1975年生まれ、福岡県出身の49歳。1998年に競輪選手としてデビューをしますが、練習中の事故で半身がまひし、2013年に引退。その後、車いすマラソン、車いすバスケットボールなどパラスポーツに取り組み、現在は主に手でペダルを漕ぐハンドサイクルの選手として活動。2023年には全日本パラサイクリング選手権ロード大会で優勝。国際自転車競技連合が主催する国際大会「UCIパラサイクリング・ロードワールドカップ」にも出場を果たしています。
◾️競輪の練習中の事故により障がいを負い引退した田中選手。車いすで陸上競技を始めたのは、偶然の縁がきっかけだった。
「入院中の同部屋の方が入院中からも車いす陸上競技をちょっと始めようかなってしてたところだったので。その繋がりから、陸上に触れるようになりました」
◾️車いす陸上では、徐々にマラソンがメインになっていった田中選手。その後、車いすマラソンから、手でペダルを回すハンドサイクルに競技転向をした。
「漕いでるのが体と離れることがないので、常にトルクがかかった状態になっているので、力が出し切れるっていうところが自分には合ってるのかなって思ってるところです」
◾️田中選手が最初に出場したハンドサイクルの国内大会は?
「日本選手権なので、タイムトライアルレースでした。そのときのレースが高低差がすごい激しいレース会場だったので、そのアップダウンが激しくて。へばらずにゴールできればいいのかなっていう気持ちで走って。それで結果がついてきたので、とてもそのときは嬉しかったです」
(初めて出場した日本選手権で優勝。自信になった)
◾️田中選手は2022年、カナダのケベックで開催された、国際自転車連合が主催するワールドカップに個人エントリーで初めて出場した。結果は、タイムトライアルが20位、ロードレースが17位だった。
「当時、連盟のコーチであった僕の元競輪選手の先輩から声かけいただいて、そこからワールドカップにエントリーさせていただくことができて、出場させていただきました」
「1周10キロほどのコースで、70キロぐらいのロードレースになったんですけど。周回遅れ、ラップされてしまって。全部完走することはできず、もう全くレースにはならなかったです」
「まずスタートからダッシュのトップスピードに上がるまでの速度、加速のスピードはほんと全く違ってたので、一言で、パワー不足なのかなっていうのを感じました」
「やっぱり筋量と、パワー、力は比例してくるので。もう足と同じぐらいの高負荷の、重りをつけてのウエイトトレーニングだったり。今まで下半身でやってきたことを、今、上半身でやるっていう形になってます」
◾️現在の田中選手の課題は?
「とにかく、パワーアップ。150メーターぐらいでどれだけトップスピードにあげれるかっていうところを重点的にやりつつも、長距離も必要ですし。両方ともやってるっていう形です」
◾️これから目標にしている大会は?
「5月のワールドカップ。そこで結果を出せれば、入賞近くの結果が残せれば、9月末の世界選手権にも走らせてもらえるかなと思っているので。5月の頭のレースに向けて、今トレーニングをやってるところです」
◾️パラリンピックの自転車競技で、ハンドサイクルを使えるのは現在、ロード競技のみ。3年後のロスパラリンピックは?
「今年やれるだけのことをやれば、まあまあ、あとあとランキングも上がって、そこにたどり着ければなと思っています」
「パラリンピック出場が夢というか、目標ではあります。あんまり時間がないので、急ピッチで叩き込んでるって感じです」
◾️世界で勝っていくための自分の武器は?
「スタミナはちょっとやれるのかなというところはあるんですけど。まあ、スタミナ勝負に持っていくまでの最初の加速っていうのが足りないなってすごい思っています」
「競技やり出してこの4年間はですね、もうそこを上げなきゃっていう思いでやってるんですけど。そこはなかなか、あまり変わらないっていうのが現状ですね」
◾️田中選手にとって、ハンドサイクルの魅力とは?
「風を切って走るっていうのが一番気持ちいいというか、魅力ですし。それで自転車で走って、この気持ちを共感できるっていうのが、すごく充実してるっていうか、楽しいのかなと思います」
「少し、足漕ぎのときは、競輪の場合はもう全力疾走なのですけど、ハンドサイクルは距離が長いので、全部が全部、フルで、全力でもがくっていうのはできないので。途中、ゆっくり目で回すっていうこともあるので。速度的には少し、やっぱり手だけなので速度は、ちょっと落ちています。風を切る感じは同じですね」
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