ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.04.14

サンデー早起キネマ『異人たち』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/14は、家族の絆と愛を描いた3本をご紹介。

2本目は、イギリスから届いた愛と喪失の物語
『異人たち』

原作は、去年亡くなった名脚本家・山田太一さんの小説「異人たちとの夏」。
このユニークな幻想の世界に魅了され、自らのプライベートな要素を織り交ぜ映画化したのは、『さざなみ』『荒野にて』のアンドリュー・ヘイ監督です。
1980年代の日本から現代のロンドンに舞台を移し、同性愛者というセクシュアリティの主題も加え、愛と孤独、喪失と再生、家族の絆など根源的なテーマを探求しています。

主人公のアダムは、ロンドンのタワーマンションの上層階で暮らす40代の脚本家。12歳の時、両親が交通事故で亡くなり、寂しさを抱えずっとひとりぼっちで生きてきました。
両親との思い出をベースにした脚本を書こうとしているアダムは、久しぶりに幼少期を過ごした郊外の家を訪れますが、そこには驚きの光景が広がっていました。まるでタイムスリップしたかのように、30年前にこの世を去ったはずの父と母が当時のままの姿で住んでいたのです。でも、彼らと同じ世代になっていたアダムを自分たちの子どもとして自然と受け入れてくれた両親。二人と心満たされるひと時を過ごしたアダムは、その後も実家に足繁く通うようになります。
一方、同じマンションの6階に住む謎めいた青年ハリーに自分と同じように孤独の影を感じたアダムは、彼と情熱的な恋に落ちて行きます。しかし、夢のような愛おしい日々は永遠には続きませんでした……。

30年も前に亡くなった両親に30年後の自分が出逢う…とっても不思議な物語です。
そして、一緒に暮らしていた子供の頃のことを楽しそうに話してくれる両親。ちょっと照れくさいけれど、大切に育てられた日々が蘇ります。日々の生活の中の小さな違和感も分かり合えなかったことも、今なら話せるかもしれません。
もし、自分が今、子供の頃の両親に会えたら、どう思うだろう、どんな会話をするのだろう…アダムと両親のことなのに、同じ状況を自分に置き換えていることに気づきます。パラレルワールドを行き来するアダムの旅は、私たちの心の旅にもつながるのです。

アダムとハリーと両親…主な登場人物は4人だけ。役者の演技も光ります。
80年代を思わせる35mmフィルムの美しい映像と音楽、そして実力派キャストのアンサンブルが私たちを郷愁と幻想の世界に誘います。一歩、踏み出してみませんか?

『異人たち』
4月19日(金)より全国公開

公式サイト:異人たち | Searchlight Pictures Japan
 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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    • ひろたみゆ紀
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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