スポーツ伝説

2022.11.25

2022年11月21日~25日の放送内容

【プロ野球 佐野恵太選手/岡林勇希選手】

 今シーズン、最後までデッドヒートが展開された、セ・リーグの最多安打争いは各チームとも残り試合がわずかとなったシーズン終盤、9月29日の試合を終えた時点でトップに3人の選手が並びました。横浜DeNA・佐野選手、中日・岡林選手、阪神・中野拓夢選手で、いずれも155安打です。残りの試合数は、DeNAが4試合、中日が2試合、阪神は1試合のみ。試合数が多く、2020年に首位打者を獲得した佐野選手が有利と見られていました。しかし中日・立浪和義監督が見込んで外野のレギュラーに抜擢した岡林選手が、9月30日のDeNAとの直接対決で覚醒します。
 岡林選手はこの試合を迎えるまで2試合連続ノーヒットでしたが、初回に鋭いライナーを左方向へはじき返すと、3回には低めの変化球をレフト前へ。8回も三遊間を破ってレフト前に運び、3安打を記録します。さらに9回、ツーアウト一塁の場面で5打席目が回ると、甘く入ったチェンジアップを右中間へ運び、ツーベースヒット。4安打の固め打ちで、安打数を159に伸ばしました。佐野選手も負けじと2安打を放ちましたが、岡林選手は2位の佐野選手に2本差を付け、一気に単独トップに立ったのです。10月2日のシーズン最終戦、阪神の中野選手は2安打を放ち157安打。岡林選手も2安打を放ち、161安打で先に全日程を終了。佐野選手も10月3日ヤクルトとの最終戦で161本目のヒットを放ち、佐野選手は岡林選手とタイトルを分け合いました。岡林選手の、高卒3年目での最多安打は、オリックス・イチロー選手以来、28年ぶりの快挙でした。

  
【プロ野球 和田毅投手】

 今年2月、春季キャンプ中に41歳の誕生日を迎えた福岡ソフトバンクホークスのベテラン左腕・和田投手。昨シーズンまで、日本のプロ野球界で積み重ねた勝ち星は143勝。今シーズンは開幕前に「150勝達成」という目標を掲げていました。開幕から先発ローテーション入りした和田投手は、5月の広島戦で今シーズン自己最速149キロをマーク。衰えを知らないのは、肉体の鍛錬はもちろん、投球フォームの修正や動作分析を重ね、研究を怠らないからです。
 今シーズンの6勝目、通算149勝目を懸けた9月15日の東北楽天戦は、チームにとって特別な日でした。2年前、55歳の若さで急逝した、川村隆史コンディショニング担当の命日だったのです。特に和田投手と川村さんは、球団名がダイエー時代からの付き合いで、プロの体のつくり方や、長くプレーするためのトレーニング方法を教えてもらった恩人でもありました。この日、和田投手は再三のピンチを招いたものの、相手のミスにも助けられ、5回を4安打無失点に抑える好投で、今季6勝目、通算149勝目を挙げました。いよいよあと1勝で目標の通算150勝。和田投手は9月30日、シーズン最後の登板、東北楽天戦に先発します。平常心を貫いて投げ続け、和田投手はみごと5回を1失点に抑えて7勝目。史上50人目のNPB通算150勝を達成。41歳7か月での150勝到達は、最年長記録です。
 
   
 
