おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/22は、各国の変わりゆく時代の中で生きる人々を描き出す作品を3本をご紹介。
1本目は、実話から生まれたインド版『ニューシネマパラダイス』!
可愛くてほっこり、先人に捧げる感謝と感動の物語
『エンドロールのつづき』
チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる…パン・ナリン監督自身の驚くべき物語が映画化されました。
主人公は、インドの田舎町に住む9歳のマサイ。学校に通いながら、父がチャイ=お茶を売る屋台の仕事を手伝っています。
厳格な父は映画を低俗なものだと思っていますが、信仰するヒンドゥー教の女神カーリーの映画は特別だと、ある日、家族で街の映画館・ギャラクシー座に映画を見に行くことになります。溢れかえる人込みの中やっとのことで席に座ると、目に飛び込んできたのは、後方からスクリーンに伸びる一筋の光…そこにはマサイが初めて見る世界が広がっていました。
すっかり映画の虜になったマサイは、学校を抜け出してはギャラクシー座に忍び込みますが、チケット代が払えずつまみ出されてしまいます。その様子を見ていた映写技師のファザルが素敵な提案をしてきました。料理上手なマサイのお母さんが作るお弁当と引き換えに映写室からタダで映画を見せてくれるというのです。
映写室でお弁当を食べながら映画のことを教わるマサイ。そして小さな窓から見る色とりどりの数々の映画に圧倒され、いつしか映画をつくりたいという夢が芽生えるのです。
オーディションを勝ち抜いたマサイ役のバヴィン・ラヴァリは、なんと演技初挑戦!映画を観た時の喜びやがっかりした時の表情まで信じられない演技力。しかもとても可愛いんです。
子供たちが映画らしきものを作ろうと奮闘する姿も可愛くて一緒にワクワクしますし、全編を通して光を上手に取り入れた映像が本当にきれいでうっとりします。
また、パン・ナリン監督が敬愛するリュミエール兄弟、エドワード・マイブリッジ、スタンリー・キューブリックなど巨匠たちに捧げるオマージュがちりばめられていて、それを探すのも楽しみの一つ。
まさに、世界で一番の映画ファンだと語る監督が世界中の映画ファンに贈る映画へのラブレター。光と色に心奪われ、セリフの数々に心を揺さぶられ、最後は感動の涙にぬれました。
あっ!お母さんが作るスパイスたっぷりのインドの家庭料理も見逃せません^^
今もインドに残る階級制度や貧困の中で、大きな夢を抱き未来を照らす光を追い続ける少年の姿に希望をもらえる宝箱のような感動作、美しい映像を是非大スクリーンで!
『エンドロールのつづき』
2023年1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開
公式サイト: movies.shochiku.co.jp/endroll
監督・脚本・プロデューサー:パン・ナリン
出演:バヴィン・ラバリ バヴェーシュ・シュリマリ リチャー・ミーナー ディペン・ラヴァル
2021年/インド・フランス/グジャラート語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/
日本語字幕:福永詩乃 G 応援:インド大使館 配給:松竹
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