ニッポン放送アナウンサー 内田雄基です。
2021年7月3日
その日私は、ニッポン放送ニュースの担当でした。
午後4時頃になってこのニュースの第一報が届きました。
ただ事ではないとすぐに思いました。
状況が分からない中、第一報を伝えた後に、伊豆山(いずさん)地区の映像が流れ、少し放心状態になったのを覚えています。
1週間後、私は現地からレポートをしました。
この7月3日で、熱海市伊豆山土石流災害から1年を迎えます。
私は、今回災害から1年経った伊豆山地区を訪ねました。
①逢初橋(あいぞめばし)
国道135号にかかる逢初橋(あいぞめばし)は、災害発生直後は、側を濁流が流れていた為に、通行止めになっていました。
伊豆山地区や周辺地域の住民の方にとって、135号は生活の中心になっている道路です。
この橋が通行止めになっていた当時は、橋のすぐ向こうに行くためには、大きく迂回するしかありませんでした。
写真は発災翌日の逢初橋です。
あれから1年が経ち、現在は現在逢初橋は、通行止めは解除されて、住民の方の生活道路として、再び活躍しています。
橋は当時のままです。一部欄干は、ひびが入っています。
道路は開通し、今日も住民の方の生活を支えています。
橋の側には献花台が設置され、お花や飲み物などが供えられています。
②逢初橋(あいぞめばし)と伊豆山港の間
逢初橋(あいぞめばし)から、伊豆山港に向けて濁流が流れていましたが、濁流は決して普段川が流れている上を流れていたわけではありませんでした。
災害直後に撮った写真です。
周りの木で少し分かりにくいですが、当時濁流が、道路の上を流れていきました。
両脇にガードレールが設置されていなければ、濁流の下にコンクリートの車道があったと気が付かなかったかもしれません。
1年経ち、道として復活していました。
③伊豆山港の真上から
写真は、災害発生直後の伊豆山港を山の上から撮影したものです。
写真の右下の港から茶色く濁った水が海に広がっていることが分かります。
伊豆山港まで流れ着いた土石流は、最終的に海に流れ出していました。
一年後の写真を見るとその違いがよく分かっていただけると思います。
④被災地区の中心
災害直後、伊豆山地区に向かった際は、一切立ち入ることが出来なかった伊豆山地区ですが、現在は一部を除いて立ち入り禁止は解除されました。
逢初川(あいぞめがわ)周辺の被害の大きかった地域は、現在も立ち入りが出来ません。
被災した家屋は取り壊しが進んでいます。
家が取り壊され、土台が見えています。
ただ、未だに当時の爪痕を残した家屋も多くあります。
家の中でも川に近い側だけが、何かダンプカーが通ったような大きな穴が開いています。
人は住んでいないようです。
1年では、地区の家の取り壊しも終わっていません。
伊豆山地区はとても急峻です。
歩いて回るのもかなり疲れるのですが、重機が活躍しにくい事も復興がゆっくり進む一因なのかもしれません。
少し、もどかしい気持ちもありましたが、町でこのようなものを見つけました。
伊豆山地区の中央よりも山の上の方にある、被災した建物に
「支援感謝ありがとうございます」との幕が張られています。
私一人では、支援と呼べるようなことは出来ません。
ただ、このブログで皆さんに今の伊豆山を伝えることは私にできることなのかもしれないなと考えてブログを書きました。
熱海市伊豆山土石流災害から1年。現地にいきまして、進んだこと、これからのことどちらも感じることが出来ました。復興の道はまだまだ長いです。
熱海市は、
6月26日(日)に、被災者らが、復興まちづくりを話し合う第2回のワークショップを開いています。被災者の声を集約して、市が進める復興計画に盛り込むことが目的です。
災害発生からちょうど1年の7月3日(日)に、伊豆山小学校で犠牲者追悼式を執行します。
伊豆山は道のりの先にある復興に向けて、歩んでいきます。
内田雄基
熱海市伊豆山土石流災害
2021年7月3日午前10時半ごろ、
静岡県熱海市伊豆山の伊豆山神社付近から、大規模な土石流が発生し、逢初(あいぞめ)川に沿って土砂が街を飲み込みました。土石流は2キロにわたり、最終的には海岸にある伊豆山港まで流れ着きました。
26人の尊い命が奪われ、いまだ1人の行方が分かっていません。
災害発生から1週間後の7月11日に、私は現地からレポートを伝えました。
その後、原因とされている「不正な盛り土」の問題が発覚し、連日ニュースになっていたことは記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
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