【プロ野球 水上由伸投手】

 埼玉西武ライオンズ・水上投手は、四国学院大学出身。本格的に投手になったのは大学3年生の秋からという、異例の遅さでした。にもかかわらずわずか1年後、2020年の育成ドラフトで西武から5位指名を受け、プロの門を叩きます。すると1年目の5月に早くも支配下登録。1か月後には一軍昇格を果たし、中継ぎ投手としてデビューから17試合連続無失点のパ・リーグ記録を更新しました。迎えた2年目の今年は一軍で開幕を迎え、4月にはプロ初勝利をマーク。前半戦、3勝1敗22ホールドの活躍ぶりから、オールスターゲームにも選ばれ、大学時代に慣れ親しんだ松山坊っちゃんスタジアムでの第2戦で、凱旋登板を果たしました。
 水上投手の魅力のひとつは、ピンチの場面でも動じない強心臓ぶりです。西武の元エース・渡辺久信ゼネラルマネージャーも、その投げっぷりの良さを評価しています。そんな強気な性格と噛み合う得意な球種が「シュート」です。水上投手のシュートに太鼓判を押してくれたのは、入団した時の大先輩で憧れの松坂大輔投手でした。水上投手はこのシュートを中心とした強気のピッチングで、今シーズンは60試合に登板。防御率1.77の安定感でチームのクライマックスシリーズ進出に貢献しただけでなく、リーグ1位タイの35ホールドポイントをマークして最優秀中継ぎ投手を獲得したのです。

 

【プロ野球 大勢投手】

 昨年のドラフト1位で読売ジャイアンツに入団した大勢投手。新人らしからぬ度胸の良さを買われ、開幕からクローザーに抜擢されました。7月には両リーグ単独トップの25セーブをマークしますが、新型コロナウイルスに感染し、7月19日に選手登録を抹消。せっかく選ばれていたオールスターゲームも出場を辞退することになり、セーブ王争いも東京ヤクルトのマクガフ投手に抜かれてしまいました。大勢投手は8月7日のヤクルト戦で一軍に復帰。ブランクを感じさせないピッチングで26セーブ目を挙げましたが、14日の広島戦で28セーブ目をマークした後、チームがまさかの6連敗。なかなか出番が回って来ない中、8月26日の広島戦で登板すると、9回にヒットを2本打たれながらも後続を断ち、史上4人目の新人30セーブを記録しました。
 その後もセーブを積み重ねていった大勢投手。9月21日のクライマックスシリーズ進出へ向けて正念場となったDeNA戦で、プロ初の3連投を経験。大勢投手は、気合満点のピッチングで36セーブ目を挙げました。そして巡って来た、10月2日のDeNAとのシーズン最終戦。2点リードの9回にマウンドに上がった大勢投手ですが、連打を浴びてノーアウト二・三塁。一打同点の大ピンチを迎えました。味方のミスで1点を失っても動揺せず、ツーアウト二・三塁から桑原将志選手をフォークで空振り三振に仕留めゲームセット。みごと新人最多タイの37セーブをマークし、豪快なガッツポーズで、プロ1年目のシーズンを締めくくりました。

 

【プロ野球 湯浅京己投手】

 今年、12球団トップのチーム防御率を誇った阪神タイガースの投手陣の一角を担い、チーム最多の59試合に登板した湯浅投手。プロ3年目の昨年一軍デビューを果たし、今年は開幕から主にクローザーにつなぐ8回の男として大活躍。4月にプロ初ホールド、6月にプロ初勝利と好投を続け、オールスターゲームのファン投票では、セ・リーグ中継ぎ投手部門トップ票を集めて初出場を果たします。その勢いは後半戦でも拍車がかかり、7月2日から10月2日のレギュラーシーズン最終戦まで、28試合連続無失点の快投ぶりを見せたのです。今シーズンの防御率は1・09。中継ぎ投手の貢献度を示すホールドポイントは「45」で、中日のロドリゲス投手と並び「最優秀中継ぎ投手」のタイトルを獲得しました。
 湯浅投手の役割は、ポストシーズンになるとまた変化します。2位・横浜DeNAとのクライマックスシリーズでは、最後を締めくくるクローザーも務めました。第1戦、2点リードの8回、ツーアウト一・二塁のピンチで、これまで通り8回の男としてマウンドに立った湯浅投手は、4番・牧秀悟選手から空振り三振を奪いピンチを脱出。そのまま9回も投げて無失点に抑え、レギュラーシーズンではまだ記録していない「プロ初セーブ」を挙げたのです。

 

来週のスポーツ伝説は……

11/28(月) プロ野球 野村克也選手
11/29(火) プロ野球 王貞治選手  
11/30(水) プロ野球 落合博満選手
12/1(木) プロ野球 ランディ・バース 選手
12/2(金) プロ野球 松中信彦選手

お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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