イチロー選手の引退会見は、延長12回の長い試合の午前0時頃から始まりまり午前1時半まで続いたそうです。
少し早く起きればネットの配信映像で見ることができたのですが、残念ながら惰眠を貪っておりました。
イチローさんには直接会ってインタビューした経験はもちろんありませんが、ものすごく近くで打撃練習をする姿を見た経験があります。
震災後の神戸に何年か続けて取材に行った際に、当時のオリックスの本拠地、グリーンスタジアム神戸にも足を運びました。
「がんばろう!KOBE」を合言葉に首位打者、打点王、盗塁王の3冠を獲得したイチローさんの活躍もあって、オリックスはリーグ優勝を果たしその存在は社会現象にもなっていた頃です。
当時のイチローさんは、今と比べればもっとほっそりとした体の選手でしたが、
しかし素振は、素人の私にもわかるほどのしなやかな回転でした。
グッと引いた弓の弦をパッと離した時のような、鞭をビシッと打ったような筋肉の動きと音で、それはもう見ていてホレボレとするものでした。
また大変な速さで繰り返すトスバッティングは、もはや生身の人間ではなくサイボーグのようでした(サイボーグって見たことはありませんが……)。
その日の夜、同行したディレクターがイチロー選手がよく足を運ぶ牛タン屋さんが神戸にあり、震災後もお店は無事に営業しているという情報を仕入れてきました。
イチロー選手に興奮した私たちはその店に行ってカウンターに座ったところ、私の隣になんとイチローさんの父上鈴木宣之さんがお座りになったのです。
イチロー選手の人気が高まるにつれ、その少年期に付きっ切りで打撃練習を見ていた父上は、当時チチローと呼ばれるようになっていました。
私も数日前に宣之さんにインタビューをしたばかりだったので「先日はどうも」
とか「グリーンスタジアムに行って練習を見てきました」などお話をしました。
それからは運ばれてきた牛タン料理に舌鼓を打ちながら同僚と話をしていたら、しばらくしてチチローさんの横に誰かが座ったのです。
その雰囲気で背が高い人だなと思いながら、なにげなく横顔を見ると「えっ!イチロー選手じゃないかぁ!」
しかし「これはプライベートだものなぁ」とか、「ピント外れの質問したら失礼だよなぁ」などと考えているうちに、サッと食事を済ませてお父さんと店を出て行きました。
「頑張って下さい!」というまったく工夫のない言葉をおかけするのがやっとであったお間抜けな私でありました。
社会現象になりありとあらゆることをメディアに取り上げられているイチロー選手を、そっとしておいてあげるのが人の道ではありますが、お前の仕事はなんなんだよと自問自答した神戸の夜でありました……
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