ニッポンチャレンジドアスリート

2025.07.28

田村小瑚(パラダンススポーツ)

2001年生まれ、千葉県出身の24歳。4歳のときに発症した病気の影響で、車いす生活に。2020年2月、脊髄を損傷した人が通うトレーニングジムで社交ダンスのワルツを体験したことをきっかけに、車いすで踊る「パラダンススポーツ」を始めました。2023年、国立競技場で行われた国際大会のシングルフリースタイル女子部門に出場。9位の成績を残すなど、パラダンススポーツ界注目の車いすダンサーです。

◾️2020年の暮れ、田村選手は脊髄損傷の人たちが通うトレーニングジムで車いすで踊るパラダンススポーツに出会った。

「ちょうど2020年の高校3年生のときは、12月から3月までも学校行かなくていい期間で。家から1人で行けるトレーニングジムに行って体を動かしたり、休憩じゃないけどなんかご飯食べたりとかしてる場所で使ってたんですけど。そのときにトレーナーさんが『台湾のダンスのコーチがちょうど来てるからやってかない?』っていうのをを言われて。で、そこでちょっと試しに踊ってみたところ、すごい楽しくて、そこからのめり込みました」

◾️そのときは、ダンス専用の車いすではなく、自分が普段使っている車いすで踊ったという。

「私、体幹がないので、自分にあった車椅子じゃないと手を挙げたりとかってできなくて」

「私が一番生活用として使いやすい車いすで、そのときジムまで行ってたので、台湾の先生も彼女ならいけるって言ってくれて、そっからなんかどんどんのめり込んでしまいました」

◾️普段乗っている車いすでこれだけ踊れるなら、競技者としても十分やれるはずと、田村選手はパラダンススポーツに本格的に取り組み始めた。2023年8月5日・6日の2日間、東京・国立競技場で開催された「東京2023パラダンススポーツ国際大会」。世界各国からトップ選手が集まったこの大会が、田村選手の公式戦デビューとなった。

「まず、その世界大会に行ける選手登録ができている選手が、もう手で数えられるぐらいのぐらいしかいなくて。で、たくさんの選手に出てもらいたいっていうことでクラス分けっていうのがあるんですけど、状態の軽いクラスの方が多くて、状態の重いクラスの方がいないっていうことで『出てくれない?』というふうになったのがきっかけだったと思います」

◾️田村選手にとってデビュー戦が初めての国際大会。結果は、10人中9位だった。

「一番最初のデビュー戦っていうこともあって、みなさんm他の国の方たちのダンスのレベルも分からなかったので、9位っていうのはしょうがないじゃないけど、そうだよねっていう感じの位置だったので。逆になんだろう、ホッとしました」

◾️その後、去年の10月に台湾、今年3月に香港で行われた国際大会に出場。香港では5位に入賞した。

「どんどん……踊るたびに思うのは、もうちょっとこの動き入れたらいいのかなっていう、点を取りやすいのかなとかっていうのを思うようになりました」

「どんどん『点を取るためにはこれが必要』みたいなのが、私なりにわかってきた気がします」

◾️今年6月1日、帝京平成大学で「パラダンススポーツ選手権」が初めて開催され、台湾と韓国からも選手が来日。学生たちが運営を手伝ってくれた。

「やっぱりまだこのパラダンスっていうか、パラという競技自体、知られてなかったり、見たことがなかったりっていうことが多いんだなっていうことに気づかされました」

「なので、今回のこの6月1日の大会を経て、私、いろんな学生さんとお話したんですけれども『めちゃくちゃ楽しい。私も出たい』って言ってる生徒さんがいたことを思うと、国内大会をやる意味はあるんだなって思いましたし、逆に私はまだ社交ダンスをやり始めたばかりという立場なので、国内大会で力をつけて成長していけたらいいなと思っています」

◾️パラダンススポーツの選手として、田村選手の今後の夢は?

「今後の夢は、もっと自分のできることを増やして、新しい曲にチャレンジしたりとか。いろんな競技にチャレンジして、もっと成績を上げていくっていうか、自分の中での目標をどんどん上げていけたらいいなと思っています」

◾️田村選手に、パラダンススポーツの魅力について聞いてみた。

「パラダンススポーツは、障害あるなしに関係なく、踊りたい、自分を好きなように体で表現できる平等なスポーツだと思っています」

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