スポーツ伝説

2023.03.03

2023年2月27日~3月3日の放送内容

【侍ジャパン 大谷翔平選手】

 いよいよ来週開幕する、野球世界一決定戦・第5回WBC=ワールド・ベースボール・クラシック。2009年の第2回大会以来、14年ぶり3度目の頂点を目指す侍ジャパンの中で、投打ともに鍵を握る存在が、ロサンゼルス・エンゼルスの二刀流・大谷選手です。昨シーズンは投手として15勝を挙げ、打者としてホームラン34本を記録。WBCでも投打両方での活躍が期待されている大谷選手は、昨年の11月、自身のインスタグラムで参加の意向を明らかにしました。
 今回、大谷選手が参加を決める上で大きな後押しになったのが、侍ジャパンの指揮官が栗山英樹監督だったこと。日本ハムの監督時代、ルーキーの大谷選手に二刀流を提案し、周囲から無謀だと言われながらも一緒に道を切り開いた栗山監督。今年1月、栗山監督から代表選手12人が先行発表された席に大谷選手もサプライズで登場し、改めて恩師への信頼感を口にしました。最大のライバルであるアメリカ代表のキャプテンは、エンゼルスの同僚マイク・トラウト選手。決勝戦で二人が世界一を懸けて対決する可能性も大いにあり、盛り上がり期待されます。

   
【侍ジャパン ダルビッシュ有投手】

 2009年の第2回大会以来、3大会ぶりのワールド・ベースボール・クラシック参加を表明したサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ投手。実に14年ぶりの侍ジャパン入りとなりました。第2回大会では、先発・抑えの両方で2勝を挙げ、防御率2.08、大会最多の20奪三振をマーク。準決勝と決勝は抑え投手として登板し、みごと胴上げ投手となりました。今回の代表メンバーの中で最年長の36歳、そして唯一のWBC優勝経験者です。そのため今大会では、第2回大会でチームの精神的な柱となったイチロー選手のような役割を期待されています。日本人メジャーリーガーの合流が3月にずれ込む中、ダルビッシュ投手だけは、2月の宮崎合宿から参加し、「ロッテの佐々木朗希君などとプレーできるのがすごく嬉しい」と意欲を見せました。
 今年2月に、所属するパドレスと6年の契約延長を交わしたダルビッシュ投手。30代後半のベテランが大型の長期契約を結び直すのは、メジャーでは異例のことです。「自分がパドレスで教えて頂いていることを、日本の選手たちにシェアできることをすごく楽しみしています」と語ったダルビッシュ投手。今回の侍ジャパン参加は、自分を育ててくれた日本球界への恩返しの意味もあるのです。ベストメンバーで臨む今回。若い選手たちと自身2度目の栄冠を目指します。

  
       
【侍ジャパン 大城卓三選手】

 WBC日本代表入りの報せを聞いて、「正直ビックリしましたけれど、身の引き締まる思いです」とコメントした読売ジャイアンツ・大城選手。社会人時代に侍ジャパンに選出されたことはありましたが、プロ入り後は一度も代表入りがありませんでした。大城選手が期待されているのは“打てるキャッチャー”としての役割です。プロ入りした時から、大城選手のミート力と長打も打てるパンチ力は高く評価されてきました。1年目の2018年、開幕戦で代打に起用されると、いきなりプロ初ヒットを記録し、開幕3戦目には早くもスタメンマスクをかぶります。ジャイアンツのルーキーが1年目から開幕カードで先発マスクをかぶるのは、01年の阿部慎之助選手以来17年ぶり。この年は代打での打率が3割を超えるなど、勝負強いバッティングが光りました。20年からは念願の正捕手の座につき、21年・22年と2年連続で2ケタホームランを記録。これも、ジャイアンツのキャッチャーでは阿部選手以来の快挙でした。
 球界トップクラスの“打てるキャッチャー”という地位を確立した一方で、守備面の強化が課題と言われてきた大城選手。19年は盗塁阻止率1割台と苦しみましたが、ステップなど送球動作を細かく改善した結果、20年は阻止率が3割4分まで急上昇。翌21年は4割4分7厘まで向上し、ついにリーグトップに立ちました。かつて弱点だったスローイングは、今や新たな武器になっています。また、際どいコースの捕球技術であるフレーミングや、ワンバウンド処理のスキルも向上し、豪快なバッティングに加えて守備力も身に付けた大城選手。見据えるのは、世界一です。

 

【侍ジャパン ラーズ・ヌートバー選手】

 来週開幕するWBCの侍ジャパンに選出され話題になったのが、セントルイス・カージナルスのヌートバー選手です。国籍はアメリカですが、母親が日本人であるため、大会規定で日本代表の要件を満たし、今回異例の抜擢となりました。現在25歳のヌートバー選手は、身長191㎝、体重95kg。右投げ左打ちの外野手で、2021年にメジャーデビューしました。メジャー2年目の昨シーズンは108試合に出場し、打率は2割2分8厘ながらホームラン14本とパンチ力があり、出塁率も3割4分と選球眼の良さも魅力です。
 アメリカのメディアでは23年のブレイク候補に挙げられている有望株ですが、侍ジャパン・栗山英樹監督は数字以上に、そのひたむきなプレースタイルと野球に対する姿勢を絶賛。チームに貢献しようという姿勢にも大いに期待しています。子どもの頃から日本代表入りを夢見ていたというヌートバー選手。昨シーズン使用したスパイクのかかとにも日本の国旗をあしらい、グローブにも母方の祖父の名前からもらった自身のミドルネーム「達治」をアルファベットで刺繍するなど、その胸の内には誰にも負けない大和魂が宿っています。陽気なキャラクターで侍ジャパンを盛り上げてくれること、間違いなしです。

   
【侍ジャパン 戸郷翔征投手】

  WBC日本代表メンバーに選ばれた、読売ジャイアンツ・戸郷投手。4年目の昨シーズンは、リーグ2位の12勝、防御率も2.62と安定感を発揮し、154個の三振を奪って最多奪三振のタイトルを初めて獲得しました。戸郷投手のピッチングの特徴は、空振り三振が圧倒的に多いこと。昨年奪った154個の三振のうち、空振り三振は133個、全体の86%を占めています。この空振り三振率の高さを過去の奪三振王と比べてみると、ダルビッシュ有投手に次いで歴代2番目になります。決め球のフォークを武器に、バットに当てさせないピッチングを心掛けている戸郷投手。そんな姿勢が空振り三振を増やし、奪三振王のタイトルにつながったのです。
 ジャイアンツでは先発の柱として投げている戸郷投手ですが、球数制限のあるWBCでは中継ぎや、先発投手が早く降板した際の第2先発も兼ねる予定です。リリーフの適性を証明したのが、昨年11月、オーストラリア代表と戦った侍ジャパンの強化試合でした。2番手としてマウンドに上がった戸郷投手は、4イニングをわずか1安打無失点に抑えます。滑りやすいと言われるWBCのボールでも、フォークの落差が抜群で、7奪三振、無四球の安定感を見せました。実は2年目の2020年、戸郷投手は日本シリーズで3試合にリリーフ登板し、敢闘選手賞を受賞しています。短期決戦でのリリーフ実績は、WBCでも大きな武器になるはずです。

 

来週のスポーツ伝説は……

3/6(月) 侍ジャパン 甲斐拓也選手
3/7(火) 侍ジャパン 中村悠平選手
3/8(水) 大 相 撲  貴景勝光信関
3/9(木) 大 相 撲  琴勝峰吉成関
3/10(金) 大 相 撲  落合哲也関

お楽しみに!!

    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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