先日「あさぼらけ」で「世界の国境を歩いてみたら…」という本を紹介しました。
これはBS11で月曜日午後8時から放送されている同名タイトルの番組から出版された本です。
旧知のディレクター奥村健太さんからこんな本が出ますと言われ読んでみたところ、国境にほとんど縁のない生活をしている私にとって目からうろこのエピソードだらけの内容だったのです。
何かと話題になるアメリカとメキシコの国境の金網を挟んで、メキシコからアメリカに渡った移民とメキシコに残っている親族がバレーボールをしていたり食べ物を投げあっているなんて風景もあるのだという導入から始まって、中米、アジア、ヨーロッパなどの国境に実際に足を運んで観たもの聞いたもの体験したことが満載です。
検問所があってパスポートなどを厳しくチェックして場合によっては国際的な紛争の火種にもなるという、かなりピリついたイメージしかない国境ですが、そこにはなかなか人間臭い物語があるのですねぇ。
曰く、第2次世界大戦後に境界が変わってしまったフランスとイタリアの国境近くの町には親がイタリア人で自分がフランス人という家族がいる。
曰く、アメリカに次ぐ食品輸出大国のオランダは食料品が安いので、食材を求めてお隣のベルギーからは買い物客がたくさん訪れる。
しかし教育はベルギーのほうがはるかに充実しているために、レベルの高い教育を受けさせたい長男はベルギーの学校に通わせ、のんびり育てたい次男はオランダの学校に通わせる。
曰く、ノルウェーとスェーデンは人間は自由に行き来できるが、ノルウェーの先住民が大切に育てているトナカイはスウェーデンに逃げないように柵が作られていて、逃げられた飼い主は罰金を払わなければならない。
等々フリートークのネタにしだしたらいつまでも話せる話とともに移民や難民の問題や、EU加盟国と非加盟国の関係などを知ることも出来る本でした。
日頃スタジオで新聞の切り抜きをチマチマ紹介しているわが身を思えば、やはり行ってみて観てみて経験することの大切さを痛感したしだいです。
ちなみに番組のナレーターはピエール瀧さんがいい味を出して担当しています。
嗚呼、こういう番組のナレーションを私もやってみたいものですなぁ……
「世界の国境を歩いてみたら…」河出書房新社 定価本体1400円+税です。
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