上柳昌彦 ラジオの人

2016.09.09

イマジンスタジオにて

ニッポン放送地下2階のイマジンスタジオは、オノヨーコさん公認の世界で唯一ジョン・レノンの「イマジン」から名付けられたスタジオです。

このスタジオで「ミート・ザ・ビートルズ・ライブ in イマジンスタジオ」というイベントの司会を担当しました。

9日に世界同時発売されるザ・ビートルズ唯一の公式ライブアルバム「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル」の試聴と、そして
9月23日に公開されるロン・ハワード監督の長編ドキュメンタリ―映画「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」の一部分上映というイベントでした。

CDに関しては発売日前日ということもあり、未発表曲を含め全17曲すべてを、イマジンスタジオの大きなスピーカーでお聴きいただくことが可能だったのですが、問題は映画のほうでした。

公開が少し先ということもあり、事前に一部分しかお見せできないと先方から聞いてはいたのですが、これがまぁ本当に一部分だったのです。

予告編2分15秒と翻訳なしのポールのインタビューと演奏シーンが1分5秒、そして「EIGHT DAYS A WEEK」のレコーディング風景が1分、以上!という短さでありました。

おいおい!試写会と聞いて台風崩れの温帯低気圧の中わざわざ来たというのにたったこれだけかよぉ!という熱心なビートルズファンの皆さんの心の叫びが聞こえそうな気がしました。

しかし!トークゲストの宇崎竜童さんと音楽評論家の萩原健太さんの興味深いお話の数々に大いに助けていただき、結果的には皆さんには満足していただけたようです。

宇崎さんはアマチュアの頃に、ビートルズの楽曲はビートルズのあの4人以外ではあの雰囲気に決してならないことを痛感し、決してカヴァーしなかったそうです。

あの演奏、あの声、あのコーラスは彼らにしかできないものだから、絶対に手を出さなかったと繰り返しおっしゃっていました。

萩原健太さんは、このCDと映画を観て、改めてビートルズはたたき上げのライブバンドであることがよくわかると分析し、今とは比べ物にならないような貧弱な音響機材であの大歓声の中、演奏することが出来たことの大変さと凄さを語って下さいました。

また音楽理論的には正しくはないハーモニーやギターコードのミスタッチすら、なんかこれでいいんじゃない!と雰囲気で押していくことの大胆さも彼らならではなのだと、お二人は口をそろえておっしゃっていました。

というような話を伺いながら映像を観てCDを聴くと、これが相当に感動するのですよ。現に短い映像やCDの演奏が終わるたびに会場から拍手が起こりましたもの。

また「あさぼらけ」宛に、よかった!という感想メールもたくさんいただきました。

開演直前に、頼みの萩原健太さんが遅れてくることがわかり、いやはや本当に様々どうしようと思いながら始まったイベントではありましたが、なんとか皆さんに喜んでいただいたようで、正直ホッとしております。

このイマジンスタジオでは数年に1回、ビートルズ関連のイベントを開催し、ご来場の皆さんにはヨーコさんとジョンさんの設立した団体「スピリット・ファウンデーション」への募金をお願いしています。

この募金はアジアやアフリカの教育を受ける機会のない子供たちのための学校建設支援に使われますが、今回も皆さんから多くの募金をいただきました。

なにまで様々本当にありがとうございました!