25日の5時台に「ミュージックソン」の中でリポートした内容でもあるので、もうしばらく掲載しておきますね。
では。
少し前の新聞に白杖を(視覚障害者の方が持つ白い杖)を持った方が電車内で席を譲られ、席に座ってスマートフォンを操作したところ「見えてるんじゃないか!」と言われてしまったという記事が掲載されました。
そうなのです。視覚障害の方々には全く見えないという方もいれば、弱視など視力の低下や視野が狭くなるなど様々な症状があるのです。
そのように見えにくいという方のために視覚障害者用のスマートフォンを始め、見えやすくする器具も様々開発されています。
先日、視覚障害者から様々な相談を受ける社会福祉法人「日本盲人会連合」総合相談室室長の工藤正一さんにお話を伺う機会がありました。
工藤さんは途中失明の方々に、職場復帰や新たな仕事に就けるようにアドバイスしサポートをする認定NPO法人「タートル」の副理事長でもあります。
そして工藤さん自身も1981年、働き盛りで、3人目のお子さんが生まれた32歳の時にベーチェット病という原因不明の難病に罹り38歳で完全に失明するという経験をしています。
当時、労働省に勤めていた工藤さんですが、見える時と見えない時の波を繰り返しながらも徐々に視力が失われてゆくこの頃が一番つらかったと言います。
しかしその一方で拡大鏡などを駆使し書類や新聞を読み、また独学で点字も習得しながら労働省に勤め続けることで視覚障害者の就労を支援する仕事ができないかとも考えます。
完全失明した38歳でリハビリテーションを目的に千葉の盲学校に入学し、歩行訓練や点字、そのころに開発された音声ワープロの操作、さらには鍼灸マッサージの資格も習得します。
その後、所沢の国立職業リハビリテーションセンターで視覚障害者向けのワープロを中心としたIT技術とパソコンの基礎知識を習得するため、半年間の研修を受けます。
そして42歳の時に労働省に完全復帰を果たし障害者のための雇用対策や調査研究、ハローワークの窓口での相談などを経て2014年に退職し現職に至っています。
とここまで読むと、工藤さんは超人的に前向きな視覚障害者で、また公務員という恵まれた立場にいるからこそ職場に復帰できたと考えてしまう人も多いと思います。
しかし当時と異なり、現在では障害のある方々を差別することなく雇用し働きやすい環境作りを進める「改正障害者雇用促進法」などの後押しもあり、状況は大きく変わってきているようです。
だからこそ工藤さんは一人で悩まずに、できるだけ早い時期にロービジョンケアを受け、私たちに繋がり、可能性があることを知って欲しいと話します。
もちろん視覚が失われてしまうという現実を受け入れることが出来ずにうつ状態になってしまったり、職業訓練などの受け入れ態勢の存在を知ることなく不安な中で悶々と数年を過ごしてしまう人も大勢いることも事実です。
そこで工藤さんは自身の経験を生かし、眼科医とも連携をし見えなくなってしまう前に出来る限り準備をすることの大切さを説き、ITの技術習得や通勤のための歩行訓練をしながら勤務を続け、たとえ失明しても仕事が続けられるような環境作りのための活動を続けています。
もちろんそれには本人の前向きな姿勢と、受け入れる側の会社の理解も必要です。
技術の習得が出来る地域はどうしても首都圏に偏っているという現実もあります。
場合によっては自宅を離れて訓練施設に入所することも必要になりますが、これらの支援はすべて国の予算で賄われています。
視覚障害者を受け入れている会社の規模も大企業から中小企業まで幅広く、助成金を受けながら視覚障害者が働きやすい環境作りに乗り出しているところも多々あるそうです。
音声パソコンを使って勤務表の作成から企画書の作成や総務、人事、経理、企画開発など様々な仕事に復帰して仕事を続けている方々の経験談を聴くことで、決して一人ではないのだということを知って欲しいと工藤さんは訴えます。
そのために社会福祉法人「日本盲人会連合」では視覚障害者の方々のあらゆる相談を土日祝日を除く朝10時から夕方4時まで
03-3200-0011
で受け付けています。
また視覚障害者の就労に関しては認定NPO法人「タートル」で、こちらは土日祝日を除く朝10時から夜8時まで
03-3351-3208
で受け付けています。
今度の土日は「ラジオチャリティーミュージックソン」です。私は25日日曜日の5時台に、工藤さんから伺ったお話をスタジオでリポートします。
しかしながら今まさに視力の衰えに悩んだり事故による突然の失明に直面している方々や、知り合いがそういった問題を抱えているという方々のために、一人でも多くの方に工藤さんたちの活動を知っていただくために、このブログにも書き留めておくことにしました。
クリスマスの早朝なので、ラジコのタイムフリーで後日お聴きいただき、多くの方にシェアしていただきたい情報だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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