おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/10は、公開されたばかり、趣がまったく異なる3本をご紹介。
2本目は、これも誰にでも関わる普遍的な現代のある問題を取り上げています。
フランスを舞台にした70代女性同志のカップルの物語
『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

舞台は南フランス・モンペリエにあるアパルトマンの最上階のふたつの部屋。
ひとつには、不幸な結婚生活の果てに夫が先立ち娘と息子も独立、今は静かな隠居生活を送っているマドレーヌが住み、もうひとつの向かいの部屋には、ドイツ人のニナが住んでいます。
ふたりは、ドアに鍵もかけず一軒の家のようにお互いの部屋を行き来する親友に見えますが、実は、旅先のローマで出会って以来、長いこと恋愛関係にありました。
ふたりの望みはアパルトマンを売却して、揃って思い出の地ローマに引っ越すこと。しかし、マドレーヌは、どうしても真実を子供たちに打ち明けることができません。
そんなある日、ある悲劇がマドレーヌを襲い、ふたりは究極の選択を迫られることに。
最愛の人と築き上げた日常が突然崩れ去った時、自らの手で人生を取り戻すべく抗う彼女たちが選んだ答えとは??

日本では最近BLボーイズラブが大ブーム、4/8に『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』も公開されたばかりです。
LGBTQに関する映画もだいぶ増えてきました。男性同士のカップルが多い印象ですが、女性同士の恋愛も『燃ゆる女の肖像』や『アンモナイトの目覚め』など、このコーナーでもご紹介してきました。でもこの作品はさらに一歩進んだともいえるでしょう。それは若い彼女たちの遠い未来=70代を描いているから。

監督は、この作品が長編デビューのイタリア人フィリッポ・メネゲッティ。この作品で、フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞の新人監督賞を受賞。
彼は「同性愛者であろうとなかろうと、誰もが共感できる問題が描かれている。他人の視線について、また自己検閲についての物語だ」と語っていますが、良き母として生きてきたマドレーヌは、子供たちが傷つくかもしれないと思い、自分とニナの関係をどうしても告げることができません。そのせいで自分を縛ってしまうのです。

ちゃんと告げていたら物語は違った方向に進んでいたことでしょう。でも、できない。それが人生なんでしょうね…自分の勝手な思い込みで、自分で自分を縛ってしまう。改めて普通って何だろうって考えます。そして、自分の思い通りに生きることがどんなに難しいことか。
自分の人生を取り戻すために闘う70代の女性たちに幸あれと願わずにはいられません。

『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』
4/8(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
公式サイト:https://deux-movie.com/
配給:ミモザフィルムズ
© PAPRIKA FILMS / TARANTULA / ARTÉMIS PRODUCTIONS – 2019

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