番組でも何度か触れた震災遺構ですが、あの時のつらさを思い出してしまい辛いのでやめて欲しいという方がいることはもっともな事と思います。
また遺構として後世に残すために改めて耐震補強を施すことも必要で、後世に長く伝えるため自治体には維持管理費という負担もかかり続ける問題もあります。
今回「あさぼらけ」と「オールナイトニッポンGOLD~東日本大震災から10年を迎えて~」のふた番組のために東北3県を訪ね3か所の震災伝承館と2か所の震災以遺構に足を運びました。
そこで肌で感じたことは遺構を残すことの意味でした。
仙台の沿岸部が津波に襲われ周囲の物が様々流されていく中で、一軒だけ流されなかった家の2階にいて助かった遠藤さんにはANNGOLDに電話でお話を伺いました。
震災3週間後に泥と倒れた鉄塔とかつて家や家具であったものが散乱する中でポツンと建つ遠藤家に迷い込むようにたどり着いて以来5~6回現地を訪ねていますが、伺うたびに水が引き瓦礫が撤去されあたりは広い空き地となっていったのです。
また遠藤家から南に行った荒浜地区も荒涼とした空間が広がり、唯一の建物は津波で鉄筋コンクリートの躯体だけが残った仙台市立荒浜小学校の校舎だけでした。
今回、震災遺構となり公開された仙台市立荒浜小学校内部に初めて入りました。
2階まで津波が押し寄せた校内は当時のままの様子を残し、波が襲い瓦礫が散乱したままの教室内や、テラスの鉄柵が水圧や瓦礫で飴のように折れ曲がった様は津波の脅威をまざまざと伝えます。
3階から上の教室は津波の映像や写真、インタビュー映像が展示されています。
荒浜の歴史と思い出を伝える展示室にはかつて800世帯2200人の人々が暮らす集落がジオラマで再現されていました。
そこで10年前から訪ねるたびに荒涼とした空き地を思っていた場所には人々の営みがあったことを初めて知ることになったのです。
人家がポツリポツリとあるのではなく、人々の息吹が今でも聞こえてくるような家や店が立ち並んでいる風景でした。
夏には海水浴で海の家も出て、秋には祭りがあり楽しく笑い合う震災前の写真と共にジオラマを見ると、2200人の方々の故郷が消え去ってしまったことの重みに息を飲みました。
後世に伝えるための伝承館や震災遺構の在り方には様々な議論がり、また今回訪れた伝承館の中にも胸に強く迫る施設もある一方、まだ改良の余地があると思われる施設もありました。
そのような中で、荒浜小学校は荒浜地区の見え方が一変する遺構の一つであることは間違いありません。
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