友人から「渋谷に渋い飲み屋さんがあるから土曜日に行こう」と連絡がありました。
当然「いいねぇ」となり「じゃ待ち合わせはハチ公の尻尾のところでね」と友人が言うものですから「いいねいいねぇ。
渋谷の待ち合わせはハチ公の尻尾だよねぇ」と悪乗り半分で約束しました。
渋谷は、コンサートや映画を観る際には仕方ないなぁという感じで足早に通り過ぎる場所です。
高校時代には我が物顔で闊歩していた渋谷ですが、今や私にとって疎外感しか感じない街になってしまったのです。居場所がないのですよ。(我が家や会社も若干そうなんですけどもね……)
待ち合わせは土曜日の夕方4時45分でしたが少し早めについたのでスクランブル交差点やハチ公前をぼんやり眺めていましたが、しかしまぁなんと海外からの観光客が多いこと。東南アジアや欧米からのお客様のほうが日本人よりも多い感じです。
スクランブル交差点ではそういった観光客が手に手にスマートフォンを持って歩きながら「あの有名な日本の交差点を歩いてまーす!」と動画を撮りまくっていました。
そして交差点の真ん中で立ち止まり「イェーイ!」と仲間と記念写真を撮っています。
日韓ワールドカップや大晦日、そしてハロウィーンの交差点での騒動をネットなどを通じて海外で見た人たちが、「ここがそうなのか!」という興奮状態でした。
そしてハチ公に近づくと、これまた多くの外国人観光客が銅像を取り囲み、ハチ公に向けスマートフォンをかざしています。
なにかこう宗教的なモニュメントに救いを求めて手をかざしている群衆という光景です。
しかしそれにしても、こんなにも海外の人々はハチ公に興奮するものかと、待ち合わせ場所の尻尾に近づくと、なんと!
お座りをして主人の帰りを待つハチ公の前足の間に、本物の猫が鎮座しスヤスヤ眠っているではありませんか。
誰かがハチ公の足元にジャケットを敷いてその上に連れてきた猫をそっと置いたという感じです。そりゃ、外国人観光客でなくても写真に撮りたくなりますよね。

私も思わず撮ってしまいましたよ。
ハチ公を取り囲んだ人々の輪から抜け出した瞬間、今度は道路とハチ公の間にある植え込みの淵に腰かけていた、東南アジアからきた女性たちが「キャー!」と大きな悲鳴を上げてその場から逃げています。
何事かと植え込みを見ると、巨大なネズミがシュルシュルシュルーッと駆け抜けていきます。
なるほどイヌとネコはかわいがられるけれど、ネズミはやっぱり気味悪がられるのです。
ウオルト・ディズニーという人は、なぜその嫌われもののネズミをキャラクターにしたのだろうとネットで検索すると、彼が貧しかった若き時代に部屋に出没するネズミとパンを分け合ったという話や、いやいやそんな美談ではなくてねという話がザクザク出てきました。
しかしやはりネズミが急に飛び出てくると私も思わず一歩後ずさりしてしまいましたよ。
そうやって待ち合わせて尋ねた渋谷の渋い店は宮下公園横の「のんべい横町」の中の店でした。

20年前から通っていたという友人に「なんでもっと早く教えてくれなかったんだよぉ」と思わず文句を言ったほどの料理のおいしい居心地の良いお店でありました。

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