代も高いが、習う人も80歳から入って

90歳までやって師範を取るという人もいる。

師範の検定は最低10年やらないと受けることができない。

物事は習い始めて大体2年か3年で1つの転機を迎える。

3年ぐらいで形を24、全部覚え、自分でできるようになる。

太極拳には「太極十年不出門」ということわざがあり、

太極拳は10年やっても門から出られない。

10年の時を迎えて、そのあと20年、30年、どう進歩するかということ。

協会では健康、友好、平和を掲げている。

同じ太極拳をやることによって、共有意識が生まれる。

同じことを一緒に邁進していくというのは「友好」。

そして、こんなのんびりしたものは平和でなければできない。

自分の健康、幸せだけでなく、他者の健康と幸せを願う。

広々とした穏やかな心を持って接すれば争いは起きないという、

師家の信念がある。

だから世界中で太極拳はおこなわれている。

 

 

太極拳の普及への取り組み

太極拳は、2020年にユネスコの無形文化遺産に登録された。

これは太極拳がスポーツではなく、医療的な面で有効だから。

昔は、あんまり太極拳って言ってもわからない人が多かった。

今は、医師がおすすめしてくれる。

「太極拳」という言葉ができたのは。実はたった140年前。

それまでは違う言葉だった。

それが力をつかわないものに「太極拳」という字になった。

太極拳はスピードが遅ければ遅いほど感じやすい。

そして相手をみてからしか動かない。

腕力を使わず、より軽い力で重いものを動かせる。

太極拳をさらに普及する取り組みもおこなっている。

太極拳に関するさまざまなことが、今、解明されてきて、

昔からやってたことの理由がはっきりしてきている。

認知症にいいというデータも今アメリカで出ている。

これは太極拳の動作は難しいから。すごく難しいからすごく悩む。

簡単にわかってしまうものはよくない。

 

 

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