スポーツ伝説

2023.02.24

2023年2月20日~24日の放送内容

【プロ野球 涌井秀章選手】

 昨年の11月、阿部寿樹選手との交換トレードで、東北楽天から中日ドラゴンズに移籍した涌井投手。埼玉西武・千葉ロッテ・東北楽天のパ・リーグ3球団で主力投手として活躍し、プロ18年で挙げた勝ち星は現役2位の通算154勝。在籍した3チームすべてで最多勝のタイトルを獲得しました。昨年最下位に終わった中日の立浪和義監督は、柱になれるピッチャーが足りなかったことから先発投手の強化を決断。落合英二ヘッドコーチが推薦したのが涌井投手でした。涌井投手がロッテにいた2015年、延長10回を投げ抜き、リーグ最多勝となる15勝目を挙げた試合で、「絶対代わるな!投げ続けろ!」とベンチで檄を飛ばしたのが、当時ロッテの投手コーチだった落合ヘッドだったのです。
 初めてセ・リーグでプレーする今シーズン、涌井投手は中日でも最多勝を狙うと宣言しています。4球団で最多勝が実現すれば、もちろん前人未踏の快挙です。ほかにも涌井投手が目標にしているのが、あと46勝に迫った通算200勝です。現在36歳ですが、球速も昨年150キロ台をマークするなど衰えを知りません。目指すは「50歳まで現役」。中日の大先輩、山本昌投手に続く2人目の偉業を狙っています。

   
【プロ野球 京田陽太選手】

 昨年の11月、野球ファンを驚かせたのが、中日ドラゴンズ・京田選手の横浜DeNAベイスターズへのトレードでした。京田選手はプロ1年目の2017年、中日の球団新人記録となる149安打を放ち、リーグ2位タイの23盗塁を決めてこの年の新人王に輝きます。その後は持ち前の守備力でショートのレギュラーになりましたが、バッティングが伸び悩みました。昨年は中日の選手会長を務めていましたが、5月に横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦で守備で軽率なミスをした際、立浪和義監督が激怒。試合中にもかかわらず、そのままファームに“強制送還”されてしまいます。その後、1軍復帰は果たしたものの成績は上向かず、再び2軍落ち。昨シーズンはわずか43試合の出場で打率1割7分2厘、ホームラン3本、8打点という自己ワーストの成績に終わりました。そしてシーズン終了後、DeNAへの交換トレードが告げられたのです。
 今年1月に行われた横浜DeNAの新ユニフォーム発表会にも選手代表の1人として登場し、このユニフォームをドロドロにして頑張りたいと抱負を語った京田選手。新しい背番号は98。中日に同期で入団した木下雄介元投手がつけていた番号です。木下さんは一昨年の8月、27歳の若さで急逝。仲が良かった京田選手は、大きなショックを受けました。道半ばで逝った元チームメイトの分まで頑張ろう、という思いが込められています。今シーズンの目標は「全試合、ショートでレギュラーとして出場すること」。そしてチーム25年ぶりの優勝です。

  
       
【プロ野球 松田宣浩選手】

 ホームランを打ったあとの「熱男!」の雄叫びで人気を集め、福岡ソフトバンクホークスの看板選手だった松田選手。今シーズンから巨人でプレーします。ソフトバンク入団3年目の2008年、サードのレギュラーに定着し、13年からゴールデングラブ賞を7年連続で通算8回受賞。三塁手としては歴代最多を誇ります。ホームランを量産できるパンチ力も魅力で、シーズン20本以上を7回も記録。21年には通算300号ホームランを達成しました。
 そんな松田選手は、節目のホームランを何度も打っています。14年5月に「プロ野球公式戦・通算9万5000号」を放つと、その4ヵ月後には「ホークスの球団通算8000号」も記録しました。元号が平成から令和に切り替わった19年5月には、「ホークスの令和第1号ホームラン」。この一発は、自身通算250号でもありました。さらにこの年「ホークスの令和100号」を記録したのも松田選手で、メモリアルの一発を打つたびに、おなじみの「熱男」コールでファンを沸かせました。ソフトバンク入団以来7度の日本一に貢献した大功労者の松田選手でしたが、プロ17年目の昨シーズンは出場がわずか43試合で、打率2割4厘、ホームラン0本と自己ワーストの数字で、戦力外通告を受けてしまいます。すでに39歳で引退も考えられましたが、現役続行を決断。5月に40歳を迎える熱い男が、巨人に新風を吹き込みます。

 

【プロ野球 長野久義選手】

 2019年の1月、巨人にFA移籍した丸佳浩選手の人的補償として広島に移籍した長野選手。プロ1年目の10年、打率2割8分8厘、ホームラン19本で新人王に輝くと、2年目の11年には打率3割1分6厘で、早くも首位打者のタイトルを獲得します。巨人に在籍した9年間は、毎年ふたケタのホームラン、100安打以上を放っていた長野選手。球界を代表する外野手でチームの顔でもあった選手がプロテクトされず、人的補償として移籍することに巨人ファンは大きなショックを受けました。それだけに、広島ファンには大いに期待された長野選手。しかし広島移籍後の4年間はなかなか本領を発揮できず、昨シーズンは出場わずか58試合。打率2割1分1厘と、自己ワーストの成績に終わります。そんな長野選手が気を吐いたのが巨人戦です。昨年7月、東京ドームで行われた巨人戦では、満塁アーチを含む2打席連続ホームランを放ちました。
 昨年11月、広島は長野選手のトレードを発表。移籍先は古巣・巨人でした。5年ぶりのジャイアンツ復帰で、背番号は移籍前と同じ7番です。この異例のトレードが実現したのは、広島のフロントが、4年間、数字以上にチームのために尽くしてくれた長野選手の功労に報いようという思いがあったからです。若返りの方針で出番が少なくなった長野選手のために、広島側から巨人に無償トレードを打診。巨人としてもチームメイトからの信頼も厚く、盛り上げ役でもあった長野選手の復帰は願ったり叶ったりでした。原辰徳監督は長野選手に、プレーだけでなく若手への指導も期待しています。帰って来たベテランが、3年ぶりのリーグ制覇を目指す巨人を盛り立てます。

   
【プロ野球 阿部寿樹選手】

 昨年、野球ファンを大いに驚かせたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスと中日ドラゴンズの間で成立した、涌井秀章投手と阿部選手の交換トレードでした。特に昨年は貧打で最下位に沈んだ中日だけあって、打線の要である阿部選手を放出したことは、中日大丈夫かと他球団のファンが心配したほどです。阿部選手は東北・岩手県の出身。2015年のドラフト5位で中日に入団し、4年目の19年からセカンドのレギュラーに定着します。昨シーズンは自己最多の133試合に出場し、ホームラン9本・57打点はいずれもチーム2位の成績。打率は2割7分ながら、ここぞという場面でたびたびヒットを放つ、チャンスにめっぽう強い選手です。また守っても、本職のセカンド以外にチーム事情に応じてサード、外野も守り、ユーティリティープレーヤーとして活躍。内野を守れる右のスラッガーを探していた東北楽天にとって、うってつけの選手でした。
 今年は地元・岩手に新球場「いわて盛岡ボールパーク」が開場します。5月に初のプロ野球公式戦となる楽天 対 ソフトバンク戦が予定されており、阿部選手は故郷に錦を飾ることを誓いました。現在33歳。プロ8年目ですが、ルーキーのつもりでレギュラー獲りをすると意気込む阿部選手。10年ぶりのリーグ制覇に向けたキーマンになりそうです。

 

来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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