シルバーウィークいかがお過ごしですか。日曜日の夜は各高速道路の上りがかなり渋滞していました。やれやれ時間が読めないよと物流関係の方々はぼやいていることでしょう。
国会前のデモを2回取材しました。地下鉄の駅から地上に出ると警察官が「デモに参加される方は、こちらをまっすぐ進んでいただいて突き当りを右に曲がっていただいて~」と観光地のように誘導していたことが印象的です。
このあたりが60年、70年安保のデモと大きな違いですが、しかし車道には絶対に出さないぞと並べられた警察車両の多さには驚きました。他のところで何かがあったらどうするのだろうと余計な心配も。
平日の午後はさすがに団塊の世代が中心でした。趣味のトレッキングで使っているレインウェアー姿の集団を見かけると、ほとんど奥多摩駅の朝という感じです。
夜になるとまさに老若男女、労働組合や市民団体など組織に所属している人、明らかに一人でやって来て手作りのプラカードを持って道路わきの石垣に座っている人など様々です。
映像で見かける同じフォントのプラカードは現場で大量に配布していました。配っている人にどちらの方ですかと聞いたところ「総がかり行動実行委員会です」とのこと。
よく耳にする団体だと思い調べると、多くの学者、ジャーナリスト、俳優、文学者の名前が、まさにあの人もこの人もという感じで賛同者として名を連ねていました。
大量のプラカードや国会前の歩道に数メートルおきに設置された巨大なスピーカー、それに関連したPAシステムやミニステージなど、相当にお金かかっていると思ったのですが、とこういった方々の寄付が資金源なのでしょう。
デモに関して産経、読売は民主主義とはなんといっても選挙なのだから冷やかに報じ、朝日、毎日、東京は民意の表現は選挙だけではなくデモも大きな影響を与えるのだと多くの写真とともに報じています。
学生時代、学園紛争のあおりで母校では学園祭がありませんでした。特定のセクトの資金源になるという理由でした。ならばとノンポリの学生が集まって「学園祭をやろう!」となりました。
警察にデモ届を提出して車道での「学園祭やろうデモ」に私も参加しました。道行く人は何やっているの?とかがんばれ学生とか反応は様々でしたが、こちらの気分は相当に高揚したのを覚えています。
しかしそこにもセクトの人間がいつの間にか入り込んでいて、対立するセクトから決起集会中に襲撃を受け、ノンポリ学生の私たちはアワアワと逃げまわるという事態になり、結局学園祭期間中、大学はロックアウトされるという情けない顛末。
私は閣議で憲法の解釈が変更されたことにやはり相当に抵抗を感じます。国民はわかっていないから我々政治家が総合的に判断するから任せておきなさいということがどんどん可能になるきっかけを作ってしまったからです。
今の内閣で極端に危険な方向に進んでしまうとまでは思っていませんが、将来そんなことにならないとはだれも言い切れませんもの。
法律は最終的には国会議員の判断で作られます。その国会議員を選ぶのは我々ですが、一昨年の参議院選挙、昨年の衆議院選挙ともに投票率は52%を少し超えるぐらいです。47%の有権者は政治家にお任せしてしまったことになります。
その政治家が、勝手なことを始めても後の祭りです。47%の人々がたとえ気分の高揚を感じながらデモをやったとしても、投票で可決されればその声は議会に届かないという事実が現実としてあります。
ふと思うのですが、選挙期間中に今回のようなデモが大規模に国会前や街頭で行われたらどうなるでしょう。放送では公職選挙法の縛りがありますからその報道にかなり気をつかうでしょうが、リベラルな論調の新聞ではかなり紙面を割くと思います。
ただしスピーカーを使用してデモを行っている時に、選挙カーが近づいてきたら、選挙妨害と言われないように演説を中止して選挙カーが通過するのを静かに待ちましょう。なにせ公職選挙法がありますから。
さて来年の7月には参院選があります。その頃まで今回の国会前の熱気は続くでしょうか。そしてさらにトンデモ発言をしたトンデモ議員がいたことを私たちは覚えているでしょうか。
忘れて欲しい政権。忘れっぽい国民。その時のムードでわっと盛り上がる世論。次の餌食を求めるネットの世界。それをななめ読みする電車内。
と言う訳で「日本のラグビー凄いじゃん!」と相変わらずの「にわか」ぶりを発揮する私ですけどなにか?
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