上柳昌彦 ラジオの人

2016.10.30

もう1試合!

贔屓のチームも人気の在京球団も出ていないにもかかわらず、今回のプロ野球日本シリーズは本当に面白かったです。

こんなにも引き込まれたのは、広島が32年ぶりの日本一を達成するかということと、黒田投手がどのように最後のマウンドを迎えるのかということ、そして時代のバトンを黒田投手から受け取る日本ハム大谷投手の二刀流の物語の結末を見届けたいという、様々な見どころがあったからです。

それだけに、このシリーズが第6戦で4対10で日本ハムが勝ち、突如という感じで幕を下ろしまったことに、えっ!終わってしまうの!日本シリーズ!という感じがしてなりませんでした。

やはり日曜日、第7戦で黒田投手と大谷投手の投げ合いを見たかったですよ。次の日は「あさぼらけ」で早起きだけど……

栗山監督の優勝監督インタビューでもしきりに「実感がわかないです」と繰り返していましたが、監督自身も7戦までもつれこむと踏んでいたのでしょう。

そうでなければ6戦に大谷投手を先発させましたよね。

「サンケイスポーツ」の野村克也さんのコラム「ノムラの考え」の見出しは「大谷温存で胴上げという不思議な結末」とありました。

確かに「投打にわたる中心、大谷を温存したまま日本一になった。
考え方は人それぞれだ。ただ私には、到底まねできない栗山監督の采配だった」と野村さんは書き、「自分なら一気に勢いに乗って第6戦で勝ちにいっただろう」「大谷投手を胴上げ投手にというファン重視の思いだったかもしれない」ともおっしゃっています。

しかしながら、このストーリにはならなかったことで、唐突に物語が終わってしまったように感じたわけです。

今回のシリーズで、「ソウデスネェ」と必ずヒーローインタビューで話し出す憎めないレアードの人柄や、8回のバース投手のタイムリーで35年ぶりに「バース」という名前の選手が日本シリーズで得点を上げたことなどを知りました。

6試合連続でシリーズ登板したジャクソン投手の交代のタイミングは「自分の判断ミス」と広島緒方監督は取材に答えました。

あの時もし……いやいまさら言ってもしかたがないのですが、それでももう1試合、やっぱりやって欲しかったなぁ。