おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/27は、アカデミー賞作品賞ノミネート作品の中から、公開されたばかりの2本をご紹介。
2本目は、ショービズ界の華やかな光と甘美な闇。ギレルモ・デル・トロ監督お得意の不思議な世界に囚われてしまうサスペンス・スリラー
『ナイトメア・アリー』

タイトル通り、人間の業に向き合わされる不気味で心を激しくかき乱される“悪夢の小路”に迷い込んでしまったような傑作です。
物語の始まりは、1939年。第一次世界大戦から復興し、次の大戦に突入した頃。
訳あって故郷を飛び出した、成功への野心あふれる青年スタンがたどり着いたのは、人間か獣か正体不明の生き物を出し物に“ギークショー”をしている怪しげなカーニバルの一座。そこで出会った読心術の達人から技を伝授されたスタンは、一座の“感電ショー”で人気者だった美しいモリーを誘い、ショービジネスの世界での成功を目指して大都会へと旅立ちます。
やがてスタンは、人を惹きつける才能と天性のカリスマ性を武器に、豪華なホテルのステージで、上流階級の人々に読心術を披露して、拍手喝采を浴びる日々を送るようになります。
しかし、心理学博士のリリス・リッターとの出会いが、スタンの運命を大きく変えていくことになるのです。
スタンの更なる野望のその先に待ち受けていた、想像もつかない闇とは??

スタン役のブラッドリー・クーパーが、本当に魅力的。あんなショーマンに自分のことをズバリ言い当てられたら、何か仕掛けがあるにしてもコロッと騙されて拍手喝采しちゃうと思います。
さらにすごいのは、リリス・リッター役のケイト・ブランシェットとの絡み。恐ろしいほどの迫力と緊張感に目が釘付けです。

そして、引き込まれてしまうのは、映像も。だだっ広い乾いた荒れ地に建てられた色鮮やかなテントや観覧車、メリーゴーランドが目を引く怪しげなカーニバルの一座。見てはいけないものを見たいという人間の欲望を満たす場所でもあります。
そんな中で人の心を読む技を習得したスタンは、更なる高見を目指して大都会へ。怪しげなカーニバルとは打って変わって、セレブを相手にした舞台は、アール・デコ調のゴージャスで洗練された別世界。この二つの世界観がとんでもなくすごい!

もちろん、秀逸のストーリー展開がベースに在ってのこと。やがて仕掛けられた伏線が回収される時、「あっ!」と驚くだけでは足りない、とてつもない恐ろしさと無力感に襲われることでしょう。
「これが人間だよ」とギレルモ・デル・トロ監督が広げた絵本の前で立ちすくむ様な気分になります。

『ナイトメア・アリー』
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
公式サイト:ナイトメア・アリー|映画|サーチライト・ピクチャーズ (searchlightpictures.jp)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2021 20th Century Studios. All rights reserved.

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